2009.01.01
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NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です
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新年あけましておめでとうございます。
子育てを楽しんで欲しいという気持ちから誕生したこのメルマガも
4年目を迎えます。ご愛読いただきありがとうございます。
新しい年が、皆さまにとって、瑞々しく素晴らしい1年となりますよう
お 祈り申し上げます。
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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第32回
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◇◆「おてら」
まずは、前回「顔面一本」の内容の訂正からお願いします。
顔面攻撃は、突きだと反則ですが、蹴りはいいんだそうです。まさしく、コト
コは相手の顔面に蹴りを一発決めていたのでした。マナトが、かつて「顔面殴打」
の反則を取られることが多くて、「顔面殴打って、すごい反則名じゃね?」とか、
思ってて、顔面は反則って思い込んでました。
さて、行事てんこ盛りの秋も過ぎました。
ただ、うちの子ども達の小学校は、運動会は春に終わっちゃってるし、学芸会
は隔年です。町別対抗運動会は、マナトの空手の試合で休んじゃいました。大き
な行事は、展覧会くらい。後は、小さな行事がいろいろあって大変って感じでし
たね。
学芸会のない年に、体育館を一杯に使って、展覧会が開かれます。前回から、
夜間開放もされて、先生方は大変でしょうが、お仕事終わってからも見られるよ
うになり、大変重宝。それから、夜の学校に入れるので、子ども達のテンション
もあがります。そして、このときこそが、カイトくんの出番。担任の先生が、毎
回、この子達が自力で、見栄えのする作品を作るには、どうしたらいいのか、工
夫を凝らしてくださるので、ひまわり学級の作品は、いつも褒めていただけます。
今回も、カイトは牛乳パックを使って、大きな大きなロボットを作りました。他
のクラスだと、こんなに大きいのは、展示できないでしょう。スペースを存分に
使える、ひまわり学級ならではの技です。
3年生には、もう一つ、出番があります。覚王山・日泰寺の参道では、11月
に「参道ミュージアム」というアートのイベントがありますが、ここに灯篭を出
品するのが3年生。参道のお店の前に、灯篭が並んで、夜にはろうそくが灯され
ます。先生のお話によると、覚王山を象徴するような絵を幾つかお手本として示
して、それを参考にして描いたり、自分の好きな覚王山を描いたり、ということ
だったそうです。カイトは絵を描くのが大好きですが、それは、自分の好きなも
のを好きなように描くからなので、期待はしません。アンパンマンじゃなかった
ら、よしとしましょう。
これを見て歩くのは、楽しいものです。何分、一学年4クラスの学校ですから、
数も多く、知っている子の作品を見つけては、「あの子は、これを描いたんだ」と
思ったり、知らない子でも突っ込める作品には突っ込んだり。コトコは、
「下手なの探せばいいんでしょ」
と言い、
「ねーっ、これこれ、絶対これカイト、下手だもん」
と指差したら違う人、という失礼を繰り返していました。
さて、本物のカイトは何を描いたかというと。
1、覚王山の「覚」の字。マンホールのふたに、モザイクで「覚」の字がデザ
インしてあるので。多分お手本を見たのでしょう。他にも、多くの子が描
いていました。ただし、カイトはそれが字だとは認識していなかった可能
性があります。描き方からして、図案だと思ってた節がある。
2、ぞう。日泰寺のシンボルだから。おそらく、見本の中で、一番カイトにも
理解できるものだったからだと思われます。
3、円筒形のポスト。参道のポストは以前は普通の四角いポストだったが、い
つの間にか昔の形に変わっていた記憶がある。これも、覚王山らしいもの
として、見本にあったのでしょう。
4、鳥。日泰寺の境内で、鳥にベビースターをあげつつ、自分も食べるのが、
カイトのお気に入りでした。現在は、鳥インフルエンザを映されると困る
ので、餌やり禁止です。
5、お寺の山門。カイトの大好きな場所です。石造りで肌触りがいいので、こ
こにうつぶせに寝転ぶのが好きで、私はそれを「地球を抱きしめている」
と言っています。最近は、大きくなっちゃったので、やめさせるようにし
てますけど。五重塔を描いている子は多いけど、これは彼一人なので、オ
リジナルではないかと。
そして、山門の横にだけ、字が書いてあるのです。
「おてら」と。
推測するに、描いては見たものの、見本にもないし、難しいものなので、
山門だと理解してもらえる自信がなかったのではないか、と思われます。だから、
とりあえず、注釈を書いてみました、と。
「おてら」の文字が、わかってくださいといってるみたいで、可愛かったです。
予想以上の頑張りを見せてくれました。得意分野だもんね。
さて、来年の学芸会はどうでしょう。悪ふざけが大好きになってきたので、ち
ゃんと演じてくれるか心配です。一人芝居なら、毎日おうちで上演していますが。
でもね、なんと言っても、本番に強いカイちゃんですから、大丈夫でしょう。
頑張ってね。いつも通り、過大な期待はしないで見てるから。
◇◆堀田あけみ先生の略歴
1964年 愛知県生まれ。
1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。
【主な著書(現在、入手可能なもの)】
「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
「White Smile」(共著、ワニブックス)
「発達障害だって大丈夫?自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第32回
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年のはじめはどれだけ忙しい時期でも、気持ちがリセットされたような新鮮な
感じがしますがみなさんはいかがでしょうか。このような時には日々の忙しさや
慢性化していた日常の流れから少し開放されて、気持ちがリフレッシュしたり忘
れかけていた初心を思い出したりすることがあります。
ある方がこんなことを教えてくれました。
「試しに今日一日子どもに一言も文句や注意をせずに過ごそうと思ってごらんな
さい。そしたらものすごくストレスがたまるから。でも子どもはいつもこんなに
たくさんの小言や注意を受けているのだと気づくこともできる。」
子どもの成長を願い、期待するから叱ったり注意するのは親として当然ですが、
ひとつできるようになると、すぐ次、もっともっとと欲が出て・・・なんてこと
にならないように気をつけなければなりません。
そこまではいかないにしても、子育ては24時間365日休みなくずっと続くもの
ですから、次第に気持ちにメリハリがなくなってきたり、初心を忘れてしまいそ
うになることもあります。だから時々自分をリセットして初心を取り戻す工夫が
必要なのだと思います。
子どもが生まれる時、誰しもが「とにかく元気に生まれてくれればそれでいい。」
と思っていたはずでしょう。振り返ってみるとその時は子どもへの過剰な期待や要
求はなく、純粋な子どもへの思いだけがあったのではないでしょうか。その頃の初
心を常に忘れずにいたいものです。
◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
平成7年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
同年4月 名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
平成12年4月 医学博士号 修得
平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
現在に至る
【著書】
・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
(ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、保育士、教育関係者など
専門家のみなさんを対象に、全国的に発達支援に関するセミナーを
開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
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