2006.04.01
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  NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」からのお知らせ

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      「楽しい子育て応援団」団長からのメッセージ
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 このメールマガジンは、NPO法人アスペ・エルデの会がいくつかの企業や研究機関などと
展開するキャンペーン「楽しい子育て応援団」の一環として配信するものです。

 まずは、「楽しい子育てを応援します!」

そして、子育てが楽しくないと感じているお母さんやお父さんの「子育てが楽しくなる」
ことを応援いたします。子どもにはいろいろな個性があります。「育てやすい子ども」も
いれば、「育てにくい子ども」もいます。「育てやすい」と感じていたら、マイペースな
発達で少し心配になったりすることもあります。

 子どもには、生まれながらの個性があります。育てやすさや育てにくさには一定の特徴が
あります。育てやすいと感じる場合、睡眠のリズムが安定しており、お乳の飲みもよく、
(その後では偏食も少なく)、ちょっとした物音や出来事でも一瞬は泣いてもなだめている
とすぐに収まっていくような個性が代表例です。しかし、反対に、睡眠のリズムが安定せず、
お乳の飲みの問題があったり、ちょっとした物音でも過敏に反応し、大泣きして、なかなか
泣き止まない、眠くなったりするとすごく機嫌が悪くなってしまうなどが代表例でしょうか。
 子どもの中には抱かれるのを嫌がる子どもや、ずっと抱いていないと寝ない子どもなども
あります。人見知りが全然ない子どももあれば、ものすごくひどい人見知りの子どももいま
す。一人にしておいても平気なので育てやすいと思っていたら、人を求めるのがうすいのか
なと心配になる子どももありますね。

 これらあげてきた例のどれかが「おかしい」とか「異常」とか言うわけではありません。
子どもの成長や発達にはものすごくバリエーションがあって、どの子どもも個性的な発達を
していきます。

 問題は、「親が子育てしていて楽しいと思えるか」あるいは「子どもにあった楽しい子育
てになっているか」なのでしょう。実は、これにはいろいろな工夫があります。特に、先に
あげた育てにくい例では、子どもにあった子育てが大切になりますね。

 ところが、日本の子育て文化って、とてもワンパターンだったりします。「子育ては愛情が
大切」というのはその通りですけど、愛情が足りないから子どもの発達上の困ったことが起
こるわけではありません。多くの場合、子どものなかでの個人差が関係していることの方が
多く、子どもにあった工夫で改善されていきます。

 育てにくい子どもの代表例に、発達障害の子どもたちがいます。皆さん、「障害」なんて
いう、人聞きの悪い言葉を使うとぎょっとするかもしれませんが、実態は皆さんが思うほど
稀なものではないし、何か絶望的という感じのものではありません。どうも日本語での定義
のミスなんですが、発達障害って、「Developmental Disorders」というのの訳語で、いわ
ゆる障害とは違う言葉なんです。紛らわしいですよね。「Disorder」って、発達の文脈の
なかでは、disが乱れで、orderが順番っていうようなニュアンスですから、発達の道筋が
少し寄り道しているよというくらいの意味です。従って、あら、寄り道しているよと感じた
時には、少しずつの修正をしてあげればいいのです。発達障害という以上、専門家からみれ
ば目だった道筋のずれがあるのですが、一般の皆さんの目だと、子どもたちの成長の個人差
からわかりにくかったりします。なので、発達全体の遅れや、対人関係の伸びの悪さ、行動
コントロールの覚えの悪さなどの場合、修正の仕方があります。結構、ちょっとした工夫で
親も子どもも楽しくなっていくものです。ましてや、発達障害までいかないよという個人差
の場合、ちょっとの工夫で本当に速やかに成長しますよね。

