超早期支援プロジェクト

しかし、実際、私どもは研究者としても、発達障害そのものについて明らかにしながら、実証的なデータを得つつ、そうした実証的な知見に基づく早期支援を行わなければなりません。そうした意味では、当初のプロジェクトの目的でもある、
　(1)次子の出産とその後の超早期発達支援をサポートし
　(2)親御さんの育児支援や次子に対する早期からの発達支援を行うサポートシステムを構築すること
に加えて
　(3)広汎性発達障害の早期診断技法の開発および成因メカニズムの解明を行う
という3つ目の目的を持たなければなりません。
広汎性発達障害児支援において、できるだけ早くに発達特性を診断（早期診断）し、支援を開始することが大変重要であることがいわれています。そこで次子の出生直後からのサポートを行っていく際に、お子様の発達・行動特徴を記録し、それらの特徴が将来どのような特性につながっていくのかを調査していきます。このようにして得られた情報を基に、広汎性発達障害の早期診断に有用な健診項目を同定することができ、将来的には日本における乳幼児健診システムのさらなる充実に貢献できると思われます。
しかし、現状、発達状況のみからの診断システムでは、子どもたちの生物学的なニーズを明らかにしていくことが遅れます。そこで、近年の知見から明らかになった、広汎性発達障害の成因メカニズムの解明につながるとされるいくつかの体内物質に関連する情報を、臍帯血からいただくことで、生物学的精神医学研究への参加をいただくことが大きな貢献となりえます。現状、先に上げた体内物質は、成人や青年期の方々におけるもので小児期早期や出生時においては行われておりません。次子出生の際、臍帯（へその緒）の血液を採取し、また1歳時の採血を行うことで、その時の血液検査所見とその子の発達との関係を調べることを予定しております。ここで得られた結果は今後、発達の特性診断に有用な検査項目を見出すことや、今まで難解であった広汎性発達障害の成因メカニズムの解明に貢献できると考えています。

無償での支援を実現するためには、研究との共同歩調を取ることが必要のため、上記の3つの目的に賛同いただき、研究に必要な情報や（臍帯血も含む）資料などの提供をいただける方を対象とした超早期支援プロジェクトとして実施します。
すでにアスペ・エルデの会の外部委員も含む倫理委員会で実施を許可されております。そうした関係上、アスペ・エルデの会の正会員団体会員と、個人賛助会員を対象といたします。また、出産される病院や産院の協力状況によっては、プロジェクトへの参加が難しい場合もありますので、お申し込みいただきながら調整していく形になるかと存じます。
上記の(3)のプロジェクトへの参加は希望されず、支援のみを希望される場合、別の支援プログラムをご利用ください(有償となります)。
次子の出産をひかえてみえる方で、このプロジェクトへの参加をご検討いただけるようでしたらご連絡いただきたく存じます。よろしくお願いいたします。