2010.06.01
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NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です 2010、6月号
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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第49回
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おとうさんの異名は「小道具ハンター」。お仕事に子育てに、はたまた単
なる趣味に、妙な道具を探し出しては何がなんでも手に入れる。そういう物欲とい
うか、ものに対する執着は大変なもので、ときどきブランド好きの人を理解できな
いと言ってますが、欲するものの方向性が違うだけだと思うなあ。欲しいとなれば、
どこまでも行く。行ってもなければ、通販だ。
ご近所で「コトちゃんリュック」と呼ばれているベビーキャリー。
大人用の自転車の後ろに、もう一つの車輪とサドルをつける「ハーフホイーラー」。
コトコがほしくてたまらなかったのに、ディズニーシーでグッズが全部売り切れだ
ったダッフィーのぬいぐるみは、ヤフオクで落札しました。
私には理解できない情熱です。そうまでして欲しいものなんて、私にはありません。
これ、幸せなのかな。それとも生きてる甲斐がないということかな。
まあ、せいぜい嵐の大野君が矢野健太名義で出したCDの初回限定版を、CD屋に電話
かけまくって確保したくらいですわ。
そんなおとうさんは、新しもの好きでもあります。情報を持っていることが必須。
だから、情報を収集する手段が一番大切。
話題のスポットにも、まず行きますよ。普段、興味なさそうなとこでも。
最近のおとうさんが待ちきれなかったもの。アンパンマンこどもミュージアム名古屋。
横浜にも、何回も行ってるオハラ家です。東に向かう用事があれば、必ず行きます。おと
うさん一人の仕事のときも、わざわざ行って、ジャムおじさんのパン工場でキャラクター
パンを山ほど買ってきます。
ちょっと待て、待ちきれなかったのはカイトだろ、と言われそうですが、カイトは混ん
でるから夏休みまで我慢しますって約束しました。
なのに、オープン3日めの日曜日に、朝7時にカイトを起こして出かけたの、おとうさん
ですよね。10時開館なのに、8時に現地着。でも一番じゃなかったそうです。ジャムおじさ
んのパン工場の入場整理券は1番ゲットだとか。
起きたコトコの不機嫌なこと。怒りはしません。キャラ的に。ひたすら不機嫌。おとうさ
んは、カイトだけつれてく人だから別にいいけど、という立ち位置。
結局、コトコを連れて出かけました。バスに乗って、長島スパーランドに。
ご存じない方の為に書いておきます。アンパンマンこどもミュージアム名古屋は三重県の長
島町にあります。東京ディズニーランドが千葉にあるようなもんですかね。長島スパーランド・
ジャズドリームナガシマ・湯あみの島は同じ敷地内です。
もう、おとうさん頼らないで、バスで行ってバスで帰ろうとしたら、電話かかって来て、同
じ敷地内にいるのがばれました。で、お昼も過ぎて、余裕で入れそうになったところで、電話が
かかって来ました。合流するかって。
「コトコ、どうする?」
「私は、もう小学生だし、アンパンマンとか全然興味無いけど、でも、カイトがどうしてるか心配
だし、おとうさんが来て欲しいなら、行ってあげてもいいかな」
「行くか行かないか、一言で答えてくれないかな」
「行ってもいい」
「ということは行かなくてもいい?」
「行く」
最初から、そう言いなさいって。
行かないに超したことはないんです。だって、入場料が発生するでしょう。
ここの入場料は、1歳以上は一律です。横浜は千円。名古屋は千五百円ですよ。手帳があれば本人
と保護者一名は半額。でも、安いとは言えません。横浜のは、買い物するだけなら只で、だからおと
うさんもパンだけ買いに寄れたんですが、こちらには無料のゾーンはないので、買い物するだけでも
千五百円要ります。それでも、開館と同時に入館して5時間、遊び倒したカイトには高くはなかった
のかな。
カイトは帰り際に言いました。
「また、来年も来ようね」
いや、きっとまた来ようって言い出す人がいるよ、一ヶ月以内にね。
コトコが小学生になってから、お母さん同士のコミュニケーションは減ったというものの、道で会
えば立ち話もするし、コトコのお友達にはまだまだ小さい弟や妹の居る子も居ます。
「長島にアンパンマンミュージアムできたんですよね」
なんて話題が出ると、おとうさん、にーっと笑って言います。
「もう行きましたよ」
で、攻略法を語る、と。
この騒ぎの間、マナトはどうしてたかというと、家で寝てました。体調が優れなかったこともありま
したが、
「なんつーか、あほらしくてつきあいきれん。悪いね、おかあさん」
目下、オハラ家で一番大人なのは、彼かもしれません。
そんなおとうさん、携帯はもちろんiPhone。Twitterもやってます。
先日も、朝起きたらいませんでした。まあた、どこ行ったんだか、ま、いっか。と、いつも通り、子ど
も達を送り出して、出勤します。考えててもしょうがない。心配は、帰って来なかったときにする。
そして、学生に訊かれます。
「先生、旦那さん、iPadの予約できましたか?」
おとうさんのtwittwerをフォローしてくれてるそうで。朝から、栄のマックショップに並んでるって書
いてあったって。
私、auだから読めません。
「あけみちゃん、お誕生日プレゼントは、iPhoneなんてどうかな?」
すぐ圏外になるからやだ。
◇◆堀田あけみ先生の略歴
1964年 愛知県生まれ。
1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
【主な著書(現在、入手可能なもの)】
「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
「White Smile」(共著、ワニブックス)
「発達障害だって大丈夫−自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第49回
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動物研究においてヒトと他の動物との違いは、“想像すること”だそうです。ヒト以外
の動物たちは、“今この時を生きている”存在であり、“想像する”ということは人間な
らではの能力なのだそうです。
想像することで私達は今そこにないものを見ることもできるし、想像することで様々な夢
や希望を抱き、他人の気持ちを理解したり物事の見通しを立てることもできます。
また“想像する”ということは自分の言動が相手にどのような影響を及ぼすのか、その後
どのような展開が待っているのかを予測しコントロールするためにも必要であると言われます。
つまりヒトが社会の調和や自分自身をコントロールすることができるのは、“想像する”ことが
できるからだというわけです。
しかしその一方で、想像することは不安や悩みを抱くきっかけにもなることもあります。過去
のことを思い出して悔やんだり、先々の不安や心配ごとを想像して悩むということも“人間らしさ“
の一つであるわけです。でもそのような後悔や悩みがあるからこそ私達は「どうすればよいのだろう。」
と創意工夫していくことができるし、「次はがんばろう。」と自分の目指すべき道を見つけ変わって
いけるのかもしれません。
このように人にとってとても大切で、人を人たらしめる"想像する“力を育んでいくことを、子育てに
おいても忘れないようにしたいものですね。
◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
平成7年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
同年4月 名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
平成12年4月 医学博士号 修得
平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
【著書】
・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
(ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
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