2011.11.01
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆
NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です 2011、11月号
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆
空気が澄んだ夕暮れは、遠くの山並みを赤く染め、つるべ落としの秋ですね。
今年はインフルエンザの流行が早いと聞きました。
皆さま、お気をつけてお過ごしくださいね。
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第66回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
◇◆大きくなったね
ちょっと前から、子育て卒業感が強く、何かとしみじみしてばっかです。自
覚もあるので、そればっかじゃ駄目だろって、書かないように意識してもいま
す。
が、おとうさんにまで、それがうつって、小さい子見ると「可愛いねえ」「う
ちの子もあんなだったのに」と言い、何気ないときに、「子育てって楽しかった
ね」。既に過去形。なので、今回は敢えてその話です。一番下が女の子っていう
のは、早く大人になっちゃうってことでもあるので、しみじみ感も、早くやっ
て来るのですよね。
マナトが生まれてからというもの、我が家はずっと「小さい子どものいる家
庭」を継続して来て、コトコが生まれてからは、「五人様」も継続していました。
お店に入って、「五人です」っていうと、一瞬、間が空きます。
「あー … はい、五人様ですね、こちらへどうぞ」
四人までから、大方の形態の席に着けるのですが、それ以上だと考えなけれ
ばいけないということです。予約とろうとして、「大人数さまは席の確保が難し
い」って言われたこともありますよ。五人て大人数か。
最近は、四人も多いのでスムーズです。マナトが家族と外出しなくなってい
ます。それは、親と一緒が鬱陶しいというよりも、自室がない為に、一人の時
間を確保できるのが、家族の外出時だけという理由が大きいようです。
夕方の子ども番組も、十年以上つけていたのに、もう必要ありません。「おか
あさんといっしょ」から「天才てれびくん」への流れは、「銀魂」や「スケット
ダンス」から「ピラメキーノ」への流れにとって代わられました。でも、クッ
キングアイドルのマインちゃんは、コトコが好きなので見てます。少し前まで、
命綱でした。一日中おかあさんおかあさん言ってるちびちゃんが、テレビに集
中してくれるのが夕方四時から。待ち遠しかったものです。今は、三時半から
になってるんですよね。十年前なら朗報なのに、今となってはどうでもいい。
ここのところのコトコの変化で気づいたのは、道着を着たときの帯の位置で
す。男の子は、腰骨のところで締めるんですよね。なのに、コトコはくびれの
ところ。くびれてきたんですよ。まるっこい幼児体型が。試合の度に、プログ
ラムに身長と体重が載るので、それが気になり始めました。体重が重いのを男
の子にからかわれるんだそうです。身長が高いのはスルーのようです。「身長だ
って私、高いもん!」と男子に言ってはいけないことは、本能的に心得ている
様子です。
で、そのくびれ具合がかなりもの。二十代の頃の私は、今の私とは別人も同
様なので(だから、十代の頃なんて尚更。デビュー作で私を語るなと学生達に
は言ってあります)、他人事のように言うと、くびれだけはありました。筋肉を
バランスよく酷使して、帯をぎゅっと締めるので、武道女子はくびれがある。
これは私の持論です。コトコも、あれだけウェストがきゅっとしてたら、男子
のいうことなんて、聞き流して良さそうなものなのに。
同時に、女子ならではの大きな問題にも向き合いつつあって、練習では、今
まで負けたことのない、男子に負けることが続いています。試合では、選手の
数が少ない、女子の部では、すぐに優勝できてしまうので、おにいちゃんみた
いに、勝ち上がっていく醍醐味がないのも嫌だそうです。
考えてみれば、体格のいい子ですし、私の経験からしても、後二年か三年で、
初潮を迎えることになるでしょう。私の家系は、初潮が早く、閉経が遅い傾向
があるようですから。そうなったら、ほんとうに「女性」ですものね。私は、
子どもの質問にはちゃんと答える、を信条としていますので(答えに困ること
はあっても、工夫して答えるのが親の義務だと思っています)、マナトもコトコ
も月経については、かなり小さい頃から、そういうものというイメージは持っ
ていたはずです。生理用品のコマーシャルも頻繁に流れますしね。マナトは小
学校低学年の頃、スーパーで生理用品を籠にいれる私を見て、こう言ったこと
があります。
「おかあさん、うちにはもう赤ちゃんは来ないって言ったよね。でも、それが
いるんだったら、まだ生めるんじゃね?」
もう、そんなことも言えない、大人になってしまいました。
でもコトコ、気持ちは当然、まだ子ども。先日も、同じ状況で、
「私がそういうの使うようになったら、どれにしようかなあ。『肌おもい』かな、
やっぱ」
と、大きな声で言ってましたから。
ここのところ、おとうさんは写真のスタイルを変えています。古いレンズを
使って、味のある画面を創りたいようで、いろいろなレンズで、子ども達を呼
び出してはモデルをさせています。
最近の口癖は、
「この子達は、大人になったとき、何を思い出すんだろう」
現実にあったことだけを切り取る写真家は、そんなふうに思い始めているの
だと、実感しました。
嘘八百で何百頁を稼ぐ小説家は、五人家族に残された時間で何ができるのか
ばかり考えているのにね。
◇◆堀田あけみ先生の略歴
1964年 愛知県生まれ。
1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
2011年現在 椙山女学園大学 勤務
【主な著書(現在、入手可能なもの)】
「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
「White Smile」(共著、ワニブックス)
「発達障害だって大丈夫−自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第66回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
子どもとキャッチボールの練習する時、皆さんはどのようにされますか。
最初は近い距離から緩いボールで練習をして、段々慣れていくに従ってお互いの
距離を広げ、投げる強さなどもレベルアップさせていくとキャッチボールは長く
続いて楽しくなり、お互いに上手になっていくでしょう。特に最初の頃などは、
子どもの胸元にそっとボールが降りるように投げて、子どもがボールを取り損ねない
ように配慮することも必要ですね。もしも、最初から距離を遠くにしたり、強い球や
変化球を投げたりしたら子どもはそのボー
ルが取れなかったり怪我をしそうになったりして、やがてキャッチボール自体への
意欲を失ってしまうかもしれません。
このことは親子のコミュニケーションでも同じなのではないでしょうか。
最初はすぐそばに寄り添って、やさしく分かりやすく丁寧に接し、段々子どもが
慣れていく様子を確認しながら、少しずつ距離をあけたり、やり方を変えたりして
いく・・・。そうすればお互いの距離が開いても、多少強いボールや変化球であっても、
お互いに上手にキャッチできるようになり、キャッチボールがとても楽しいものになる
のではないでしょうか。
コミュニケーションは、“言葉や気持ちのキャッチボール”とよく例えられます。
どちらも長続きして楽しく上達するコツは、お互いの“ボール“を相手が取りやすい
距離と球種で投げ合うことが大切なのではないでしょうか。
◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
平成7年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
同年4月 名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
平成12年4月 医学博士号 修得
平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
平成22年4月 名古屋市あけぼの学園 勤務
【著書】
・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
(ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html
◇◆「楽しい子育て応援団」へのご意見、ご感想をお待ちしています。
heart@as-japan.jp
****************
NPO法人アスペ・エルデの会
「楽しい子育て応援団」
http://www.as-japan.jp/
****************