2017.03.10
朝の時計
堀田あけみ
子ども達が幼稚園に通うようになって以来、朝はテレビをつけていました。小刻みに番組が移り変わる朝のEテレは、家の中、どこにいてもだいたいの時間がわかります。一時期、テレビ愛知の「おはスタ」から曜日替わりの別の子ども番組、という流れもありました。これは、時間を見つつ、「これ終わったら、行くよ」という誘導も出来て便利なシステムでした。
幼稚園に通う子が我が家から消滅したときに一つの変化が起こります。8時半まで「おかあさんといっしょ」を見て、親子で幼稚園へ、という動きが、親は行かなくてもよくなったので。そして、しばらく離れていた朝ドラが、このときたまたま「ゲゲゲの女房」で。
はまりましたわ。7時50分に子どもが全員、家から消えるから、一時間目に授業がない日は、がっつり見てました。マイペースで芸術家気質で、家族より経済状況より、まず作品という夫に、ひたすら尽くす布美枝さん。どんだけ感情移入したことか。おとうさんも、珍しく続けて見ていました。
そこから、「てっぱん」「おひさま」と毒にも薬にもならない作品が続きましたが、「カーネーション」でまたはまり、「あまちゃん」には家族全員で夢中になり、「朝がきた」は私だけがのめり込んでいました。
この「家族全員で」の裏には、いつの間にか7時半からのBSでの先行放送が、我が家の暮らしに定着した事実があります。Eテレよ、「おはスタ」よ、さようなら、ということです。
しかし、この秋、我が家の朝は再度のモデルチェンジを行いました。一時期、BSがとても入りにくくなったので、テレビをつけなくなりました。そしたら一日で、朝のリズムががったがたになったので、その場しのぎのつもりで、久しぶりに「おはスタ」をつけたら。
BSが入るようになって、「べっぴんさん」の先行放送、及びその前のアンコール放送「ごちそうさん」をつけたところ、コトコからやめてほしいとのリクエストが。
「『ごちそうさん』は見入っちゃうから、出かける準備が遅れる。『べっぴんさん』はぶっちゃけ、どうでもいい。これに関しては、『ピタゴラスイッチ』や『コレナンデ商会』見てた方が為になると思う」
とのことで、毎朝、「おはスタ」「デザインあ」「ピタゴラスイッチ」「コレナンデ商会」がついています。見ている、としないのは、見ているとは限らないから。聞いていたり、聞いてすらいないんだけど、次の「みいつけたっ」に出てくるオフロスキーの声が聞こえて、あ、急がないかん時間になっとるじゃん、てなったりするので。
いずれも、お久し振り、の番組で相変わらず面白いのは、子ども番組を作る底力があるということでしょう。それに特化したEテレは当然ですが、テレビ東京の子どもの良い意味で俗な部分に寄り添う力はお見事です。
「コレナンデ商会」だけは初めましてですが、面白いです、これは。特別に面白い、と言って良いです。招き猫の「間田ナイ」ちゃんの呟きが大好きです。が、吉木りさが声優として非常に有能である驚きもあれば、改めてエンタテイナーとしての川平慈英の魅力を堪能できる、朝からとってもお得な番組である意味の方が大きいです。
しばらくは、こんな朝が続くことでしょう。また、何かのタイミングで、別の朝が始まるのでしょうね。番組改編でってこともあるかもしれません。でも、Eテレの子ども番組が面白く無くなることってしばらくないと思うので、多分、チャンネルはそのまま、でしょうね。