アスペ・エルデの会

4月2日は「世界自閉症啓発デー」です
4月2日〜8日は「発達障害啓発週間」です

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4月2日は、「世界自閉症啓発デー」です
4月2日、この日は国連が特定した 世界で自閉症の人たちを理解してもらうための世界的なキャンペーンデーです。

2007年4月 第2回「世界特別なニーズをもつ子どもたちのフォーラム」が カタールのドーハで行われました。そこで、自閉症は世界で3500万人存在し、 早期診断と早期治療が重要であることが採択されました。
国連が特定疾患を啓発する日を決議したのは 世界糖尿病デー・世界エイズデーに続き3つ目です。それだけ自閉症が世界的に注目されているということになります。
日本でも皆さんに自閉症のことを理解していただくために、 毎年4月2日に「自閉症って何?」という、 最も基本的なことが学べるセミナーを、日本中で一斉に開催することになりました。ぜひ、自閉症のことを知っていただき、理解を深めていただきたいと思います。

発達障害啓発週間(4月2日〜8日)
国連により毎年4月2日は世界自閉症啓発デーと定められました。
わが国においても、2005年4月に施行された発達障害者支援法により発達障害に対する理解や支援は国民の責務として定められています。
こうしたことを受け、日本においては、世界自閉症啓発デー(4月2日)からの1週間を「発達障害啓発週間」と定め、発達障害や発達障害のある人たちについて、多くの方々に広く知っていただく機会とすることになりました。
メッセージ
国際連合での、“世界自閉症啓発デー“(World Autism Awareness Day)の決議を讃え、先導されたシェイカ・モーザ・ビント・ナサ・アル・ミスネッド・カタール首長妃殿下、潘基文国際連合事務総長はじめ、関係された多くの方たちに心よりの感謝を申し上げます。

自閉症やアスペルガー症候群など、自閉症スペクトラム障害の人たちについて、わが国はもちろん、世界中の人たちが大いなる関心と正しい理解をもち、さまざまな形でのサポートを、日常のなかのあたり前のものとして、実現されることを希望いたします。

自閉症スペクトラムの人たちが、この社会の中で充実した人生を生きていけるよう、この日を新たな機会として、多くの人たちが手をたずさえ、ともに歩んでいきたいと思います。そのことで、障害のあるないにかかわらず、すべての人にとって幸福な社会の実現がなされることを祈念いたします。 わが国においては、2005年4月より発達障害者支援法が施行され、2007年4月より正式に特別支援教育がスタートするなど、自閉症児者の支援への動きが始まったばかりです。いまだに、多くの自閉症児者が十分な理解と支援を受けられない状態にあることも事実です。今後、さらに多くの皆様のご理解とご支援を得て、社会のなかでの自閉症児者への啓発への取り組みを押し進めたいと思っております。

今年の4月2日は、“世界自閉症啓発デー“のスタートをお知らせすることとし、来年2009年4月2日には、“世界自閉症啓発デー“を契機に、理解促進を願うイベントを行う予定でおります。

2008年4月2日

社団法人日本自閉症協会会長 石井哲夫
特定非営利活動法人アスペ・エルデの会CEO 辻井正次
日本発達障害ネットワーク代表 山岡 修

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自閉症とは(辻井正次:中京大学現代社会学部教授)
自閉症は、「自閉」という文字の印象から誤解されやすいのですが、自分に閉じこもるという障害ではありません。また、ショックなことがあって発症するわけでもないし、ましてや、親の子育てのせいで起こるわけではありません。自閉症は発達障害の代表的なものです。自閉症とその近縁の状態像を含む広汎性発達障害は人口のなかで、おおよそ1‐2%の頻度で生じてくる、発現率の高い発達障害の1つです。原因の詳細は、現在、生物学的精神医学の進歩によって徐々に明らかになっていますが、生まれながらの脳機能の障害によるものであることが明確になっています。そもそも発達障害とは、生まれながらのちょっとした脳の発達の違いから生じてくるもので、その人の状態像によって、できることに関する制約があることはありますが、「障害イコールできないこと」という考え方は過去のものになり、「理解と支援を必要とする個性」として理解されるようになってきています。わが国では2005年4月より発達障害者支援法が施行され、やっと社会的な支援の枠組み作りがスタートしました。日本発達障害ネットワークというわが国を代表する当事者団体のネットワークが生まれ、本格的な支援体制作りが始まっています。

