2008.04.01
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    NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です

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大きい夢につぶされそうになったら、手の届きそうな小さな夢をみつけて
みませんか?あきらめず、ゆっくりと自分の歩幅にあった夢がひとつ
ひとつ叶っていけば、確実に前に進んでいきます。
さあ、4月、新年度です。明日は今日より楽しい日でありますように。

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 堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第23回
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◇◆ヤッターマン参上!
                       
 最近、カイトが、おかしい。
 まともなんです。
 いや、カイトにしては、すごくまともな言動が続いているんですよ。
 兄弟げんかの後の、謝りかたが妙に上手い。兄に「遊んでよー」としょっちゅ
うねだる。公園で置いてかれると、「待ってよー」と追いかける。野菜たっぷりの
お好み焼きを、ぱくぱく食べる。今まで、不機嫌な人の声が嫌いで、小さい子の
泣き声に「やっつけていいですかい?(何故か、べらんめえ調)」と言っていた
のが、「赤ちゃんが大変だあ」に変わった。
 いい調子です。まあ、この調子が続かないのも、肝に銘じとかにゃならんので
すがね。でも、それは障害の無い子も同じなので。というか、無理があれば、続
きません。人は、変わるものだけれど、往々にして原点に戻りもする。
 カイトは、どんなポケモンやドラえもんに興味を示しても、結局アンパンマン
に戻ります。マナトは、ゲーム馬鹿からの脱却目指していろいろ試してみるもの
の、やっぱりゲームが一番好きらしい。私は、ようやくほんのちょっと余暇が出
来たので、ちょこっとずつ大好きな手芸をしています。子どものものを作るので、
ねだられるままに、フェルトのマスコットを作ったり、ビーズ細工に手を出した
りしていますが、結局一番好きな編み物をしてるときが一番落ち着きます。
 とりあえず、カイトの調子はいいのですが、どうも調子が良すぎるようです。
クラスで「げらげら病」と呼ばれている症状が、ピークに達してもいます。ほん
のちょっとしたきっかけで、爆発的な大声で笑う。そういうときには、悪ふざけ
も最高潮。わざと間違った答えを言ったり、制止されたことを繰り返ししたり。
 それって、調子いいとは言わないんじゃないですか、と思われるかもしれませ
ん。でも、いいんですよ。関心が人に向いてるのは、いいときです。笑ってくれ
ないときが良くないんです。
 以前も触れたのですが、カイトは映像が苦手です。大好きなアンパンマンも、
アニメは見ません。BSの入るテレビを買ってから、コトコが毎夕、「アンパンマ
ンくらぶ」(アニメ4本と、おねえさんときぐるみのコーナー)を見るようになっ
て、カイトが正義の仲間のピンチを見たがらないことがわかってきました。アニ
メだけを頑なに見ようとしないのは、長年の謎とされてきたのですが、そんな単
純な理由だったとは、驚きです。
 逃げ出すほど嫌いではないアニメでも、じっと見ることはしませんでした。ト
トロとか、何回もみたけど、好きなシーンしか見ない。
 ところが、生まれて初めて、最初から最後まで、食い入るように見る番組が登
場しました。
 リメイクされた「ヤッターマン」です。
 3人とも、すごい食いつきで、録画したの何回も見るし、ほとんどすべての台
詞を憶えています。だから、日常の会話にも、それらが使われていて、そのキャ
ッチボールをカイトが他の兄妹と出来ていることが驚きです。嬉しいし。カイト
が、主題歌を口ずさんでいることもよくありますが、よほどの内的必然性がない
と(外的には、彼は歌う必然性は全く無い)歌うことも無いので、本気で気に入
っているのでしょう。
 一番のお気に入りは、もちろん、「おしおきだべえ」。
 相変わらず、毎日描く絵は、アンパンマンですが。ヤッターマン、難しいから。
でも、彼がヒーローのポーズを真似る日が来るとは思わなかったなあ。「足をあげ
てチンチン」だけど。
 何が、そんなに気に入ったのかは、推測しか出来ないので、特に考えようとも
思いません。でも、ついつい触れたくなってしまうのですが。
 母親が、すごく熱心に見てるから?
 だって、大好きだったんだもん。親子が、熱くなれる対象を共有できるのが一
番なのかもしれません。我が家における「今週のびっくりどっきりメカ」登場シ
ーンの盛り上がりといったら!年代的にも、性格的にも、蚊帳の外のおとうさん
はのぞいて、カイトを含んだ家族が、これほど一体化する瞬間はないかもしれま
せん。どういうレベルの低い母子だ。
 どうやら、1クール交代ではなく、比較的長期間の放映予定なので、しばらく
はこの時間は盛り上がりそうです。
 カイトと同じものを楽しめるって、私が一番嬉しい。
 マナトとみたいに、小川未明に対するマニアックなリスペクトを、ひっそり共
有するような楽しみは、望めそうにないものですから。

◇◆堀田あけみ先生の略歴
 1964年 愛知県生まれ。
 1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
 その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
 専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
 現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。

 【主な著書(現在、入手可能なもの)】
 「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
 「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
 「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
 「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
 「White Smile」(共著、ワニブックス)
 「発達障害だって大丈夫?自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)

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   小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第23回
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 最近は乳幼児健診を恐れる親御さんが少なくないという記事を読みました。
健診を受けて子どもの成長や発達に問題があると指摘されるのが怖いというのです。
 そもそも健診とは、子どもについては今までもこれからも元気に成長してくれる
だろうか、親御さんについても順調に子育てをされているだろうか、これからも元気
に育児をするために必要なことはないかを点検し整備するメンテナンスなのだと思い
ます。しかしきっと健診が怖いという方にとっては、それが自分や自分達親子が合格
か不合格かを判定されるテストのように感じてしまうのでしょう。これを読んだ時に
は健診をする側の我々にも反省すべき点があると思ったその一方で、現代の育児不安
の深刻さと育児や親子の支えの少なさを感じてしまいました。
 育児に関する情報が多い現代では、つい「自分のしていることは正解だろうか?」
と不安になってしまうこともあります。しかし育児のほとんどにおいては定まった正
解も不正解もなく、自分達親子やその時の状況(状態)に適しているかどうか(合っ
ているかどうか)なのだと思います。また育児は誰か一人が役割や責任を背負うもの
ではなく、みんなが協力して取り組むものです。正解不正解にとらわれずみんなで話
し合い助け合って育児ができれば本当に良いと思います。大人が元気だと子どもも元
気になるものです。大人同士の連携が実は子どもを元気に育てていく秘訣なのかもし
れませんね。

◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
 平成7年3月  名古屋市立大学医学部 卒業
 同年4月    名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
 平成12年4月 医学博士号 修得
 平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
 平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
 現在に至る

 【著書】
 ・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
   (ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
 ・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)

◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
 全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
 詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
 http://www.as-japan.jp/j/index.html

◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
 アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
 先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
 掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページにてご覧ください。
http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html

◇◆「楽しい子育て応援団」へのご意見、ご感想をお待ちしています。
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