2009.12.01
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NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です 2009、12月号
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クリスマスも、もうすぐですね〜♪
一年に一回だけのイベントはいっぱいありますが
クリスマスって、その中でも格別なもの。
優しい笑顔があふれる時間が、皆さまに訪れますように・・。
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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第43回
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◇◆ガールズトーク
カイトとアスペ・エルデの会の関わりは、3年前に知的障害を伴うタイプの
子どものグループ「ゆっくりくらぶ」ができたときに始まりました。男の子3
人のグループに、今年の4月から1年生の男の子が3人仲間に入って、今6人
です。で、この子達の共通点は、姉妹がいるってことです。
月に一度のゆっくりくらぶの日、マナトはもうついてきません。以前は、つ
いて来てすみっこで一人の時間を楽しんでいましたが、今は、貴重な本物の一
人の時間を、我が家で満喫しています。
コトコはついてきます。お目当ては、カスミおねえちゃん。ゆっくりクラブ
のメンバー・ハヤトくんのおねえちゃん。年齢はカイトと同じです。日間賀島
で初めて会って、一緒に貝殻を拾ったのが初対面。それ以来、古い言い方した
ら「金魚の糞」、より現実的な表現をすれば「カスミ姫と供の者」といった感じ
で、会えばべったり。コトコの表現でいう「おねえちゃん友達」がコトコには
沢山いるけど、なかでも特別な存在であるようです。なんか片思いしてるみたい。
会いたくて、ついて来て、でもいつもいるとは限らなくて、いないと「はあ」
ってため息ついて、でも、次もいるかもしれないから、絶対ついて来る。
ゆっくりくらぶのメンバーが増えるとともに、ここに加わる女の子が増えま
した。当事者達は、会っても淡々としています。女の子達も、一ヶ月に一度な
ので、いきなりパワー全開にはなりません。でも気がつくと、すごい盛り上が
りになっている。
盛り上がっているのですよ。まさしく。
これが野郎だと、騒いでるって表現になるんだけど。
確かに、すんごいやかましいんですが、みんなで一つの方向みてるんです。
ちゃんと遊びが共有できてます。
カスミ姫を頂点に、組織ができつつあるように感じます。
この関係が、長く続くといいなって思います。今は、ときどき会える仲良し。
でも、将来的には同じ痛みを分け合える仲間になったりするんでしょうね。今
は、メールとかあって、頻繁に、そしてリアルタイムでコミュニケーションが
とれるから、それぞれが自前のコミュニケーションツールを持つようになった
ら、親や学校の友達より、頼りになる側面を持つことも出て来るでしょう。「ま
た、ひとりでしゃべり倒してる。いい加減うざい」「こっちは、パニックおこし
てるよ。やってらんねー」とかって、メール打ってそうだ。
でも、潜在的なパワーは女子の方が大きいなって、何につけても感じるこの
頃です。よくも、女子大に就職したもんだ。
まあ、その分、めんどくさくもありますが、彼女達がかわいらしく見える今
のうちに、見守っておきたいと思っています。
いや、敵に回すと怖いよ。
チーム組んで、「障害のあるおにいちゃんの為に、私たちずっと我慢してきた
んだから」、とか言われたら。
◇◆堀田あけみ先生の略歴
1964年 愛知県生まれ。
1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。
【主な著書(現在、入手可能なもの)】
「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
「White Smile」(共著、ワニブックス)
「発達障害だって大丈夫−自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第43回
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子どもがすやすや眠っている様子を見ていると、天使のような寝顔だとこちらも
心和やかになることがあります。でも昼間の様子はというと、むしろ手がかかりいた
ずら好きだったり自己主張が激しかったりして天使とは程遠い存在に見えることも
あります。子どもはこのように両極端の二面性を持っていたりしますが、どちらも
その子の本物の顔ですし、親に対して信頼と安心を抱くからこそ見られる、嘘隠し
のない素直な姿なのではないでしょうか。
同様に親が子どもに対して優しく世話をする一方、怒ったり叱ったりすることにも
信頼と安心が必要となります。私達は相手に分かってほしい、分かってくれると思う
から怒ったり叱ったりするのであるし、自分が怒ったり叱ったりしてもお互いの関係が
壊れないという安心感がなければそのようなことはできないからです。
しかしそのような信頼と安心が独りよがりな思い込みや幻想ではなく、本物でお互いに
とって本当に良いものであるためには、依存や油断をせず常にお互いが分かり合えるように
努力し、関係そのものを大切に育んでいこうという気持ちを忘れてはいけません。
親子ともに自分に素直でいられる幸せ、素直でいさせてもらえる幸せを感じて生活でき
ると素敵ですね。
今夜お子さんはどのような表情で眠るのでしょうか。また親御さんはどのような表情で
眠るのでしょうか。皆がお互いに穏やかで平和な寝顔であることを心より願っています。
◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
平成7年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
同年4月 名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
平成12年4月 医学博士号 修得
平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
現在に至る
【著書】
・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
(ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html
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