2008.05.01
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆

    NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です

◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆
  
 楽しい連休をおすごしですか?
 一年の中で一番ここち良い季節です。子育てエッセイを読んで
 気分もリフレッシュ!

■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第24回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
◇◆シングルな日々
 
 いやあ、来ない来ない。父親が。
 2月の末に、カナダ取材に出かけたっきり、戻りません。
 帰国は、しました。
 でも、その足で北海道へ行ったきりです。このまま連休までもどらんつ
もりか。多分、あたり。我が家の場合、
「帰れなくてごめんね」
 に、
「心配しないで、ずっといなくても、大丈夫だから」
 などと返そうものなら、過去に2回、奥さんに逃げられた経験のある人
なので(念のため、逃げたのは私じゃありません。拾ったのが、私)、真剣
にものすごく怒ります。厄介です。軽口もたたけやしねえ。
 3月末に予約したディズニーランドのホテルを、4月の頭に変えて、更
に、「まわりゃんせ」に変更しました。もちろん、おとうさんの分はありま
せん。
 忙しいのと、電波状況が悪いところにいることが多いのとで、なかなか
所在はわかりませんが、警察から電話が無い限り、大丈夫だと思うように
するのは、今日に始まったことじゃなし。
 週刊誌のグラビアにおとうさんが撮った知床のアザラシの写真が載って
る上に、「じぇらーと知床」って店から、チョコチップアイスが届いたんで、
知床にいるんだろうと。

 結果的には、私の母を巻き込んで、大人二人・子ども二人・幼児一人の
になった「まわりゃんせ」の旅ですが、大人は一人の可能性もありました。
現に、最初、母は、
「あんたんとこと行くと疲れる」
 と断ってるし。で、そのことについて、ホテルに電話で問い合わせてみ
ました。大人一人に変更可能かって。
 びっくりした。
 念の為に聞いとくけど、まさか、駄目とは言わんよな、というのがかけ
る前の正直な気持ちだったのです。
 世間舐めとった。
 断られることが、予想外に多かったので。
 なかには、あからさまに、
「片親ですか?」
 と聞くところも。
「平日のそれもよっほど暇な日だったら、するかもしれないですけど」
 子どもも3人いたら、結構な値段払うことになるから、損にはならない
と思うんだけどな。でも、こういうとこには、大人二人になっても、もう
泊まりたくありません。
 結局、電話での対応が一番親切で、大人一人も当然、大丈夫ですよとい
うところに決めました。結論、大正解。一事が万事、行き届いているので
すね。送迎バスに乗る時点で、名前をチェックして、宿に着いたら、すぐ
に部屋に通れるようになってたり、子どもの浴衣のサイズがいろいろ揃っ
てたり、タオルも子ども用はメダカ模様だったり。お部屋でのサービスは、
お姐さんにちょっと包んで渡しといたのがきいたかな。
 2泊したのですが、カイトはここの浴衣がとても気に入ったようです。
2日目には、志摩スペイン村で、
「早く帰ろうよ」
 を連発、宿に着くなり、
「着物着るー」
 だもん。マナトと二人で男湯に行かせても大丈夫な辺り、ほんとに楽に
なりました。いつも道着を着てるマナトは、大人用の浴衣も一人で着られ
るし、カイトの子ども用は脇についてる紐を結べば着られます。それぞれ、
自分で着て帰ってきました。
 翌朝、カイトが5重くらいのコマ結びにした紐を解くのが大仕事でした。
 
 私は、電話が嫌いです。出来ることなら、要件はすべてメールで済ませ
たい。ホテルの予約と、出前がその最たるものです。口で言うと、ややこ
しいし、間違える。時間がかかる。時間を選ぶ。
 でも、メールじゃわかんないことあるなって、勉強しました。
 やっぱり、実際に話してみて、感じのいいところがいいのです。HPが綺
麗かどうかじゃなく。HPなら、断られたところのほうが、綺麗だった。で
も、実際に前とおったけど、玄関もあんまりきちんとしてなくて、泊まっ
ても、快適じゃなさそうでした。

