2010.05.01
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  NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です2010、5月 

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 新しい学校や新しい仲間たちとの出会いに緊張の新学期も、
 このゴールデンウィークで、ひとまず休憩♪
 「やるときゃやるけど、休む時は思いっきりゆるむ。」
 こころの健康にもメリハリは重要ですね!

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   堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第48回
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◆◇いろいろな春
                     

 新学期が始まりました。 
 それぞれ肩書きを変えたマナトとコトコの陰に隠れて、カイトが五年生になった感慨
は薄いかと思いきや(実際、毎年修了式は感動だったんだけど、流石に卒園式と卒業式
で大泣きした後では、「はい、さようなら」で済んだ)、カイトにも大きな変化がありま
した。
 ひまわり学級が2つになりました。4・5年生のひまわり1組と、1年生のひまわり
2組です。カイト達1組は、同じ担任の先生、2組は新卒の女性が担任です。若い女性
が登場すれば、子ども達はそちらに流れるもの。基本、男前な人が好き(いろんな意味
で)なカイトは、担任の先生を巡る競争率が下がって高笑いですわ。お迎えのときに、
「うちの子は、最近、新しい先生の話をよくしてる」との話題が出ましたが、カイトは
自分から新しい先生の話をしたことはないなあ。
 でもって、カイトの心の支え、マナトお兄ちゃんはもう中学生です。一緒に通学団で
学校にはいけません。そして、天敵コトコが通学団に登場だ。でも大丈夫。
 マナトはいつも、通学団の一番最後、カイトの後ろを歩いています。たまたまなんだ
そうですが。学校、同じ方向だし、時間もちょうどええ。
 引っ越した親友からの電話に、一番の話題が、
「コトコとカイトが登校中に喧嘩しないか不安だ」
 ですから。
 カイトにとっては、おにいちゃんのいない学校は初めてです。ちょっと心細いと思い
ます。慣れるまで、頑張って欲しいです。
 マナトは中学生です。公立の学校なのに、ブレザーにレジメンタルタイと、無駄にス
タイリッシュです。結構似合う。ってか、身長172cm、体重66kg、似合わなくてど
うするよ。脱いだ制服は、ちゃんとハンガーに奇麗にかけてます。偉い。一枚しかない
ってことを、ようわかっとるね。それから、大きな変化、空手を大人の部に変わりまし
た。今まで着けていた、フルフェイスのガードはもう使いません。すごく怖い一方、開
放的で気持ちよくもあるそうです。少なくとも、視界は広いと。
 コトコは毎日、とっても疲れています。小学校、幼稚園より随分近いよ?でも、ほと
んど好きなことしてるだけで一日が過ぎていた幼稚園に較べると、することが決まって
いて、それをみんなでしないといけない小学校は、精神的に疲れるんだろうなあ。それ
に、コトコも空手が幼年部で一番のおねえちゃんから、少年部一番のおちびさんになっ
ちゃったし。マナトは、このときしばらく深く潜行したんだよ。誰にも勝てない立場に
なったんだから。なかなか浮上しなくて困ったものです。
 だけど、コトコは女の子で、本当に一番のおちびさんという立場を上手く使っている
ように思います。上手に先輩から可愛がられています。通学団にも、同じマンションに
優しいおねえちゃんがいて、道場には強くて優しい先輩が居て、こんな女の子になりた
いなあっていうお手本が一杯のコトコは幸せな女の子です。
 そして私は、今は環境が変わった子ども達のケアに走り回っていますが、私自身はこ
の先、20回以上の似たようなパターンの春を過ごして行くのでしょうね。同じ研究室
で。
 長持ちした割りに、一晩で散った今年の桜を眺めながら、やっぱり、今年の私はセン
チメンタルです。

◇◆堀田あけみ先生の略歴
 1964年 愛知県生まれ。
 1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
 その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
 専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
 

【主な著書(現在、入手可能なもの)】
 「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
 「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
 「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
 「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
 「White Smile」(共著、ワニブックス)
 「発達障害だって大丈夫−自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)

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   小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第48回
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 人生はよくマラソンにたとえられます。子育てをしている親御さんも同じような面が
あるのではないかと思います。親にとって子育ては勤務時間や勤務場所が仕切られていて
オン・オフの区別がつけられる仕事とは違い、24時間365日絶え間なく続くものだからです。
 マラソンなど長い道のりを走り続けるためにはペース配分や栄養(水分)補給が大切で
あるように、子育てにおいても親自身の“ペース配分”や“栄養(水分)補給”は大切な
ことだと思います。

 親について論じた有名な本の中に、「親は親になるための訓練をうけることなく親になって
しまうものだ。」という言葉がありますが、子育てはプロの選手が走るマラソンではなく、
言ってみれば市民マラソンのようなものなのではないかと思います。だから“ペース配分”や
“栄養補給”も同様に、途中で歩いたり、コースの景色を楽しんだり、沿道の人と交流したり、
自分にとっての様々な“栄養”をとりながら自分のペースでゴールを目指せばよいのではない
かと思います。
 
 それに余裕がなくなると人は、子どもや周囲の人達にやさしくなれなくなってしまうことが
あります。だから自分に余裕を作ることは、自分だけではなく子どもや周囲の人達を大切にす
ることにもなるのではないかと思います。

 子育てにおいて、「手抜き」は良くないかもしれませんが、「息抜き」は必要なことなのですね。

◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
 平成7年3月  名古屋市立大学医学部 卒業
 同年4月    名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
 平成12年4月 医学博士号 修得
 平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
 平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
 

 【著書】
 ・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
   (ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
 ・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)

◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
 全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
 詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
   http://www.as-japan.jp/j/index.html

◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
 アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
 先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
 掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
  http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html

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