2008.09.01
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NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です
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なが?い夏休みが終わりました。久しぶりに学校で出会う同級生たちが
なんとなく大人っぽくみえたりします。子どもは夏の間に身も心もグッと
成長しますよね。どんな夢を見つけられたかな?
そっと、手助けできる親になるのが理想なのですが、これがなかなか
むずかしいのです。
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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第28回
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◇◆困った大人たち
夏休みです。
うちの子どもたちは太ります。運動量、落ちるもんなあ。特に、一人で外に出
せないカイトは、おなかが大変なことになっている。手足や、あごには来ないん
です。おなかだけが、ぽっこり。誰もが指摘するほどやせたのに、あごだけはな
かなか一重にならないおにいちゃんとは対照的。どうしてなんでしょうね。
最近のご時勢を語ると、どうしても、嫌な世の中になったもんだという口調に
なりますが、子どもを外に出すという点に関しても、同様です。特に、うちの学
区は一学期の終わりに、不審者情報が相次ぎましたから、親はどうしても、神経
を使ってしまいます。子ども同士の遊びにも、事前予約は不可欠ですしね。その
割りには、個人情報の規制で、クラスの住所録も無いから、約束も取り付けられ
ない。適当に出てって、「まきちゃん、あーそーぼっ」で済んでた時代を考えると
ため息が出ます。昭和の田舎じゃ、子どもはだいたいうちにいたもん。お稽古事
もしてないし、おでかけだって、月に一回あればいいほうだし。
さて、不審者にもいろいろありますが、どうも、今回は女の子目当ての人らし
い。これが、子どもには、どうも伝わりづらいものなのです。10歳を過ぎると、
女の子達は充分に美人さんがいて、体つきも子どもじゃなくなってくるし、また、
少女が好きって人もいるんですが、子ども達は自分が性的対象として見られてる
なんて、全然意識できないのです。そして、大人からも言いづらい。どうしても、
ぼかした言い方になります。今回も、「肩や足を出した格好は避ける」とか、「お
稽古事で遅くなるときには、迎えに来てもらう」とか。そこに、女の子限定とつ
かないのも、いろんな意味で、ご時勢でしょうね。
で、ここに、言われたことをそのままに受け止め、先生に言われたことは守ら
なきゃいかんと思っている(その割りに、忘れ物が多い)、大変生真面目な男子が
おります。うちの長男・マナト。
「おかあさん。ロシュツの多い服は危ないんだよ。カイトのズボン、短くない?
オレのシャツ、大丈夫?」
君達は、パンツ一丁でも大丈夫な口だよ。マナトにいたっては、上腕二頭筋く
らい見せといたほうが、いいくらいだ。
「お稽古事の帰りは、暗くなって危ないって」
まず、自分の身長が160センチ近いことに気付け。それは、小さな大人より
大きいんですよ。事実、母は153センチです。それは、薄暗いとこでは、君が
子どもには見えないということなのだよ。ましてや、胸に「極真」、太ももに「一
撃」の文字の道着姿。誰が襲うか。
しかし、逆のパターン、つまり、被害者予備軍なのに、その自覚が無いのより
は百倍ましです。ねたにもなるし。
親の方にも、困ったもんだわと思いながらも、「まだ子どもだし」とか、「うち
の子に限って」とかと思いがち。問題になっている割りには、有効な情報も少な
いし。
「襲われたら、金玉蹴ってやれって言ってるのよ」
などと、いまだに大真面目におっしゃるお母さんがいらっしゃいますが、とん
でもないことです。少し考えれば、わかると思うのですが、子どもの足が大人の
股間にそうそう届くものではありません。更に、ける瞬間にどのような無防備な
体勢になるかを考えると。この場合、思い切り足を踏むのが正解だそうです。だ
から、女の子は親といるときはともかく、子どもだけで出歩くときは、全力疾走
できて、相手にダメージを与えることも出来る、底のしっかりした靴を履かせた
ほうがいいとのこと。
でも、本当の問題は、自覚の無い女の子達にも、知識の古い親にもありません。
大人は大人として、ちゃんとしなきゃ。
子どもに、迷惑をかけてはいけません。
◇◆堀田あけみ先生の略歴
1964年 愛知県生まれ。
1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。
【主な著書(現在、入手可能なもの)】
「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
「White Smile」(共著、ワニブックス)
「発達障害だって大丈夫?自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第28回
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子どもがすやすや眠っている姿を見ている時、ほっと一息ついて穏やかな気持ちに
なれます。でも時には「今日は怒りすぎたかな。かわいそうなことをしたな。」など
と反省させられることもあります。そしてその時は「明日はあまり怒らないでい
よう。」と思っても、翌日になるとまた「こら!」と怒ってしまうことはないでしょ
うか。
子どももきっと今度は怒られないようにしようと思うのでしょうが、そんなに簡単
にはいかないもの。「今度はがんばろう。」と思っているのはお互い様なのかもしれ
ませんね。
親だって人間ですから感情的になることも調子の悪い時もあるのが当たり前。それに
子どものことを思えばこそ叱らなくてはいけない時だってあるでしょう。子育てには
優しさと厳しさをバランスよく盛り込むことが必要で、親としては叱るポイントを考
えることが大切なのでしょう。
例えば何でも同じように注意していると、子どもにとってはメリハリがなくて何が
重要なのか分からなくなってしまいます。それに優先順位が少しでも低いものは叱る
のではなく、誘ったりお願いしたり励ましたりしながら伝えることもできるはずで
す。また優先順位がコロコロ変わると子どもは混乱してしまいます。お互いが落ち着
いている時に親として子どもに大切だと思うことを話しておくことも大切です。お互
いの思いや価値観を理解し合う普段のコミュニケーションが、親子の支えになってい
るのかもしれませんね。
◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
平成7年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
同年4月 名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
平成12年4月 医学博士号 修得
平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
現在に至る
【著書】
・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
(ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページをご覧ください。
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