2014.01.10
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  NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です 2014、1月号

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     堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第92回
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◇◆おいしく食べよう
                          
 毎週水曜日は、遅くまで非常勤先にいるので、晩ご飯はお外で食べることにしています。週末の外食はちょっとリッチに。と言っても、オハラ家のリッチは、バイキングと決まっております。水曜日は軽く手早く、となるとチェーン店が多くなります。
 近くに大きなお寺の参道があり、老舗の食べ物屋さんも多いのです。私としては、そっちの方が好きです。なんと言っても美味しいし、大学院生の頃から住み続けた町なので、お世話になったお店でもあるわけで。でも、偏食の多い我が家では、そういったお店に行っても、食べるものがないってなるんですね。ファーストフードの炭水化物祭りが無難。
 マクドナルド、モス、ココ壱に、去年すき家とコメダが仲間入りしました。以前は、ラーメンの異人館も重宝していましたね。子ども達はざるラーメン一択。ほんっと、麺だけしかないっすよ。この店は、うちの近くだけじゃなく、チェーン自体がなくなったようです。
 それが最近、変わって来ました。ときには、おかあさんの好みにつきあってよ、と近所のお店に行くとそれが好評で。地元のお店は、定食が中心なので、野菜が本当に苦手だった頃は、ごはんとメインしか食べられなかったんです。でも、いつのまにか、付け合わせのキャベツももりもりいけるようになったし、おかあさんの具でないお味噌汁も大丈夫になりました。レパートリーが増えると、こっちの方がいいかも、となってきます。嬉しい。ファーストフードより、きちんと食べた感じがするし。あと、お安いです。
 かにコロッケが有名な喫茶店のイタリアン(ナポリタンを古い名古屋人はこう呼びます)は鉄板に乗っかって、トーストとドリンクか、ご飯とみそ汁がついてきます。マナトのお気に入り。アイスのカフェオレつけて。
 カレーうどんと大盛りで有名なお店は、ライス小かライス小々(さらに小さい)で。昔、大学院生のころ、ある先生が「カレーうどんは底が見えないから、湧いて来てるんじゃないかと疑っていた」といったほどの量。マナトの親子丼を、
「ごはん小で」
 と頼んだら、おとうさんが、
「食べ盛りの子になんてことを」
 といいながら、自分味噌煮込み定食のごはんを普通にして、取り替えてもらってました。
「多いなら多いって言ってよ」
 言いましたよ。
 醤油味のお団子、カレーと紅茶の店、美味しい鬼まんじゅう、もちもちのドーナツ。
 こういうお店に入ってのんびり出来る家族になれたのは、いいんですが、古い商店街の人達はちょっと優し過ぎるのかもしれません。私のことを学生の頃から知っててくれるし。子ども達のことも気にかけてくれてるし。
 そういうところの接客に慣れ過ぎて、マニュアル通りのお店の応対が寂しかったり。構ってもらえないコトコは明らかにテンション下がります。
 先日も、有名なトンカツ屋さんでお食事しましたが、バイトさんの接客がとっても残念。1700円で、あんな思いするんだったら、地元で900円のとんかつ定食にしとけばよかったね。今度からそうしよう。
 何より、カイトをわかってくれてるところが有難い地元です。
 もう一つ、マナトとカイトが小さい頃、Eテレの「いないいないばあっ」に出てた「くう」っていう可愛いキャラクターが今、オハラ家の密かなブーム。今の「うーたん」が子どもらしいうざさを全面に出したキャラなのと比較すると、随分な優等生でした。何かと子ども達の小さい頃を思い出してしまうこの頃、「くう」の歌っていた、「おいしくたべよう/みんなでたべよう」も頭に浮かんできます。
 みんなで食べよう、はおとうさんを除くオハラ家の今の幸せ。うん、おとうさんは都合のいいときに食べたいから、みんなではあんまり重要じゃないみたい。
「美味しかったね、でもね、コトコはおかあさんのごはんが一番好きなの」
 取りようによっては、おかあさんがごはんを作ってくれないことへの苦情。でも、コトコの優しさをよく知っているおかあさんは、褒め言葉として受け止めます。
 こう言ってもらえるのは、本当に幸せな母親だと思っています。


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