2007.11.01
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆
NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です
◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆
子育て真っ最中の頃は、毎日たいへんですね。自分の時間がとれないことに
イライラしたり・・・。でもね、そんな期間はあっと言う間に過ぎてしまうもの。
子育てにとっての、実りの秋をむかえる頃には、甘酸っぱい思い出にかわって
います。さあ、お茶でもしながら、今月のエッセイをお楽しみください。
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第18回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
◇◆うまそうだなあ
辛気臭い話題が続いて申し訳ありませんでしたが、今月からは、また元気一杯のお
かあちゃんに戻ります。近年、大学では学生に講義に関するアンケートへの回答を義
務付けることも多くなりましたが、自由記述の欄に、「前向きすぎてうざい」とかか
れたこともある過去を誇りに思っておる堀田ですので。思うなって。
秋は、様々な行事のシーズンです。運動会が1学期に移行した子ども達の小学校で
も相当ハード。校舎の耐震工事で1年だけ1学期にするつもりが、その方が学校行事
のバランスが良いとわかったので、そのまま5月にしたというのもわからんでもない。
一番の行事は、なんと言っても学芸会です。うちの学校は隔年なので、カイト、学
芸会デビューだ。で。
できるのか。
最近、なんでもできちゃうカイちゃんだが、できるのか?これは、相当高いハード
ルだぞ。
我が家の学芸会の歴史を考えてみると、カイトは結構、正統派の道を歩んでいます。
子ども達の通う幼稚園の学芸会は、ちょっと変わっているかもしれません。自分
の子どものクラスだけ、見ればいいようになっています。各クラスがそれぞれ別個に
やる。その代わり演目は盛りだくさんです。わが子の出るものばかり、5つばかり続
けて見られるという趣向です。親にとっては、楽しいですよね。担任の先生は、大変
だと思いますが。構成は、だいたい、器楽やリズム体操、楽器演奏等の音楽系が幾つ
か続いて、最後が劇です。そして、劇もしっかり役を決めて練習するのは年長さんだ
けで、それまでは、3つくらいの役がある劇を、どの役もできるようにして、その日
の気分で役を決めます。
年少のとき、次男のクラスは、「グリーンマントのピーマンマン」で、彼はピーマ
ンマンでした。何も出来ないのではないかと、案じていたのに、全ての演目を完璧
に演じきって、もちろんラストの劇でも、ピーマンキックを決めてくれました。
このように、絵本原作のものが多いのですが、長男のクラスは少し違っていまし
た。子ども達の普段の遊びを発展させた「ばらぐみ えれべーたーものがたり」
です。子ども達がみんな引き戸の向こうに隠れるところから始まります。ところが、
うちの子だけ隠れない。どうしたんだろうと不安に思ってみていると、トライアン
グルをおもむろに鳴らして、
「1階でーす」
エレベーターボーイかい。
年中さんは、オペレッタといって、既製のテープの歌に合わせて、「たこやきマン
トマン」を演じるのが恒例です。次男は、ここでもマントマンになって「ほかほかぽ
っこんキック」を決めてくれるかと思いきや、悪役を志願し、黒のほっかむりでご機
嫌に現れました。でも、長男に較べたら正統派。だって、彼は台本にはない「島」の
役を自分で作って演じたんだから。
年長さんのときの「舌きりすずめ」はナレーターだしな。次男は、普通に「そらま
めくん」のぴーなっつくん役ですよ。
さて、小学校に入って始めての学芸会です。
最近、カイトも、目の前に無いことの報告がようやく出来るようになりました。
それから、まだ10回に1回くらいですが、「どうして」に答えられるようになりま
した。先日、学校で劇を見たときも、
「今日、どんな劇見たの?」
「ねがいごとぱずる」
「どんなお話だった?」
「ゆうすけがないちゃった」
「泣いちゃったの?どうしてかなあ」
「ままにおこられた」
という会話ができて、ちゃんと合ってました。
これに気をよくして、学芸会についても訊いてみました。
1回目
「学芸会は何するの?」
「ホットケーキ」
「カイトくんは何の役?」
「うし」
「なんて言うの?」
「…」
2回目
「カイトくんの劇は?」
「にげだしたホットケーキ」
「カイトくんは何の役?」
「うし」
「なんて言うの?」
「うまそうだなあ」
というわけです。
現時点では、上手に出来ているそうです。若干、舞台でぐらぐらしてるそうです
が。ぐらぐらってのは、歩き回らないけど、揺れてる感じ。このままだと、上手に
出来そう。先生も、舞台の袖で見ていたら大丈夫でしょうということですが。
当日は、お客さんが一杯いるんですよね。
怖気づいたり、逃げ出したりするんじゃないかと言うんじゃなくて。
カイト、コスプレ好きのパフォーマンス好きなんです。
ハイになって、余計な芸をするんじゃないかと。
だから、袖で見守るか、黒子になってそばに付くかは、保留なんだそうです。
今度は、どんな思い出作ってくれるかな。失敗してもいいでんです。
思いがけないことしでかしてくれても、思い出すときは、笑えるからね、カイトの
ことだから。
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第18回
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
この季節になると音楽発表や劇などの学芸会を思い出します。
劇が成功するためにはどのような役が必要でしょうか。主役達はもちろんですが、
それだけでは劇は成立しません。いい味を出す枠役や表には出ないけど道具係、
演出や監督といった人達も重要です。
子育てにおいても同じことが言えるのではないでしょうか。
よく人の一生は劇にたとえられます。「人生劇場」という言葉もあります。
子どもの成長という“人生劇場”を素晴らしいものにしていくためには、子どもに
関わるたくさんの人達、またお母さんやお父さんに関わる人々それぞれが協力し
合い、それぞれの役割を担っていくことが必要不可欠です。また子ども同士もお互
いに良い刺激をし合うことが必要です。
何より“劇”の主役は子ども自身なのだから親の本当の役割は名脇役兼監督なの
でしょう。いつも「自分が何でもやらなければ」と肩に力を入れて表舞台に立ち続
けるのではなく、子どもと子どもを取り巻く環境や周囲の人々との関係を調整したり、
役者それぞれが活き活きと演じられるように舞台の袖で見守るのも大切なことです。
また監督だからといって自分の思いばかりを押し通してはいけないのもそうでしょ
う。子育てはみんなでするものですから、相談し合って、お願いしあって、
協力し合っていくことを忘れてはいけません。
さあ幕は上がったばかりです。どのような劇でも最後はハッピーエンドになること
を願っています。
◇◆子育てに難しさをお感じのおやごさん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
◇◆「専門情報誌」アスペハート誌のご紹介
アスペハート誌は子育てに難しさを御感じの親御さんたちに、専門的で
先進的な知見をご紹介する専門情報誌です。発達支援に関わる多くの最新情報を
掲載しています。詳細に尽きましては、当会ホームページにてご覧ください。
http://www.as-japan.jp/j/heart/heart.html
◇◆「楽しい子育て応援団」へのご意見、ご感想をお待ちしています。
heart@as-japan.jp
****************
NPO法人アスペ・エルデの会
「楽しい子育て応援団」
http://www.as-japan.jp/
****************