2006.05.01
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 NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」からのお知らせ

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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第1回
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◆◇子育て3つのキーワード 1つめ「それでいいよ」


はじめまして。今月から、「子育て応援エッセイ」を担当します、堀田あけみと申します。
小学校3年、1年(この子は発達障害)、2歳の子どもを抱えて、応援してもらうのは
あんただろうが、という立場ですが、そこはそれ、3人も生んで育てると、手の抜き方も、
気の抜き方も、わかってくる。同時に、母親になって最初の数年はきつかったなあと、
今になって思います。
そんな中で、開始した連載、最初は私が経験を通して得た、3つの子育てキーワード
について、1つづつおはなしして行こうと思います。

長男を育てていた頃、自分は何をあんなに大変がっていたんだろうと思います。夫は
写真家なので、長期の取材も多いのですが、何かあると、すぐに実家に戻っていた。今
なんて、別にいないならいないで、4人の静かな生活を楽しんでいるのに。それでも4
人いたら充分だという意見も、だいたい、その状態、静かじゃありません、という意見
もありますが。でも、その頃は、夫がいないとお風呂にも入れないという感じでした。
で、実家に帰ると、手は貸してもらえるのですが、精神的にはちっとも楽になれない。
なにかするたびに、母から駄目出しされる。泣き止まないから時間じゃないけど、おっ
ぱいあげれば、「まあはい、やるだか。さっきやったばっかだら(母は、三河出身)」。
おむつを替えてても、「そんなあて方では、もれてまう」。抱いても泣き止まないのら
横から覗いて、「おかあちゃんの抱き方、下手か?」。
どうも、彼女も閉経期だったらしい。待ちに待った初孫なのに、せっかく生んだった
のに、と腹立てても何も言えない。世話になってるのは事実だから。
 実の母ならまだしも、通りすがりのばあさんにさえ、駄目出しされる。文句がある
なら、私に言えばいいのに、信号待ちでベビーカーを覗き込んで、「くつした、どちた
の?はかせてもらえないんでちゅか。さむいでちゅねー」とか。
家でも頑張ってるのに、そんなにほめてもらえなかった。いつも、私のやり方に文句
をつけられていた気がする。何をしても言われたものです。「そんなやり方でいいの?」
 あの頃、私はなんていって欲しかったんだろう。「それでいいよ」って誰でも良いか
ら言ってくれたら、楽になれたのに。でも、現実には誰も言ってくれなかった。

 八つ当たりしちゃうときもある、慣れないから失敗もある。でも、「それでいいよ」。
怒鳴ったり、うっかり手があがっちゃったり。
 それでいいよ、反省したり後悔したりする自分がいるなら。
子どもが可愛いと感じられる限り、子どもが笑って、「おかあさん」て抱きついてくる
限り、ちょっとした人間的な失敗は、「それでいいよ」にできると思う。
あきらかに、子どもに愛情を感じなくなったとき、子どもが、親に対して真剣におび
えている様子が見えたときには、思い切ってSOSを発信しましょう。家族に、友達に、
相談の窓口だってあります。「気にしちゃ駄目だよ」とか言われたら、相手を変えて根気
よく。「辛かったんだね」って、気持ちを受け止めてくれる人は、きっとどこかにいる。

 私の場合、次男が「おかあさんおばけ」って言ったら、これじゃよくないサイン。
ちょっと前まで、ほとんどしゃべれなかったのに、なかなか良い表現をする。と、よ
ろこぶところなのですが、何分、余裕を失ってるときにいわれますので、往々にして
「なんだとお!」。
 やっぱり私にも、まだ応援が必要ですね。



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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第1回
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 日本の良いところのひとつに、四季があることを挙げる人は多いでしょう。季節の移
り変わりを感じとって感性豊かに生活することは、日本人の醍醐味のようなものなのか
もしれません。
 移り変わるといえば、子どもの成長発達もそうですね。
 段々身長が伸びたり、今までできなかったことができるようになったり・・・。時に
は自己主張が強くなったり反抗期なんていうのもありますが、それも成長しているから
こそ。
 子どものいろいろな変化を感じ受けとめていく中で、振り返ってみたとき自分自身も
親として、一緒に成長していることに気がつくのではないでしょうか。そしてそれこそ
が子育てをする親の醍醐味なのでしょう。
 「最近、言うことを聞かなくなって困る。」と相談される親の方が時々みえますが、見
方を変えれば、「それだけ自分の意見をしっかり持つようになった。」ということでもあ
り、成長の一過程であるわけです。あとは、成長した子どもに対して、われわれも対応を変
えていかなければなりません。相手の気持ちを受けとめながら、話し合いで物事を決め
る姿勢が必要になってきたのでしょう。
 子どもが成長するのと同様に“子育て”も成長させていきましょう。
 そして何よりも、子どもの成長は見逃したら二度と同じ場面を見ることができない、
一回しか上映しない名画のようなものです。だからこそわれわれは子どもの一瞬一瞬を
よく見ていきたいですね。


◇◆今回から、堀田あけみ先生、宮地泰士先生の子育て応援エッセイが始まりました!
いかがでしたか!「うんうん!そうそう!」って、うなずきながらお読みいただいた
読者の方も多いのではないでしょうか? 私もそのひとりです(笑)

◇◆子育てに難しさをお感じの親御さん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催する予定です。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。

◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさを御感じの親御さんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
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    http://www.as-japan.jp/
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