 そして、一番強く感じたこと。
 大人一人じゃ駄目って、片親じゃ駄目って、それ、どういうことだよ。
という憤り。
 うちは、たまたま父親が放浪中だっただけだけど、一人親の家族は旅行
できないじゃん、その理屈だと。
 いいほうに考えれば、不親切な宿は予め断ってくれるから、いい宿に泊
まれる確率が高くなるってことでもあるんですが。
 この点に関して、経験から、小さくてアットホームな宿が親切、という
ことは無い気がします。ある程度の規模があって、社員教育がしっかりし
てるとこのがいい。大きいとこのが、往々にして親切、という原則が今回
も当たりました。
 子どもがいると言うと、いかにも嫌そうな反応をするところに電話した
後で、「子どもさんの喜ぶ宿にしたい」とパンフレットに書いてあるのに、
出会ったりすると、心洗われる気がします。
 ちなみにこの宿、子連れ以上に嫌われ者の、「女性お一人様」専用の部屋
があるんですよ。露天風呂つき、お部屋には、掘りごたつとダブルベッド、
大型テレビ、CDプレイヤーがあって、食事はすべて部屋に運んでくれると
か。
 かんづめになりてえ。

◇◆堀田あけみ先生の略歴
 1964年 愛知県生まれ。
 1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
 その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
 専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
 現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。

 【主な著書(現在、入手可能なもの)】
 「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
 「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
 「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
 「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
 「White Smile」(共著、ワニブックス)
 「発達障害だって大丈夫?自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)

■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第24回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
 新緑もまぶしい初夏の句にこんなものがありますね。
 目に青葉 山ほととぎす 初かつお
 ちょうどこの時期は様々な魚介類がとれる季節です。魚といえば皆さんの中に
は釣りを経験された方はみえるでしょうか。
 子どもを成長という“魚”がたくさん住んでいる“海”になぞらえると、子ども
を育て導くポイントは釣りのポイントと似ているような気がします。

1)まずその日の天気や波の状態を確認し、釣りに最適な穏やかなコンディションを
選びます。:子どもの状況や状態をよく見守ります。子どもの成長にとって心身と
もに落ち着いていることは大切です。

2)まず餌をまいて魚達が集まってくるようにします。:いろいろな遊びや経験を通
して子どもの興味や意欲を集めます。

3)魚達が集まっていそうな深さに釣り針が来るように調整し、糸を垂らして
待ちます。:子どもが成長しやすい条件を整えながらタイミングを待ちます。

4)魚の動きに合わせて糸を引きます。無理に引っ張りあげようとすると糸が切れて
魚は逃げてしまいます。:子どもの様子をよく見てその調子に合わせて導きます。
焦りは禁物です。

5)時には何も釣れなかったり予想外の魚が釣れることもあります。それも釣りの楽
しみの一つです。:子どもの成長はいつも予想通りではありません。でもそれもま
た子育ての醍醐味の一つです。

6)あがった魚を喜び、感謝する。:私達は子どもの成長を喜び、感謝します。

 皆さんはいかがですか。


◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
 平成7年3月  名古屋市立大学医学部 卒業
 同年4月    名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
 平成12年4月 医学博士号 修得
 平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
 平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
 現在に至る

 【著書】
 ・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
   (ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
 ・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)

◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
 全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
 詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
 http://www.as-japan.jp/j/index.html

◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
 アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
 先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
 掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページにてご覧ください。
http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html

◇◆「楽しい子育て応援団」へのご意見、ご感想をお待ちしています。
heart@as-japan.jp


****************
NPO法人アスペ・エルデの会
  「楽しい子育て応援団」

  http://www.as-japan.jp/
****************


BACK NEXT

Copyright(C) 2004,Asperger Society Japan.All Rights Reserved