2023.04.10
 長年続いた受験生の母業が、ようやく終了しました。
 二ヶ月前に、かなり切羽詰まった状況をお伝えしましたね。
 そのときに、ビッグデータとスモールデータの話をしました。ママ友さんの中にも、やはり共通テストの結果に落ち込む方もいて、曰く、
「共通テストのボーダーから、行ける国立を日本中探して、初めて聞く大学の名前を山ほど知った」
 うちも、そうしました。
 でもね、結局、最初の志望校を受けたんですよ。
 何故かというと、予備校のAからEまでの判定は、とても大きなデータから確率的に算出されたものです。これは、データサイズが大きければ大きいほど信頼性が高い。現時点では、河合塾のデータが圧倒的です。比較してみればわかりますが、ベネッセだと偏差値が平気で河合塾より10高かったりしますよ。だから、大手受験産業からDとかEとか言われると志望校変えなきゃって思っちゃいます。
 でもね、その情報がなかったら、どうでしょう。目の前の一人だけの、小さなデータで考えるとしたら。例えば、ボーダーより上だったら、よし、このまま受けようって思いますよね。でも、ボーダーラインは合格率50%。半分は落ちるってことです。
 そして、我が家の例を出すと、判定はDでボーダーより12点下です。
 12点てさあ。
 満点、2700点よ。
 二次で十分挽回できるやん。
 てか、一問で変わるでしょ。
 とか、軽々しく言ってはいけない。何故かというと、そんなに簡単なものではないから。
 私だったら、行けんじゃんって考えますけどね。というのも、私、特技がテストで高得点取ることなので。過去問解くと、出題傾向わかりますから、簡単に対策できる。作題に先生の癖とかも出るし。だから、あー、一次しくじりました? だったら二次行こう。幸い、二次比率高いし。と私はそういう発想の持ち主です。
 そして、こう言うと、「自慢ですか?」ってことになる。
 自慢じゃないと言えば嘘になるわな。でも、テストの成績が良いなんて、学校行ってる間しか役に立たない特技じゃん。その間は、絶対的なアドバンテージになるけど、社会人としての生活に関わって来ないし。それから、もともとそういうのが得意な質っていうのもあるけど、言うてめちゃめちゃ頑張ってたわけでもあるので、自慢くらいさせて欲しい。
 しかし、彼女は二次が得意なわけではない、というものの、それは本人比であって、模試の点数から見ると低くはないので、第一志望は譲らない。その代わり、滑り止めを強化する。
 ていうか、もともと彼女にとっては地元国立は受けておくべきもので、本当に一番行きたいところは自分で探してきた私学だったんじゃないかと、私は思っていて。
 真の第一志望は、京都の私立なのではないかと。
 というわけで、私立の強化策をどのようにしたかというと、ここは、実用性を重視して、具体的な校名を挙げてしまいましょう。

もともとの計画
 同志社 一般入試 文系全学部(グローバル地域文化学部)
          学部個別(グローバル地域文化学部・社会学部)
     共通テスト利用入試  グローバル地域学部・社会学部・文学部

これに、以下を付け足しました。
 立命館 一般入試 国際関係学部
 南山  共通テスト利用入試 外国語学部
 国公立後期 三重大学人文学部

 留意点は、大学ごとの出願締め切りには、大きな違いがあるということです。
 特に、共通テスト利用は、実際にテストを受ける前か後か、というのがあります。今回の例で言うと、同志社は例外的に早く、一般入試も含めて共通テスト前に締め切れらます。立命館も共通テスト利用は実施前。つまり、結果を見て判断することができません。南山は実施後です。
 だから、共通テストの結果を受けての補足出願では、立命館は一般での出願はできても、共通テスト利用はできません。
 この辺りの複雑なシステムは、自身が大学入試を体験して、大学に勤務している私でも難しい。むしろ、普段自身の本務校のシステムに慣れているからこそ、「嘘やん」となることもあるわけです。
 ママ友さんからの相談で多かったのが、「自分が大学に行ってないから、受験生がどういうものかわからない」でしたが、私にとっても複雑です。まず、問題として相対的な指針である偏差値を絶対値であると誤解しているお母さんも多いことがあります。
「うちの子の定期テストの偏差値を知りたい。高校は教えてくれない」
ありませんねえ、多分。大規模な私学だと、校内偏差値を出すこともありますが、母集団の規模が小さく、信頼性には足りませんし、似たり寄ったりの生徒が集まった集団ですので、ちょっとした得点の違いで、値が大幅に変動します。
ですので、一番の対策は「大手予備校に通って、指導を受ける」です。先に書いたように、大手予備校ほど信頼性の高いデータを持っていて、指導のノウハウも明確にしています。うちは現役と浪人で塾を変えましたが、やはり大手は強い。
でも、最後に決めるのは自分。子ども自身の知識と経験では心許ないので、親からの助言は必要ですが。だって、最終的には目の前の子どもの将来を考えられるのは親。指導のチューターさんからすると、企業としての予備校の実績を無視することができず、それが国公立に何人合格させたかになるわけで、ビッグデータに基づいて「名前を聞いたこともない国立を受けるよう勧め」ざるを得ないわけです。
 浪人するかとか、県外でも良いかとか、国公立優先かとかは、それぞれの事情で決まってきます。そして、可能であれば、学生相談室が必要になりそうなら、ちゃんと機能しているかも、事前に確認する方法があると良いですね。難しいけど。
 私は、長男の大学の学生相談室が頼りにならなかったので、苦労しました。
 さて、今回は普通に大学を受験するときのお話でした。
 次は、初心に戻りましょう。
 来年度を見据えての、小学校からの進路選びについてです。


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