2011.09.01
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NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です 2011、9月号
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近所の保育園に、男子大学生が保育実習に来ています。
その園は縦割り年齢保育なので、2歳児〜5歳児まで発達程度の違った
子供たちを相手に、毎日奮闘中!
「子どもたちから、元気をもらっています!」という実習生のいきいきした
姿を見守る園長先生の笑顔もステキでした。
“楽しい子育て応援団”が、そこにはありました♪
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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第64回
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◇◆星に願いを
新しい名古屋市科学館に行ってきました。目的は、「おばけ屋敷を科学する」。
マナトへのおすすめ企画です。ちなみに、おとうさんは取材中。いると、空気
が悪いとこには行きたくないって反対されるからです。だからといって置いて
行くと、怒るから。拗ねるんじゃなくて、マジ怒るのでそこんとこ、触んない
ようにしています。
前半はおばけ屋敷。後半は展示。展示は少し難しいけど、マナトには興味深
かったみたいです。仕上げは、お化けが写り込むプリクラね。ばっちり決め顔
のコトコの隣で、口に両手の握り拳をあてて、怯えた顔を作るカイトのほうが、
遥かに空気を読んでいます。マナトは、後から合成したおばけが、ちょうど顔
に重なって、ほんものになっていました。
普通の展示で遊びまくって、整理券がいるようなコーナーには行ってません。
カイトがいると、整理券の為に並ぶのって、難しいんですよね。並んだ末に何
かあるのなら、ある程度、納得いくんですが、一定の時間を置いて何かある、
というのはね。普通のとこで、何時間も盛り上がれるオハラ家は、それで良い
のです。当然、かの有名なプラネタリウムにも行ってません。
プラネタリウムが混んでるなら、本物の星を見に行きましょう。定員ないか
ら。礼文島でも満天の星は見たけれど、律儀に夏休みに日程を会わせて来てく
れる流星群があるんだから。というわけで、ペルセウス座流星群を観に、茶臼
山に行ってきました。ビジターセンターの駐車場。沢山てほどではないけど、
結構人はいます。子ども連れも。でも、夕方には晴れていた空が曇り始めて、
見えたのは三つだけ。十一時に、見切りを付けて帰りました。やっぱり普通の
流れ星とは違う、大きくて長いしっぽのある星でした。
星を見に来た子ども達は、たとえ曇っていても、はしゃぎ回っています。走
ったり、騒いだり。だって、夜に山にいるなんて、それだけで興奮するもの。
眠くなんかならないんです、きっと。星が見えなくても、見に行ったことが思
い出になるんです。
うちの子達だけですね。車の中で爆睡してるの。蛍に礼文島、夜に山にいる
のが、そう珍しくない季節なので、眠くなったら寝ます。でも、寝ちゃったこ
とが思い出、きっと。
十年程前にも、流星群の極大に合わせて、お向かいの奥さんとキャンプ場予
約したことがあります。極大は、八月十三日の未明だと言うので、八月十三日
をとりました。おとうさんに知らせたら、普通にごくろうさんと言ってくれま
した。でも、お向かいの御主人が、
「十三日の未明って、十二日の深夜じゃないの?」
その通りです。大慌てで予約し直そうとしたら、その日はどこも既に一杯で
した。一日ずれても見えるんですが、その日は雨。少しは見えたけど、何分、
子ども達、就園前だし。コトコなんか、影も形も無い時代。見てたのは、お向
かいのご家族と私だけです。おとうさんは、運転疲れで寝ていました。
だから、全然縁がないかというと、私は降るような流星群を経験しています。
流星群とか、まったく考えずに、尾鷲の新鹿海岸でキャンプしていたら、未明
近くに、星が海に向かって幾つも流れるのが見えました。
「みんな起きて。星が、すごい」
子ども達は、昼間に十時間近く、波の荒い海で遊んでいます。起きるわけが
ありません。おとうさんは起きました。
「よく見えるように、テントの窓、開けといたげるね」
そして、寝ました。でも、翌日本人に尋ねたら、なにも憶えていないそうで
す。星なんか、見ていないそうです。一人で、見ていました。
星が流れても、曇っていたら見えません。よそ見してても、見えません。
「折角来たのに、みないで、帰るの?」
「見えない日も、あるから」
それで納得する生活を今まで送ってきました。はるばるカナダに行っても、
吹雪の日はあるし、アメリカに行っても、降るときは降るんです。
今度は、流星群に合わせて、コテージでも借りましょうか。夜明け前に、窓
から見えるように。うんと早めに。晴れるとは限らないけど。そこに家族でい
たら、きっと楽しいよ。
カイトに至っては、星関係無いから。独特の一本調子で、
「わーい、楽しみ」
とは言うけど、見てないし。今回も、マナトとコトコが知りたいのは、「いつ
星が見えるか」だけど、カイトの場合は、「いつ帰るか」。
でも、お出かけとお泊まりは大好きだもんね。
目下、日間賀島で合宿中。七夕の短冊に、「ぼくひかまじまいきますように」
って書いたのが無事に叶いました。
来年、コトコは「りゅう星ぐんが見えますように」って書きそうです。
◇◆堀田あけみ先生の略歴
1964年 愛知県生まれ。
1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
2011年現在 椙山女学園大学 勤務
【主な著書(現在、入手可能なもの)】
「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
「White Smile」(共著、ワニブックス)
「発達障害だって大丈夫−自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第64回
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最近、何かで大成した子がいると、「その子の親はこのように育てた」などという
ニュースが話題になったりします。
もちろん人それぞれ条件は違うのだから、その人達が上手くいったからといって、
自分達も同じやり方をすれば同じ結果が得られるということではありません。
ただ、大成した子どもの親御さんの育て方に共通する点があるとすれば、それは子
どもの意志や気持ちをよく知っていて、子どもの個性に適している目標を見つけ、そ
の実現のために必要な環境条件を提供することに努めたということではないでしょうか。
つまり、子どもの個性とその伸ばし方を正しく理解していたということなのでしょう。
そして、そのように育てられた子は、自分らしさを大切にして生き生きとしているよ
うに思います。
実際、私達が本当に注目すべきなのは、その子が何をしたのかではなく、その子が
どのように成長したのか、どのような気持ちで生活したのかであり、参考にすべきな
のは、その子の親は何をしたのかではなく、何を大切にしたのかではないかと思います。
子育てにおいて、子どもの業績(何をしたのか)は、言ってみれば“おまけ”のよう
なものなのかもしれません。そして、“おまけ”が大きかろうが小さかろうが、子ども
が自分自身を正しく理解し、自分らしさを活かして元気に生活してくれることこそが、
親(子育て)にとっての成功であり共通する目標であるような気がします。
◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
平成7年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
同年4月 名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
平成12年4月 医学博士号 修得
平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
平成22年4月 名古屋市あけぼの学園 勤務
【著書】
・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
(ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
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