2014.03.10
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  NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です 2014、3号

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     堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第94回
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◇◆いただきます!
                          
 今回は、朝ドラの話です。
 通称「朝ドラ」。でも、オープニングタイトル見ると、連続テレビ小説っていうんですよね。小説、なんです。小さい頃から、家にいるとついているものでした。朝ドラと大河ドラマと、月曜8時の時代劇は。一人暮らしのときも見ていたかな。でも、子どもが生まれてから、見なくなりました。子どもに合わせた生活でそれどころではなくなったし、裏には「いないいないばあっ!」や「おかあさんといっしょ」があるし。
 習慣とも言える朝ドラ視聴が再開されたのは、「ゲゲゲの女房」からでした。理由は幾つかあります。話題作だったし、水木しげるが好きだったので、見てみようと思ったら、一つのことに夢中な夫に振り回される主人公が他人事とは思えなくて。おとうさんに、そう言ったら、一緒に見始めて、おとうさんまではまってしまいました。何より大きいのは、コトコが小学生になったことでしょう。それまで9年間、私は毎朝8時半に子どもを連れて幼稚園に向かっていました。当時、朝ドラの放送時間は8時15分からでした。登園準備にフル回転の時間です。誰かの登園準備に必死だということは、他のメンバーにはおとなしくしていて欲しい時間でもあるので、教育テレビ(当時)つけっぱなしにもなろうというものです。7時55分に子ども達が全員、家からいなくなる生活が始まったことがおおきかったと思います。
 その後、流し見したり、熱心に見たりを繰り返し、はまりまくったのは「カーネーション」そして「あまちゃん」。「あまちゃん」には、おとうさんとコトコが春休みに既に夢中になりました。新学期が始まって、BSでは7時半から見られることがわかったので、コトコとカイトはそれを見てから登校するのが日課になりました。マナトは高校生になっていたので、ちょっと家を出るのが早いです。おとうさんはたまたま夏に岩手で仕事があったのをいいことに、聖地巡礼までしました。上野アメ横には家族で行ったし。本とかCDも随分買いました。
 当然、いわゆる「あまロス」も経験しました。私は、「ごちそうさん」もそれなりに面白いドラマだと思っていましたが、おとうさんとコトコは文句ばっかり言ってました。でも、今も見てる。ただ、番組中に出て来た「鯛飯」をコトコが食べたいと言ったので、作ってあげたら、少し好きになったみたいです。そう言えば、マナトがネットで「日々の食卓が『ごちそうさん』に浸食されている」という書き込みをみつけたそうです。
 食の力を強調し過ぎることで、物語の運びが強引になることもありますが、毎日ご飯を作るおかあさんとしては力付けられることも多いのです。
 常にわちゃわちゃしているオハラ家ですが、おとうさんのいない日に三つ巴の大喧嘩があった土曜日、おかあさんも何をする気も起きなくて、お昼ごはんはカップラーメンにしました。普通に楽しくお食事しました。だって、UFOも赤いきつねも美味しいからね。
 でも、気を取り直して晩ご飯にお好み焼きを作ったら、違うんですよね、なんか。子ども達の顔が。元気とか、嬉しそうとか、そういうものとも違う、幸福感や充実感というのでしょうか。好きな具を載せて、焼けるのを待つのも楽しくて、あんなにぐだぐだした一日が、終わりよければすべて良しって感じになっていました。
 手をかけて、一生懸命に作ったごはんが、力になったのかなって思います。それが力になっていく過程を見守ることができる、おかあさんの立ち位置は、ありがたいものだと思いました。
 家族でいるということは、一緒に「いただきます」と「ごちそうさま」を繰り返すことなんだなあ、とドラマと経験から思いを新たにさせてもらいました。
 でも、さきほどコトコから、宣告が。
「BSの『ごちそうさん』もういいや。め以子さん、おばさんになって面白くなくなっちゃった。8時からの見てよ」
 うん、物語が停滞していることは否めない。
 でも、BSでの視聴、通称「早ごち」は、やめません。
 理由は、観ていないようで、カイトが観てるから。
 朝ドラ観るようになってから、用事の無い土曜日に私が寝坊すると、カイトが朝ドラの時間に起こしてくれるんですよね。「『あまちゃん』の時間だよ」、とか。これも、なかなかいいものです。


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