2008.10.01
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  NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です

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過ごしやすい季節をむかえ、学校行事も目白押しですね。
子ども達の活躍に目を細めているお父さん、お母さんの笑顔を、子ども達も
嬉しそうに見ています。親子で一緒に楽しめる時間を大切にしたいものですね。


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 堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第29回
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◇◆私も好きだね

「コロコロコミックも読めない少年は育てたくないので、3年生の4月に初めて
買い与えたら、コロコロコミックくらいしか、読まない少年になってしまった。」
 以前、長男について書いた文章です。
 いやあ、活字、読めないねえ。私の子とは思えん。でも、パンフレットとかチ
ラシ読むのは好きなんですよ。マクドナルドのトレイに敷いてある紙とか。
 しかし、コロコロコミック、すごいですね。私が、スポ根ものとか、冒険もの
を読まず、ギャグマンガばかり拾い読みしているせいか、ち○ことう○こが満載
だ。だから、コロコロ禁止のおうちもあります。「クレヨンしんちゃん」や「こち
亀」も。
 うちは、禁止していません。むしろ積極的に見せてもいる。
「コトコ。こち亀、始まるよー」
 だって、「か-ちゃんか-ちゃんか-ちゃん」「にーちゃんにーちゃんにーちゃん」
の連呼で、一人遊びの出来ないコトコが、「こち亀」の間は、一人でテレビ見てる
んだもん。夕方、4時の再放送は、少しは家事したい親にとって、天の恵みとい
うものです。
「子どもに悪影響」っていうけど、親よりアニメの方が強いわきゃないので、親
がしっかりしてれば、いいと思います。それは違うよって、面と向って言うこと
くらいできなきゃ。
 先日は、派出所に新しいコピー機が来たので、両さんが全裸になって、「自分コ
ピー」をとるという内容で、まあ、お母さんが見て、「下品なのにも、ほどがあ
る!」と思われたとしても、仕方ありません。でも、お母さんの心配は下品そのも
のではないのではないでしょうか。「真似されたら困る」のでは。
 我が家の子ども達は、キャラ的に、そういうの真似しなさそうだから、見せて
もいいんじゃない?と言えるのかもしれません。学校で、そんなことされたら、
母としてのダメージははかりしれん。だが、それを人に話すとき、私は悲嘆にく
れているだろうか。
 爆笑してますね、多分。
 それは、本人にとっても同様で、できたら思い出したくない、暗い過去ではな
く、すべり知らずの美味しい思い出話として、人生において何度も語られるであ
ろう。
 思えば、最近のマンガの下品さなんて、可愛いものではありませんか。かつて
の、コロコロには「おぼっちゃま」くんが載っていて、いきなり「ともだちんこ
ー」だったし。ああ、息子に教えたら受けるだろうなあ。以前、「上様のおなーら
ー」がどんだけ受けたか。でも、教えない。今、受け入れてもらえる、ギャグじ
ゃないから。また、友達にも教えて、「マナトくんのママがいらんことを」って思
われちゃうし。
 それ以前にも、「トイレット博士」とか、「ハレンチ学園」とか、今じゃあり得
ないでしょう。
 結局、そういうものに、笑っていた私の子どもたちなんですよ。おとうさんは、
厳格な家庭でお育ちなので。
 そして、そういったものを受け入れられない子どもも、困ったモンだと思うの
は、やっぱり私の見方が偏っているんでしょうか。
 などと考えていると、幼い私が大笑いしていたフレーズが甦ってきます。
「あんたもすきねえ」
 はい。大好きです。 

◇◆堀田あけみ先生の略歴
 1964年 愛知県生まれ。
 1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
 その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
 専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
 現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。

【主な著書(現在、入手可能なもの)】
 「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
 「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
 「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
 「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
 「White Smile」(共著、ワニブックス)
 「発達障害だって大丈夫?自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)

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   小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第29回
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大きい耳、小さい口、優しい目 

これは以前NHKで放映されたドラマ「フルスイング」に出た言葉です。あるプロ野球
の打撃コーチがひょんなことから高校教師になり奮闘する姿を、実話を基に描いた
作品です。
 子ども達を見ていると幼くて要領が悪くて、ついつい私達大人は小言を口にして
しまいがちです。大人になると先が読めるし合理的、効率的なことを優先してしま
うせいか、つい子どものやることがもどかしく思えることもあります。子どもが何を
考えているのか分からなくなる時もあるかもしれません。
そんな時、先の言葉を思い出してください。
子ども達は子ども達なりにいろいろ考えていたり、試行錯誤することを厭わず無心
に事に当たっていたりします。その子なりに大事なものがあったり、純粋に今を充実
させようとしているだけの時もあります。考えていることをどう表現していいのか分
からなくて困っているのかもしれません。
大人が子どもに対してよく聞く姿勢を持ち、あれこれ注意ばかりするような口を慎
み、監視や批評家のような目から優しく暖かく見守る親本来の目を思い出せば、子ど
もの気持ちがよく聞こえるようになり、子どものことがよく見えるようになり、子ど
もが愛らしく思えるようになるのではないでしょうか。
それに同じ自分でも、小さい耳、大きい口、厳しい目の自分よりこちらの方か絶対に
素敵です。子育てが楽しくなるかどうかは私達親自身によるのかもしれませんね。

◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
 平成7年3月  名古屋市立大学医学部 卒業
 同年4月    名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
 平成12年4月 医学博士号 修得
 平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
 平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
 現在に至る

 【著書】
 ・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
   (ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
 ・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)

◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
 全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
 詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
   http://www.as-japan.jp/j/index.html

◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
 アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
 先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
 掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
  http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html

◇◆「楽しい子育て応援団」へのご意見、ご感想をお待ちしています。
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