2010.01.01
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆

NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です2010、1月号

◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆
 2010年が始まりました。
 NPOアスペ・エルデの会も、発足10周年。
 当時ボランティアとして参加していた大学生スタッフが、現在、
 教員として教育の現場で多数活躍しています。
 みなさまにとって、今年が笑顔のあふれる一年になることをお祈りします。

■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第44回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
◇◆丈夫が取り柄
 
 カイトが自閉症だからってことで、子育てが大変、でもって、それでも
頑張るあけみさんて偉いわー、と近所で評判の堀田です。
 そりゃ大変ですが(普通学級じゃないことが、既に大変)、ぶっちゃけた話、
特別大変扱いしていただくほどのことでもないっすよ。なんでも食べられるし
(食べるかどうかは別として、食べちゃいけないものないし)、病気しないし。
アレルギーあったり、すぐに熱出す子の方が大変な気がするのは、カイトがカ
イトであることに、慣れてるせいなんでしょうか。
 我が家の子ども達は、ほんとに丈夫です。ちょっと、普通じゃないくらい。
私に似て、よかったです。おとうさん、Kー1の選手みたいな顔して、ひ弱(と
いうか、惰弱)なのです。対する私は、これも人生45年、熱を出した回数は
片手で数えられる。まあ、記憶が正しければ、小学6年で風邪引いてから、3
1で結婚するまで、熱出してないですね。体温はかんなかっただけかもしれま
せんが。子ども達は、外見が私に似てる順に、体質も似ています。
 何もかも、私にそっくりと言われているコトコは、生まれてから6年間で、
3回くらいしか熱を出したことがありません。目元が私そっくりと言われるカ
イトは、赤ちゃんの頃は少しくらい熱出したけど、今はコトコと同じ2年に一
回くらいのペースです。おとうさん似のマナトだけが、年に一回風邪をひきま
す。そして、3日くらい休みます。下の二人は、熱を出しても20時間くらい
で引きます。
 そもそも、実家の家族が揃いも揃って丈夫でした。誰かが寝込んだのを見た
事がありません。もちろん、入院も。そんなもん、お産と死ぬときだけですわ。

 そんなオハラ家にインフルエンザがやってきました。それも、かなりきわど
いタイミングで。
 後ろ向きマナトを、もっと後ろ向きにさせる出来事が相次いだ2009年です。
親友が引っ越すとか、せっかく空手にやる気が出て来たところで肩が故障する
とか。最大の悲劇は、修学旅行の当日に、延期が決定したこと。理由は台風。
何もこの日に来んでも、です。私も出張講義がキャンセルになったし。そして、
延期したさきが、12月14日と15日。とにかく、この日に無事出発させる事が、
母の最大関心事でした。
 それなのに、12日のツジイ先生の誕生日にゆっくりクラブというめでたいイ
ベントをキャンセルしたのは、まさかのカイト。崩れるとしたら、おとうさん
かマナトから来ると思ったのに。週末だったから、休日診療所でインフルエン
ザ陽性が出たところで、おばあちゃんちに隔離しました。年寄りはかからない
っていうし。でも、出発するまでは、ほんとうに祈る気持ちです。
 無事出発して、帰宅したら、お土産出す前に、
「流石に疲れた、寝るわ」
 で、翌朝高熱。ついでに、おとうさんも。
 そして、18日の朝、ついにコトコにも来ました。この日は、コトコとしては、
おにいちゃんの修学旅行くらい大切な日だったのです。コトコ達の幼稚園では、
学期の最後の給食は「オードブル」といって、立食パーティーなのですよ。も
う、「あといくつ寝たらオードブル?」「50くらいかな」の時点から楽しみに
していました。それが食べられないし、19日には、コトコが10周年のお芝居
の事で、ツジイ先生んとこにいかないといけなかったのに、それも駄目です。
カイトと逆だったら、どちらも行けたのにね。気の利かん子ども達だ。子ども
達が大好きなおばあちゃんちに行くのもキャンセルになっちゃいました。
 非常によく似た経過を辿った男子3人に較べて、コトコはちょっと違ってま
したね。高熱が出ませんでした。38度は超えなかったな。よく寝たけど、起き
てるときは、すごく元気。で、喋って動いて疲れるから、またよく寝るんだな。
胃腸に変化を来したのも、コトコだけです。でも、嘔吐2回で済みました。
 布団に吐かれると、腹立つ筈なんですが、私、今、センチメンタルなお年頃
なんで、懐かしくて、しみじみしてしまいますね。あ、久しぶりって。マナト
は小さい頃、よく吐いたもんなあ。コトコ、丈夫だからそんなことしなかった
けど。みんな、とっととトイレで吐くようになっちゃって。
 これで、明日あたりから、みんな本調子ってとこですかね。とりあえず、も
うかかんないし。

 私ですか?かかりませんよ。理由?
 丈夫だからでしょ。


◇◆堀田あけみ先生の略歴
 1964年 愛知県生まれ。
 1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
 その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
 専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
 現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。

【主な著書(現在、入手可能なもの)】
 「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
 「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
 「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
 「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
 「White Smile」(共著、ワニブックス)
 「発達障害だって大丈夫−自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)

■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第44回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
 ある時このような言葉を聞きました。
 「物事は“やるべきこと”としてではなく“やりたいこと、やりたかったこと”と
してやることが大切。」
 “やるべきこと”は場合によっては窮屈で、自分の気持ちをないがしろにされる
感じがして楽しくありません。それどころか“やるべきこと”が慢性化してくると、
やればやるほど嬉しくないし、そんなふうにやらされている自分にも腹正しいので、
そのうちふさぎ込んだり周りに八つ当たりしてしまうことだってあります。
 この世の中には“やるべきこと”はたくさんあるし、いつも自分の“やりたいこと”
だけをやれるなんてことはありません。しかし、だからこそ自分がすることは“やり
たいこと”または“やりたかったこと”と考え直してみることは大事なことなのかも
しれません。それに“やるべきこと”は元を正せば自分が“やってみたい”と思って
いたことだったり、“やりたいこと”のために“やるべきこと”がある場合も多いはず。
 どうせやるのであれば、その道を選らんだ時の初心を忘れず“やるべきこと”の
中にも“やりたいこと、やりたかったこと”を探していくことが幸せのコツなので
しょう。
 1月は新しい年の幕開けです。皆さんは、今年は何を“やりたい”と思われますか。
 今年も皆さんにとって、よい1年であることを心よりお祈りしています。


◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
 平成7年3月  名古屋市立大学医学部 卒業
 同年4月    名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
 平成12年4月 医学博士号 修得
 平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
 平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
 現在に至る

 【著書】
 ・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
   (ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
 ・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)

◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
 全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
 詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
   http://www.as-japan.jp/j/index.html

◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
 アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
 先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
 掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
  http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html

◇◆「楽しい子育て応援団」へのご意見、ご感想をお待ちしています。
heart@as-japan.jp


****************
NPO法人アスペ・エルデの会
  「楽しい子育て応援団」

  http://www.as-japan.jp/
****************


BACK NEXT

Copyright(C) 2004,Asperger Society Japan.All Rights Reserved