発達障害には、自閉症などの広汎性発達障害以外に、知的障害や、注意欠陥多動性障害、学習障害、発達性協調運動障害などがあり、それらの状態像が重なりあうこともまれではありません。自閉症などの広汎性発達障害の約三分の一程度は知的障害をあわせ持っています。

さて、自閉症とは、1)社会性の障害、2)コミュニケーションの障害、3)イマジネーション(想像力)の障害、の3つが3歳以前より見られる場合に診断がなされます。

社会性の障害とは、相手の意図や、場面や状況が自然にわからず、場に合わせて行動することが難しいもので、非常識と思われる行動をとることが少なくありません。例えば、「まっすぐ」と言われたらその言葉通りに誰かにぶつかっても突進してしまったりすることもあります。
コミュニケーションの障害とは、社会性の障害があることで、相手の意図が汲みにくいため、双方向性のやりとりになりにくく、自分の興味ある話題、例えば電車のことは話しても相手の話は聞いていなかったりします。
イマジネーション(想像力)の障害は、こだわり行動やパターン的で、柔軟に対応できません。一つのやり方を学ぶとワンパターンにそのやり方でこだわって修正がきかなかったり、狭い興味、例えば電車のことに没頭して考えたりします。また、感覚的な行動、例えば、手や指先をひらひらさせたり、キラキラしたものを見ることなどに没頭することもあります。幼児期などの場合、まだ行動の仕方のバリエーションの学習が少ないため、パターンを崩されると混乱し、パニックになることもあります。
そのほか、重要なことで、自閉症の人の中には、人から触られることや、大きな音への感じ方が強くて対応が取れないほど、過敏性を持つ人がいます。過敏性は幼児期ほど強いため、両親は育てることがとてもたいへんになります。

自閉症など広汎性発達障害への発達支援は大きく進歩しており、早期から子どもの「個性」の1つとして理解をしていくことで、小さいときからの支援の積み上げの中、企業などで就労できる人が増えています。しかし、周りの人たちの「理解と支援が必要な個性」であることは間違いなく、多くの方たちがまずは知っていただくことが大切です。ぱっと自然にわからなくても、「教えられて覚える」タイプなので、丁寧にわかりやすく教えてもらえることで大きく伸びていくことを知っていただくといいでしょう。例えば、言葉の理解する力が弱い場合には、目で見てわかるように絵や写真で示すことでわかりやすくすることができます。具体的な支援の仕方なども進歩しており、日本を代表する自閉症児者支援の中核である日本自閉症協会や、あるいは、NPO法人アスペ・エルデの会などの実施する講演会や研修会などで知ることができます。
世界自閉症啓発デー(4月2日)の発足に寄せる潘基文国連事務総長メッセージ
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United Nation Information Centre, Tokyo
UNIC
国際連合広報センター
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(広報資料)
プレスリリース08-023-J
2008年4月1日
世界自閉症啓発デー(4月2日)の発足に寄せる潘基文国連事務総長メッセージ

世界はきょう、第1回の「世界自閉症啓発デー」(World Autism Awareness Day)を迎えました。私は、カタール国が先頭に立って推進したこの重要なイニシアチブをたたえるとともに、発育障害を抱える子どもたちに関する啓発活動にリーダーシップを発揮されたシェイカ・モーザ・ビント・ナサ・アル・ミスネッド・カタール首長妃殿下に対し、称賛の拍手を送りたいと思います。妃殿下のビジョンとイニシアチブは、アラブ地域だけでなく、全世界で障害を抱える子どもたちとそのコミュニティのエンパワーメントに大きく貢献しています。

