2026.06.10
いきなりですが、先月の続きです。映画の話。長い映画を続けて観たけど、トイレは問題なかったので、尺の短い「スーパー・マリオ・ギャラクシー」なんか楽勝ですよ、と書いたんですが。
結果、2回トイレ退場しました。
どうやら、こちらが前のめりで一瞬たりとも見逃したくないと思って観れば、3時間以上でも平気で保つんですが、別に見逃してもいいや、くらいに思ってたら、容赦無くやってくるらしい。私にとってはゲームキャラがずっとおっかけっこしてる作品でしかないので、どこで退場しても一緒やんか、と思ってたんでしょうね。作品を見るためのモチベーションがほとんどないので、スクリーンX を初体験することで乗り切りました。
20年以上前、長男の子育て時代、ママ友さんがどうしても観たくて、「タイタニック」を劇場に子連れで観に行った話をしてくれました。話している時点で、数年前のことですから、30年近く前の話になります。ここで、忘れないで欲しいのが、当時の映画事情は現在と全く違うということです。まず、シネコンがなくて、映画は単館でしかやってない。当然、上映期間も短く、すぐに次の作品に変わってしまいます。レンタルビデオ全盛期で配信は無いし、ビデオ屋に出るまでの期間が長い。また、レンタルにも新作料金と言うのがあって、新しい作品は高い上に、長くは借りられず、すぐ返さないといけないのです。どうしてもレオナルド・ディカプリオが観たい。今観たい。しかし、「タイタニック」も3時間越え。
このママさん、男児2人を連れて、映画館に行きました。船が沈み始めて、パニックムービーになったあたりで、一度トイレに行きました。クライマックスに備えて。
「おしっこ、全部出してって言ったのよ。出たわねって何度も確認して。なのに、最後の方でいきなり『うんこ』って言われて。私、本当に漏らしてもいいって思ったわ。ズボンくらい買ってやるからって。でも、そうはいかないから、行くじゃない、トイレ。でもって、戻ってきたら、レオ様死んでた」
レンタルビデオが通常料金になるまで、クライマックスはお預けだったそうです。
そういえば、ジブリパークができたばかりの頃、「ジブリ映画とアニメージュ展」というのが開催されました。「アニメージュ」とはアニメ雑誌で、今も普通に売っています。子どもしか見ないはずだったアニメが、高大生(まだ、大人は少数派)も見るようになりアニメのトレンドを追う雑誌として、初めて市場に出てきた本だという印象です。それまでもアニメ雑誌はありましたが、子ども向けかオタク(この単語自体は、未だ登場していませんでした)向けで、普通の高校生が学校帰りにお小遣いで買う雑誌ではなかったのです。ジブリ映画とのカップリングは「風の谷のナウシカ」が連載されていたからでしょうか。息子2人と観に行きました。彼らはジブリだから行きたいのですが、私の目当ては「アニメージュ」の部分。1980年代には珍しい、アニメ雑誌を毎月買う女子高生でした。それも、必ず友達がいないときに。さっき一緒に本屋に行って、フェルト細工の本を一緒に買ったのに、わざわざ1人で行き直すんです。まあ、そんな私だから、これは見逃したくないし、息子達も見られなくはなかろう。
この展示で、私が一番面白いと思ったのは、1980年代のオタクの部屋の再現でした。多分、大学生を想定していたと思います。黒のスチールで統一されたスタイリッシュ(だと当時思われていた)な家具、でも炬燵、ビデオデッキとL Dプレイヤーを並べて置いて、ゴミ入れは輸入物のタバコのパッケージを模したスチールの円筒。
記事や付録が展示されていましたが、現在のコンプライアンスでは考えられないものが並んでいるのは想定内。大人にとって懐かしいものは、若い世代には新鮮だったり不可解だったりします。何に興味を示すかな、と思っていたら意外な写真に。
アニメ映画を観るために、徹夜で映画館前に並ぶ人の写真ですが、それは置いといて映画館そのものに。というか、看板に。
「何これ。こんな大きな看板出しちゃったら、これしか上映できないじゃん」
「それしか上映してなかったんだよ」
「この映画終わったらどうすんの」
「掛け替えるんだよ」
「こんなに大きいのに? デジタルじゃないよね?」
あ、そこはわかってんのね。一枚一枚、手描きだよ。徹夜云々に言及するのは、そこからです。
「なんで並んでんの。前売りないの」
「座席指定がないの。座れなかったら、立って観んの。あと一回分の値段で何回観てもいいの。だから、早く席に着かないと先に座っちゃった人が、一日中その席にいたりすんの。ついでに、いつ入っていつ出てもいいの」
「カオス過ぎんだろ」
それが日常だったんだもの。ついでに言うと、夏のポケモン映画、全部親子で観てるけど、君達もジラーチ編までは単館で観てたからね。
これは予想外の反応でした。もっとわかりやすいものに驚くと思ってたのに。例えば、少女のキャラをセクシャルに描くことが禁忌じゃなかったとか。シネコンじゃない映画館て、それ以上に衝撃的なのか。
子どもが小さい頃は、毎年、夏にポケモンの映画を観るのが年中行事で、それなりに楽しかった。それが、子どもが大きくなっていって、これ、いつまでやるんだろうってなって。一番下でも高校生じゃん。
そしたら、映画自体がなくなって。
この次、劇場版が来ても、私が観にいく必要はないでしょう。だって、行くとしたら、1人でノスタルジーに浸るか、同好の士と幼少時の思い出語りながらでしょ。
「おかあさん、映画には、いつ行きますか?」
あ、この人が残っていました。