2010.04.01
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NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です 2010、4月
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ひとりひとりの価値観が違うように、子育てを楽しく感じるのも、苦しく
感じるのも、その方によって違うようです。
どうしたら『楽しい!』って思えるのかな?
こんな疑問に、メルマガ「たのしい子育て応援団」で、ぴったりのヒントを
つかんでいただけたら幸せです。
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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第47回
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◆◇新しい春
この春、マナトが小学校を、コトコが幼稚園を卒業します。
18日 卒園式、19日 卒業式。
ついでに、15日は椙山女学園大学にて、専任になって初の卒業式。16日はホ
テルのパーティールームで謝恩会。女子大は、謝恩会が別の日なのです。和装
と洋装では、メイクもヘアも違うから。
父母から見ると、コトコの卒園が一番心に来ます。マナトが年少に入園して
から9年間、幼稚園への道を子ども達と歩いたのですよ。どの子と歩くのも楽
しかったなあ。
初めてのマナトとは、最初の通園という経験が新鮮で、道を歩いていると、
あちこちから同じ深緑の帽子(黄色じゃないのは、スクールカラーだからです)
の子どもが出て来て同じ方向に歩き出すのが可愛かった。そういえば、このと
きベビーカーに乗っていたカイトは、まだ発話があって普通と違うって言った
ら尋常じゃなく愛くるしいとこくらいでした。マナトは歩きながら、いろいろ
お話しを創りました。マナトのイマジネーションは、私を幸せにしてくれまし
た。
カイトは、最初から幼稚園が大好きでした。行きたくないと言ったことはな
く、むしろ早く行きたくてたまらない毎日でした。これは、小学校にも受け継
がれています。でも、幼稚園ではいつも泣いていました。サエちゃんて子が、
いつも泣いてたから。もらい泣きして、副担任の先生の両脇で二人して泣いて
いました。サエちゃんは、カイトと最初にコミュニケーションをとれるように
なった子でした。先生からも友達からも大事にされて、カイトはここで社会に
出て行く準備をしました。
コトコとは、初めて二人きりで歩きました。下の子のベビーカーを押すこと
なく。しっかりと手をつないで、てんとう虫やメジロの一杯いるスポットを見
つけ、てんとう虫を数える為に、家を早く出たりしました。
この春で、3人をとても愛して下さった、園長先生も主任の先生も退職なさ
います。きっと、園自体が大きく変わることでしょう。オハラ家の幼稚園生活
が、この時期に終わるのも感慨深いものです。
4月から、3人の子どもが、それぞれ自分で学校へ行くことになります。誰
を送らなくてもいいし、早い時間に家から子どもがいなくなります。構ってち
ゃんのコトコがいなくなるから、1限目から出勤しなくちゃいけない日も、お
洗濯もの干してからいけますね。
楽になる人と、寂しくなる人がいて、私は言うまでもなく後者です。
12年間続いた、ちっちゃい子のいる生活が終わります。
週刊誌に、伊藤理佐さんが一こまマンガを連載してて、先日、出産されたの
ですよね。それで、この原稿書いてる週の内容が「リモコンがなくなる」。絵の
中で旦那さん(吉田戦車さん)は赤ちゃん抱いて、足で探してます。つぼには
まったなあ。なくなるよね、リモコン。小さい子いると。だっこの間は、何す
るのも後でいいやと思うから、どっかに置きっぱなしにして、忘れる。もう、
なかなかなくなりません。主にカイトが使うのと、ちっさいのとで、iTouchは
今でもすぐになくなるな。
マナトが産まれてから13年近く、ずっとずっと楽しかった。
3人とも、私の宝物。どの子も、けして特別に出来のいい子ではないのにね。
積極的に手がかかるマナトもだし、あらゆる側面で「いっちょかみ」のコトコ
もだし。カイトについては、敢えて語らんよ、改めては。
でも、これで確認できました。カイトの障害は、子育ての楽しみを奪うこと
はなかったって。むしろ、楽しみを増幅してくれたくらいです。
四月から、一つ手がかからなくなった代わりに、一つ上の深い問題を抱える
ことになる子ども達を暮らす日は、やっぱりきっと、楽しいでしょう。
そのときは辛くても、振り返れば、ああ、楽しかったなって思えるはず。
そうなるように暮らして行かなければ。
そんな風に思う、2010年の春です。
◇◆堀田あけみ先生の略歴
1964年 愛知県生まれ。
1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
【主な著書(現在、入手可能なもの)】
「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
「White Smile」(共著、ワニブックス)
「発達障害だって大丈夫−自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第47回
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子どもはまだ幼い子でも「お兄ちゃんだね」、「お姉ちゃんだね」と言われるのを
とても喜びます。自分が成長していることを自他ともに認めたいという欲求があるよ
うです。
幼い子からすると少し年上のお兄ちゃんやお姉ちゃんは格好よく、素敵で憧れ的な
存在なのでしょう。だから少し背伸びしてでも年上の子達のまねをしたがり、そのように
言われるとがぜんやる気も湧いてくるのでしょうか。
しかし自分たちがお兄ちゃん、お姉ちゃんになってしまったら次はどうするのでし
ょうか。
そう、今度は大人になりたいと思うのではないでしょうか。子ども達は自分が成長して
お兄ちゃん、お姉ちゃんになると、今度は周囲の大人を見て自分も大人になりたい、大人
になっていくことを認めてほしいと思い成長し続けるのではないでしょうか。
幼い子達にとってのお兄ちゃん、お姉ちゃんと同様に、私達大人も実は子ども達にとって
最も身近で現実のヒーローやヒロインであるのではないでしょうか。
私達には架空のヒーローやヒロインのように外見上の華やかさや必殺技はないかもしれませ
んが、一人の人間としての考えや行動で、子ども達が「自分もああなりたい。」と思わせるよ
うな存在でありたいものですね。そしてその辺りのことは子ども達もちゃんと分かってくれて
いるのではないかと思います。
自分のためにも子どものためにも、大人が元気に生活することは大切なことなのかもしれませ
んね。
◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
平成7年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
同年4月 名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
平成12年4月 医学博士号 修得
平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
現在に至る
【著書】
・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
(ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html
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