国連はこの日、障害を持つ人々の権利と福祉を守るという決意を再確認します。この決意は、万人の普遍的人権という国連の基本理念に根ざすものです。国連ファミリーはその創設以来、発育障害を持つ子どもを含む障害者の権利と福祉を推進してきました。世界人権宣言が採択60周年を迎え、しかも2006年に国連総会で採択された「障害者の権利に関する条約」の発効が期待される2008年に、「世界自閉症啓発デー」が発足したことは、特に意義深いといえます。

障害を持つ子どもたちの普遍的人権の推進にあたり、将来のコミュニティの一員として、国民の一人として、また、国際社会の正式な一員として、こうした子どもたちが活躍できるような環境の整備に全力を尽くそうではありませんか。決意や創造性、そして希望を持って毎日、自閉症に立ち向かい続けている子どもたちとその家族の勇気に、敬意を払おうではありませんか。そして、そのエンパワーメントとニーズへの対応に今すぐ取り組むことで、将来の子どもたち全員がより広く参加し、能力を発揮し、権利を行使できるような社会を作っていこうではありませんか。

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世界自閉症啓発デー(WAAD)の世界でのイベント

国際連合でのWAADの制定を受け、世界各国で、政府と当事者団体などが積極的な啓発活動を行っています。事務総長のメッセージにもあるように、国連が特定の疾患を啓発する日を決議したのは3つ目で、世界的にそれだけ重要なことであると位置づけられているということです。以下に、各国のイベントをいくつか紹介します。

・明日ニューヨークでは証券取引所鐘を鳴らすといったイベントを行うそうです。
・アメリカのバーンズ&ノーブル書店では500店舗で今月は自閉症フェアを行うとのことです。
・ニューヨークのマジソンスクエアガーデンではサーカスのパフォーマンスが行われます。感覚過敏の自閉症の子どもたちに配慮した部屋なども用意されているのだそうです。
・サンダンスチャンネルでは4月2日にAutism Every Day という自閉症の家族のドキュメンタリーを放映する予定です。
・Autism Speaks UK ではeBayで3月23日から4月2日まで自閉症に関する本を書く著者を募集するオークションを開催しています。
・世界自閉症協会の代表であるIsobel Bayonaras氏は第二回WAADである来年4月2日に世界中の自閉症関係の団体の代表者は一堂に会して会議をするべきだと語っています。
・カナダではこの日の活動にかかわっている国営メディアが動いています。連邦政府と地方議会ではカナダの下院と州議会においてパズルのピースの形をしたピン(Autism Speaksのシンボルマークかと思われます)をつけて登院することを奨励しています。
・Autism Speaks Canadaでは4月中イベントを行います。その中には Toronto Rock Lacrosse Team との啓蒙の夜のイベント、Today's Parent Magazine Movies for Mommiesとの自閉症の人たちに優しい映画の日といったものもあります。
・カタールのドーハにあるshafallahセンター(ここは国連の会議に参加したAutism Speaksという支援団体が設立にかかわっているそうです)で記念式典を行うそうです。
・インターネット上ではWAADを記念してjoin the Walk on the Webを開催しています。相互リンクで世界中の活動について紹介していこうというものです。
世界自閉症啓発デー(4月2日)の発足に寄せて
国連で制定された「世界自閉症啓発デー」が、本日その第1回を迎えたことは、まことに喜ばしいことと考えています。

我が国においては、平成17年4月から発達障害者支援法が施行され、本年3月28日には発達障害者情報センターが発足するなど、自閉症を始めとする発達障害者施策は年々進みつつあります。

本日の「世界自閉症啓発デー」を契機として、国民の皆さん一人一人の自閉症などへの理解が進み、我が国において発達障害者の方々がそれぞれの能力を発揮していくことができるよう、厚生労働省としても一層努力していきたいと考えています。

平 成 20 年 4 月 2 日
厚 生 労 働 大 臣 
舛 添 要 一