 そうそう、もう一つ、お話しし忘れていました。
発達障害については、今、科学的な解明がものすごいペースで進んでいて、ものすごく
たくさんのことがわかってきました。これから10年くらいがさらに進むだろうと予想されて
います。支援の仕方も本当に進歩しています。そのなかでわかってきたことのなかで大切な
ことですが、発達の道筋が寄り道した状態だと、「自然に覚えていく」「そのうちできるよ
うになる」ということが難しいことが明らかになっています。ここがけっこう大事なポイント
です。逆に言えば、「子どもにあった仕方で工夫して覚えてもらえば覚えられる」ということ
です。だから、「様子を見ましょう」というのは、親が子どもにあった工夫をするための準備
がないというような場合に、専門家がよく使うんですが、子ども側の必要性からいくと、別に
様子を見ている必要はないんです。そういう場合は、普通に考えて子どもにあった工夫をしよ
うね!と「楽しい子育て応援団」は提案いたします。

 特に、子育てに煮詰まっているお母さんを応援します。子育て期のお母さんのうつとか
って、意外に多いんです。お母さんのうつって、気がついて対応すれば本当によくなるん
ですよ。お母さんのメンタルヘルスの増進プログラムも考えておきますね。

 そして、ショッピングセンターや電力会社、カルチャーセンター、携帯電話サイトなど、
いろいろなところで、身近な形で、自然な場所で、プロジェクト「楽しい子育て応援団」は
すべての子どもの子育てを応援していきます。まずは最初に、中部電力さんと一緒に楽しい
企画を提案します。中部電力さんはとても地域のことを考えている素敵な企業だと思います。

 そうそう、あと、子どもたちの成長に関心を寄せてくださっているお父さんやお母さんの
世代はもちろん、おじいさん・おばあさん世代の皆さんに、「楽しい子育ての応援の仕方」
も提案していこうと思います。正直な話、せっかくのアドバイスも、子どもの実際とずれて
いると、うっとおしいとか、余計なお世話になってしまいますよね。是非とも、世代を超えた
楽しい子育てのネットワークが出来たらいいですね。

 もちろん、保健師さんや保育士さんや教員の先生方などにも応援の仕方を提案いたします。

 今、伊豆急下田行きのリゾート21のなかで書いています。
今日は、かつてはお母さんたちがものすごく子育てに苦労した発達障害の青年たちと一緒に
定例の旅行をしています。彼らの大多数は今は企業にお勤めをし、しっかり給料を稼ぎ、充
実した余暇を楽しんでいます。どうも、世間の「障害」というイメージが実態とあまりに離れ
すぎています。今はもう、ちゃんと準備していけば、大多数はしっかり自立できる時代に
なっていますよ。

 そうそう、私は誰かって? 「楽しい子育て応援団」団長です。発達臨床心理学者で、
NPO法人アスペ・エルデの会の統括ディレクターをして、いろいろな子どもの子育て支援に
取り組んでいます。これから始まるいろんなイベントでお目にかかれると思います。

 これから、作家の堀田あけみさんの子育てのメッセージと、小児科医の宮地先生の
子どもについてのミニ知識アドバイスと、この団長の応援メッセージ、それにいろいろな
イベント情報を提供していきます。

 なお、この企画の展開に向けての寄付などを求めています。詳しくはホームページを
ご覧下さい。

◇◆次号から、堀田あけみさん、宮地先生の寄稿も始まります。どうぞお楽しみに!

◇◆子育てに難しさをお感じの親御さん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催する予定です。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。

<以下、開催予定です>
・4月9日(日)/浜松会場(なゆた・浜北)
・4月23日(日)/飛騨会場(飛騨・世界生活文化センター)
・5月28日(日)/岐阜会場(瑞穂市総合センター)
・6月25日(日)/東三河会場(蒲郡勤労福祉会館)
・7月2日(日)/尾張・一宮市内開催予定

◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさを御感じの親御さんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページにてご覧ください。


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NPO法人アスペ・エルデの会
  「楽しい子育て応援団」

  http://www.as-japan.jp/
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