2008.06.01
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    NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です

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 幼少期って、早く、早くと『出来ること』を数えてしまいがちだけど、
 子どもが少し大きくなってみると『ゆっくり育つこと』が、楽しみにも
 感じられる余裕が、不思議と湧いてきます。
 やっぱりわが子は、とってもかわいいですもの♪


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 堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第25回
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◇◆五月の憂鬱
                     

 今年も、大嫌いな五月が終わって、せいせいしています。
 私は五月生まれ。長男も、五月に生まれました。そして連休もある。母の日も
五月。
 だから、大嫌い。
 連休は、毎年、主人の生家に帰省します。長男は、4日生まれなので、誕生日
もそこです。盆と正月と連休は、私には1年で一番楽しくない日々です。
 嫁と姑の争いはありません。少なくとも、義母にとっては、何の問題も無いと
思います。
 私とカイトは、どうやら、あの家では、いないことになっているので。
 何の悪意も疑いも無く、最初から、目に入っていないのです。
 そして、なんか発言すると、義母以外の方面から、揚げ足とって、鬼嫁扱いさ
れるので、話しかけられたとき以外は、口をきかないことにしています。
 でも、それは、ちょっと我慢すればいいことです。泥沼の争いしてるより、百
倍ましだと思うことすらできます。

 母の日が、嫌です。
 私は、母としては、相当がんばってる人種だと思います。3人は、日本人の平
均より多いし、父親は、生活面でも経済面でも、笑えるほど、あてにできないし、
家事も育児も一手に引き受けて、必死でお仕事して、狭くて、ゴミ屋敷みたいな
家を少しでも快適に出来るように努力して、でも、おとうさんが帰宅すると、ま
たゴミ屋敷になって、でも、またがんばって、ほんと、自分を褒めたい。
 誰も褒めてくれないから。
 幼稚園児は、園でおかあさんへのプレゼントを用意してきます。
 私は、長男の年頃には、お小遣いためて、母にプレゼントを買ったもんでした。
 カイトが、どうこうしてくれるとは思えんが、マナトはどう出るかのう。
 気付いていない。
 余りの気付かなさに、ずっと黙っていようと思ったが、ついに言ってしまいまし
た。
「今日、何の日だか知ってる?」
 知らなんだ。
 そして、何の日かわかると大慌て。洗って干してある、牛乳パックをくすねて、
サインペンで模様を書いて、小物入れのプレゼントです。これが、適当に済ませ
てるんじゃなくて、全霊で考えての行為だってのが痛い。
 買い物にでかけて、また落ち込みます。だって、町中におかあさん向けのかわ
いいプレゼントが溢れてるのに、私は紙パックだもの。それを、喜んでもらわな
きゃいけないしね。
 思えば、結婚前、私は母の日は姉の花屋を一日中、手伝っていました。小さな
子も百円玉を幾つか握り締めて買い物に来てたし、奥さんに花を買う男の人も一
杯いました。母の日は、一年で一番忙しいのです。他の日に振り替えられないか
ら。だから、実家の母には、電話の一つもかけられません。邪魔なんだもん。花
屋に、母の日の電話なんて。
 おとうさんは、当然のごとくいない。いなくて幸いでした。いたって、忘れて
るもん。おとうさんがいるときに、私は父の日忘れたことないのに。
 ついでに、義母に花キューピットも、忘れたことありません。ヨメの鑑。

 ここまで来たら、誕生日については語る必要なし。放置に決まっとりましょう
が。
 いやあ、子育て応援団どころではない今月の堀田でした。ごめんなさい。
 昔は、5月が大好きだったのに。緑が綺麗で、過ごしやすくて、五月生まれっ
てのがうれしくて、初めての子が5月生まれだってわかって、得した気分になり
ました。姉も5月生まれなんで、5月って何度もお祝いできる、楽しい月だと思
ってました。
 私は、大人になっても誕生日がめでたくないなんて思わない。
 周囲が思ってくれないってことなんすね。
 だからこそ、周囲への誕生日の心配りは忘れたくないと思います。
 やっぱり生まれてきた日は、一番一番大切な記念日だもんね。

◇◆堀田あけみ先生の略歴
 1964年 愛知県生まれ。
 1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
 その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
 専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
 現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。

 【主な著書(現在、入手可能なもの)】
 「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
 「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
 「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
 「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
 「White Smile」(共著、ワニブックス)
 「発達障害だって大丈夫?自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)

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   小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第25回
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 育児書などには子どもの成長発達が順番に書かれていて「なるほど子どもはこ
んなふうに成長発達していくのか。」と思わせます。
 
 しかし子どもの成長発達はいつも直線的に伸びていくものかというとそうではあ
りません。むしろしばらく失敗や試行錯誤が繰り返された後に、ある時ふっとでき
るようになることの方が多いようです。つまり子どもの成長発達は階段状に伸び
ていくものなのかもしれません。だからなかなかうまくいかないからといって焦っ
たり、今まで順調に来ていた物事が停滞しても嘆く必要はありません。次の段にス
テップアップするためのいわば“力をためる”時期なのかもしれないのですから。
 
 でも子育てをしていると後戻りしてしまったように感じることもしばしばです。
例えば乳幼児期の夜泣きも月齢によってぶり返すことがありますし、大きい子でも
今までできていたことができなくなったり分かっているはずなのに同じ失敗をしてし
まったりすることがあります。
でもそういう時は子どもが成長したことによって新たな葛藤が生じるようになったた
めか、まだ十分定着していなかっただけのことが多いよ
うです。親としては「なんだか同じ所に戻ってきたみたい。」とがっかりすること
もありますが、積み重ねてきたものは見えない所で確実に子どもの中に備わってい
ます。つまり子どもの成長発達は螺旋階段のようなものなのでしょう。だから慌てず
諦めず一歩一歩進んでいきたいものですね。

◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
 平成7年3月  名古屋市立大学医学部 卒業
 同年4月    名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
 平成12年4月 医学博士号 修得
 平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
 平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
 現在に至る

 【著書】
 ・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
   (ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
 ・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)

◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
 全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
 詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
   http://www.as-japan.jp/j/index.html

◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
 アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
 先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
 掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページにてご覧ください。
  http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html

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