2008.01.01
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NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です
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明けましておめでとうございます。
本年が皆さまにとって善きことの多い一年となりますようお祈り申し上げます。
子育てにちょっと疲れた時、読むビタミン「楽しい子育て応援団」を今年も
よろしくお願い致します。
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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第20回
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◇◆流石漱石
長男は、私の子どもとは思えないくらい、読書をしません。小学生の平均読書
量は、月に10冊って、なんかの間違いじゃないでしょうか。運動神経の常人に
はない鈍さだけは、受け継いでくれましたのに。くれんでええちゅうねん。
マンガは大好き。ゲームの攻略本も好き。カタログも好きですねえ。
でも、語彙が増えないし、字は間違えてばっかだし、日本語間違えるし、クラ
スでやってる、朝の十分読書に加えて、寝る前の読み聞かせもしてみました。長
女の絵本が終わったら、彼の時間です。でも、絵本の時の方が、あきらかに楽し
そう。
選ぶ本の基準は、私が子どもの頃に、はまった本なので、必ずしも、メジャー
どころではありません。ミヒャエル・エンデ、アストリッド・リンドグレーン、「パ
ディントン」のシリーズ、「とんかちと花将軍」…。
最初は、一日4ページくらい、遅々として進みません。そのうちに、私が少し
読むと、続きは自分で、とかなりの量を読むようになります。
これで、私も勉強しました。
どんなに面白い児童文学も、最初の20頁は面白くないのです。設定を説明し
てるだけだから。
しかし、最初からはまった本がありました。
「坊ちゃん」です。
坊ちゃんは、最初の頁で2階から飛び降りますからなあ。流石は、漱石である。
文豪は伊達じゃないということですね。
よく、どうしたら子どもが本を読むようになりますかと、訊かれます。
こっちがききたい。
最近は、読書を指導する塾もあるそうです。長男の友達は、そこに通っていま
す。
でも、一番は、自分がはまった本を一緒に読むこと、じゃないでしょうか。
すると、特に無いから、と言われるんですね。うちのおとうさんも、特に好き
だった本はないそうです。
それって、読書が好きな子どもじゃなかったってことでしょう?だったら、子
どもに強要しなくてもいいんじゃないかと思うわけです。
私は、子ども達と世界を共有する為のツールとして、読書を捉えています。物
語を楽しめると、人生が楽しくなるとも思っていますし。
ただ、私が好きだったものが、そのまま子どもの好みになるとは限りません。
私が人生において一番愛している物語は、「メアリーポピンズ」のシリーズですが、
彼は楽しんでいたものの、夢中になるとは行きませんでした。
一番愛していたのは、それですが、一番どきどきして、止められなくなったの
が、「ジムボタン」のシリーズ。ミヒャエル・エンデの児童文学の中では、マイナ
ーな存在なのが不思議なくらいです。メジャーどころの「モモ」は、なかなかエ
ンジンがかかりませんでした。ラストの、灰色の男達との戦いでようやく読む気
になった感じです。「ジムボタン」は、本当に一息に読みました。でも、やっぱり、
設定部分は自分から読もうとしなかったな。
お勧めの児童文学と言われると、「ジムボタン」のシリーズを挙げています。
「坊ちゃん」が終わったら、やっぱり「猫」かな。それとも、「はてしない物語」
いきますか。
まだまだ、私の引き出しには、楽しい物語が一杯詰まっています。
◇◆堀田あけみ先生の略歴
1964年 愛知県生まれ。
1981年、「1980アイコ十六歳」で文芸賞を受賞、文筆活動に入る。
その後、名古屋大学教育学部に入学、卒業後、同大学院教育心理学科に進学。
専攻は、発達心理学・学習心理学。特に、言語の理解および産出のプロセス。
現在、椙山女学園大学・中京大学で非常勤講師を勤める。
【主な著書(現在、入手可能なもの)】
「わかってもらえないと感じたときに読む本」「おとうさんの作り方」(海竜社)
「十歳の気持ち」(佼成出版社)、「唇の、することは。」(河出書房新社)
「泣けてくるじゃない」「あなたの気持ち」(角川書店)
「マナティ 夢の人魚」「大草原のプレーリードッグ」(共著、七賢出版)
「White Smile」(共著、ワニブックス)
「発達障害だって大丈夫?自閉症の子を育てる幸せ」(河出書房新社)
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第20回
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日本の子育ての特徴は“誉めない。叱って教えること。”だそうです。子どもが
ある程度の年齢になると、こちらの基準から外れると叱られるけど基準内に入って
いてもあえて誉められることはない。むしろ何も言われないことが認められている
というわけです。
それはそれで相手の機微を読みその場の空気を読もうということになりますが、
時には失敗を恐れ日常での不安が高くなる危険性もあるでしょう。
ある時親御さんと「子どもが自分の長所を見つけるためにはどうしたらよいのだ
ろう。」と話していたことがありました。
その時の結論は、普段から子どもが周りの人達から「ありがとう。」と感謝され
たり笑顔を向けられることが大切なのかもしれないということでした。
長所というのは時々しか発揮できない120%の力でも他の人よりも秀でた特技で
もなく、普段からできていることの中にあるのではないでしょうか。あいさつがで
きる、頼むと手伝ってくれる、元気でいてくれる・・・。大人の私達が子どもに笑顔
を向けたり「ありがとう。」と言う機会は、本当は日常の中にたくさんあるのではな
いでしょうか。でも大抵そういうことはあたりまえのこととして黙って認められてい
ることが多いものです。
みなさんは普段どのくらい子どもに「ありがとう。」と言っていますか?どのくら
い「OK。」と笑顔を向けていますか?そして今年はどんな言葉や表情を子ども達に向
けてあげられるでしょうか。
◇◆宮地泰士(みやち たいし)先生の略歴
平成7年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
同年4月 名古屋市立大学病院小児科 入局、勤務
平成12年4月 医学博士号 修得
平成15年4月 名古屋市児童福祉センター 勤務
平成18年7月 子どものこころの発達研究センター 勤務
現在に至る
【著書】
・可能性のある子どもたちの医学と心理学(共著)
(ブレーン出版 石川道子、辻井正次、杉山登志郎 編著)
・直ぐに役立つ発達障害の診断とサポート(共著)
(東海小児心身医学研究会 発行)
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさを御感じの親御さんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページにてご覧ください。
http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html
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