2008.03.01
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  NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です

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 道ばたの暖かい場所で水仙の花をみつけました。「寒い!寒い!」と思って
いても自然は「もうすぐ春だよ?!」と教えてくれます。つぼみがやがて開花する
ように、子ども達もすくすく育ってくれますように♪
今回のエッセイは「カイちゃんのダイエット!」、と「“命名”にこめられた
親の想い」が綴られています。
 どうぞ、じっくり味わってくださいね!

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 堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第22回
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◇◆カイちゃん式ダイエット
                      

 この度、我が家のおとうさんは、40キロの減量を達成致しました。
 40キロというと、カイト一人分です。いや、二人はいませんが。
 そこで、今度はカイトの体型が問題になってきました。運動不足と偏食では、太る
のが当たり前です。
 以前は、長男の肥満の方が深刻でした。これは、ゲーム機を買ったら覿面に太った
と言う、親としては憤懣やるかたない展開です。でも、極真会館に入門させたのと、
最近、食べる量が落ちたのとで、こちらはどうにかなりそうです。
 でも、カイトは炭水化物と揚げ物が大好きなのは変わらないし、食欲のコントロー
ルも難しいし、何より運動量が落ちました。幼稚園のときは、基本的に一日何時間も
お外遊びをします。普通の園庭くらいのが、3つある幼稚園だったので、自由自在に
行き来して、一杯体を動かせました。
 ところが、小学校に入ると、教室での活動が中心になります。放課だって短いし、
体育の授業も毎日あるわけじゃない。極真会館にも、行かせられないし。コトコは
既に、入門してますがね。長男は、この年頃には、毎日のように公園に行って遊んで
いましたが、カイトはそんなわけにはいきません。もしかしたら、親として一番痛い
のは、一人で遊びに出せないことかもしれないと、思います。社会性は高まるし、運
動にはなるし、一石二鳥だ。家も静かになるし。

 というわけで、第一弾。まずは家庭の食から、考える。地道に。
 朝食の牛乳を、野菜ジュースに変えたり、夕食はお子様ランチ風の盛り付けにし
て、嫌いなものもすこしずついれて(ほんの少しね)、これだけは食べようね、そ
して、主菜のお代わりなしにしたり。カイトの何より好きなふりかけご飯は、お代わ
りは2杯目までにしました。おやつも、あまり好きなものばかり出さないようにしま
した。
いらないなら、いらないでいいや。
 太っていた頃のおとうさんにとって、食べたいものを食べられないのは、大変な不
幸でした。おまけに、カイトを溺愛しているので、「食べるのくらいは、好きなもの
を好きなだけ」という方針だったのです。私は、母からけっこう厳しく躾けられたく
ちなので、変な時間に間食をとったり、同じものを大量に食べるのには、すごく抵抗
があったのですが、鬼の母扱いでした。
 そもそも、おとうさんが言い出した食事改革ではあったのですが、基本的にはやっ
ぱり甘かったです。バイキング方式のレストランで、やたらとってあげたり、回転寿
司でも、本人が食べたいと言う前に、ポテトやチキンを取ってあげちゃったり。で、
いらないと言われることもあるから、それを誰かが食べなきゃいけなくなって、困る
んですよね。
 第2弾は、ウォーキングです。最初は、夕食後の散歩でした。「トレーニング」と
称して、カイトも結構乗り気だったのですが、ほとんど続きませんでした。おとうさ
んが自分のことに夢中になって、夕食後はスポーツクラブに飛んで行くようになった
からです。生活はスポーツクラブ中心。家族の団欒より、そっち。なので、当然、子
ども達と歩くこともなくなりました。
 ですが、それが復活。
 すっかりやせてかっこよくなったおとうさんは、今、体重を維持することを心が
けてるのですが、短期間にこんだけやせたということは、そうとう食べなかったわけ
です。食べなかった期間の反動が来ています。でも、食べると太るので、食べて体を
動かすことで収支を合わせることにしました。今までの、何が問題だったかというと、
沢山食べても体を動かせなかったことなんですね。重いから。かれが見つけた楽しい
運動は、歩くということ。彼の今の楽しみは、歩いて美味しいものを食べに行くこと
です。だから、栄で夕食とったりすると、家まで6キロくらいを歩く。カイトもそれ
に付き合います。
 ここのところ、休日は、イオンやアピタに歩いていくのが、主な日課です。家族全
員だったり、おとうさんとカイトだけだったり。
 おとうさんの分析は、「カイトは好きなもののためなら幾らでも歩く」。目下、ゲ
ーセンの「アンパンマンコミュタッチ」というゲームでもらえるカードのコンプリ
ートを目指してるので、それで釣ります。そして、おとうさんは大好きなバイキン
グ、と。ほんと、好きなもののためなら、どこまでも歩くコンビだ。おうちにいるの
が何より好きな長男とは、肌が合わないわけです。
 今週末から、おとうさんが取材に出ます。それまでに、どれくらい歩けるかな。そ
して、この習慣、どこまで続くでしょう。とりあえず、おかあさん一人でも、今まで
どおり、おでかけにはカイトも連れて、トレーニングしようと思っています。
 よもや、釣らなきゃ動きませんてことにはなっとらんだろうな。
 公園のブランコじゃ、もう役者不足とか。

◇◆堀田あけみ先生の略歴
 1964年 愛知県生まれ。
 1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
 その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
 専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
 現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。

 【主な著書(現在、入手可能なもの)】
 「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
 「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
 「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
 「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
 「White Smile」(共著、ワニブックス)
 「発達障害だって大丈夫?自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)

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   小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第22回
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 小児科の外来をしていると、いろいろな子どもの名前に出会います。中にはよく思
いついたものだと感心するものもたくさんあります。子どもの名前は親から子への最
初のプレゼントであると言われます。ですから音の響きや字画など、少しでも子ども
にとって良いものをと、随分悩まれた方も多いのではないでしょうか。
 ある時、新聞にこんな一説が載っているのを見つけました。「人の名前の中には字
画などで占うと非常に悪いものもあるという。しかし親がその子のことを真剣に考
えて、心から良かれと思ってつけた名前に悪いものなどないのではないだろうか。」
 名づけでも子育てでも、親は子どもによかれと思っていろいろなことをします。し
かし時には思ったのと違う結果になってしまい、後悔したり自分を責めてしまうこと
もあるかもしれません。しかしそれが子どものことを真剣に考えてやったことである
ならば、その時考えられる中で一番いいと思ったことであるのなら、少なくとも自分
を責める必要はないと思います。結果はどうあれその時子どものことを考えてやった
ということに、親として誇りを持っていいのではないでしょうか。もちろん思ったの
と違う結果になった時には見直しをして、改めるところは改め良いと思ったことがあ
ればすることは大切です。誇りを持つことと謙虚であることは決して矛盾しないので
すから、試行錯誤しながら子育てすることを恐れずに進んでいきたいですね。

◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
 平成7年3月  名古屋市立大学医学部 卒業
 同年4月    名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
 平成12年4月 医学博士号 修得
 平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
 平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
 現在に至る

 【著書】
 ・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
   (ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
 ・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)

◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
 http://www.as-japan.jp/j/index.html

◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさをお感じのおやごさんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページにてご覧ください。
http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html

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