2011.03.01
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NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です 2010、3月号
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明るい陽射しに心まで華やいできますね。
卒園式や卒業式では、すっかりたくましくなった我が子の姿に
目頭が熱くなってしまったお父さま・お母さまも多いのではないでしょうか。
子どもたちの成長をしっかりと胸に刻んでいきたいですね。
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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第58回
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◇◆毎朝とうさん
おとうさんが、第3次大規模ダイエットに突入して、半年が過ぎました。今
回は、長い。
長続きしている、というのとは違うのです。今までは、カロリー制限と運動
で急激に体重を落とすので、40kgだろうが20kgだろうが、2ヶ月位で目標達成
して、体重保持の為の通常食に入るのです。
今回は、10kgあまり落ちた時点で、糖質抜きダイエットに変えました。お砂
糖抜きではありません。糖質、なので炭水化物も果糖類も駄目。だから、果物
も根菜も取りません。おかずのみ。
では、おなかがすき過ぎる。でも、便利な世の中で、糖質ゼロカフェとかあ
るんですよ。そこでパン(1斤1200円)とかケーキ(1カット500円)とか
も買えます。買います。誰の稼ぎで。不経済な。
というわけで、自分で焼けばいいんだ!僕って頭良い!パン焼き器を買いま
す。幾らだ。大豆粉を買います。甘味料はラカント。全部、すんごく高い。
で、毎朝パンを焼いています。毎晩、材料をセットして7時に焼き上がる
。焼きたてのパンが1斤あるので、家族全員が食べます。カイト、少しはすっき
りしたかも。
本を買って来て、デザートも作ります。自分は食べられないけど、パン焼き
器でお餅もつけるのでついてみました。いろいろな焼き方でパンを焼いて悦に
入っています。
「これ、美味しいよね」
同意を求められれば、否定はしません。コトコは、もともと洋食すきなので、
大喜びです。でもね、小麦粉のパンの方が美味しいよ。っていうか、大豆のパ
ンがそんなに美味しかったら、人類、最初から大豆でパン作ってるよ。おとう
さんは、ずっと炭水化物摂ってないから、味忘れちゃったんだな。
「毎日、父親の手作りパン食べられる子どもって、幸せだと思わない?」
「うん、カイトの晩ご飯もこれにしよう」
カイト、白いご飯が一番の好物のなのに。
「あけみちゃんは、カイトをこのまま太らせてくつもり?だいたい、僕もカイ
トもあけみちゃんの料理で太ったんだよ」
私の料理は、他の家族も食べてます。
太りそうなものを多く作ってるのは認めます。だって、野菜の沢山入ったも
の、骨のある魚、固いもの、あっさりしたもの出したら、怒るのはおとうさん
だもん。食べる間、ずっと怒ってるんだもん。
でも、その話は立ち消えになりました。炭水化物抜きのダイエットにしてか
ら、体重の減りがぐっと鈍ったからです。1ヶ月に1kg行ってないんじゃない
かな。
うーん、そうだと思うよ。だって、幾ら炭水化物を全く摂らないからって、
朝からチーズ入りのオムレツとベーコンでしょ。カロリーはあるんだもん。か
なり。
沢山食べてもリバウンドしないのは偉いけど。
家族で、ココ壱にもすき家にもラーメン屋さんにも行けなくなったのは、結
構辛いのです。味覚にも、お財布にも。子ども達にっとては、一番のごちそう
の近くのピザ屋さん(ここはお財布には優しくない)にもいけなくなっちゃっ
た。
おとうさんが晩ご飯を外で食べて来ると決まると、
「炭水化物っ!」
のかけ声とともに、ホットプレートの出番、お好み焼きを作ります。お餅も
入れてね。
コトコの疑問は、
「おとうさん、一生お菓子も果物も食べないの?」
どうかな。いいような、悪いような。
だって、解禁したら、また一人で一袋、ピーナツチョコ食べちゃうようにな
って、あっという間に太るよ。
おとうさんの言う通り、おとうさんが台所に立つ習慣を付けるのは、いいこ
とだとも思うんだ。以前はしなかった、洗い物も出来るようになったんだよ。
こんな毎日、おとうさんがパンを焼かなくなったら、報告します。それが無
ければ、続いているということで。
誰に言っても、「いいですね」と言われるので、きっと素敵なことなんでしょ
う。
◇◆堀田あけみ先生の略歴
1964年 愛知県生まれ。
1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
【主な著書(現在、入手可能なもの)】
「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
「White Smile」(共著、ワニブックス)
「発達障害だって大丈夫−自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第58回
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皆さんは外国語のリスニング(聞き取り)は得意ですか?
私は苦手なのでよく経験するのですが、ゆっくり丁寧に言われたり、書いてもら
えば分かる単語でも、いざ口頭で流暢に話されると、何を言われたのかまったく検
討もつかない、それどころか違う単語と誤解して混乱してしまうことがあります。
ところで、子どもは幼いほど、何か言われると「えっ?」と聞き返してくることが
よくあります。そんな時、「何を聞いてたの!」と言いたくなる事もありますが、
実は先述の外国語の聞き取りと同じ状態なのかもしれませんね。
私達大人は手慣れていることが多く忙しいので、大体のことはあまり気にも留め
ずパッパッとこなしてしまうし、もう既に知っていることも多いので、大体のことは
ゆっくり丁寧に言わなくても理解できてしまいますが、子どもはそうはいきません。
だから、子どものペースや理解の仕方に合わせて丁寧に伝え教えなければ、子どもの
頭の中は「?」があふれかえるだけになってしまうかもしれませんね。
そして、このことは言葉の聞き取りだけでなく、日常生活での様々な動作や習慣、
課題や作業の遂行や工夫、物事の計画や要領のよさなど、あらゆることに共通して
言えることなのでしょう。
相手に伝え教えるということは、相手が本当に理解してこそ完了するのですから、
私達は子どもが分かりやすいような伝え方、教え方をすることを常に忘れてはなら
ないのでしょうね。
◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
平成7年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
同年4月 名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
平成12年4月 医学博士号 修得
平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
平成22年4月 名古屋市あけぼの学園 勤務
【著書】
・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
(ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
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