2007.09.01
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    NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」です

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 まっくろに日焼けした子ども達。なんだかひと回り、逞しくなったように
感じます。
 今年はどんな体験ができたかな?いろんな経験を積み重ねて素敵な大人に
成長してほしいな?。
 さて、今月はアスペ・エルデの会で製作、HPにて通常販売しています情報誌が
期間限定で大手書店にてお買い求めいただける情報などお知らせしています。
 このチャンスを是非お見逃しなく!!
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    堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第16回
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◇◆反抗期か?
                        

「天使のカイちゃん」こと、うちの次男がおかしい。
 まあ、おかしいっちゃ、2歳くらいから、ずっとおかしいわけですが、それは、
ラブリーなおかしさでありました。
 それが最近、困りモンのおかしさになってきました。
 彼の特徴として、言われるがまま、というのがあります。典型的な受動型ですね。
 それが、ここのところ、母親には、口答えする。兄貴とものの取り合いはする。
母と喧嘩する父を殴る。妹が泣くと、さらにいじめる。
 なんか変だ。
 変か?
 今、書いてて思ったんですが、これって、小さい子がよくやることじゃないか?
 もちろん、8歳児のレベルとしては幼すぎる。でも、DQ50弱のカイト心がまだ
幼児だと考えると、これって真っ当なことなのかも、と思えるわけです。遅れて来
た反抗期とでも言いましょうか。
 反抗期だったらいいな。
 不安定になってるんだったらたまりません。
 というのも、不安定になる要因があるからです。
 彼は学校が大好きで、いつも待ちきれないように登校します。兄と一緒に分団登
校です。母親としては、行きたがらなかったり、付き添わなきゃいけない状況にな
らないのはありがたい限りです。
 その一方で、家庭よりも学校のほうが安住できてるんじゃ、と思うのはこれまた、
母として複雑。親は忙しいし、きょうだいはうるさいし、学校でも、トラブルはあ
るものの、静かで広くて、先生は厳しいけど優しい。少なくとも、母親のように忙
しいからと八つ当たりもしなければ、父親のように忙しいからと放置もしない。
 夏休みは、とかく心が揺れる時期である可能性があります。
 そして、もう一つ、とても深刻な問題があります。
 彼は、壮絶なまでの、おじいちゃん子です。義父は、早くになくなり、私もお会
いすることがかなわなかったので、ここでいうのは私の父です。休みには、なにか
とおじいちゃんちに行くことが、彼のこのうえない、楽しみでした。そばにいるだ
けで良いみたいです。何かを、おじいちゃんとすることが、彼の安定であり、幸福で
した。
 父が入院し、母がずっとつきそっている状態で、休みなのに、おじいちゃんと遊
べない。お見舞いに行っても寝てるだけ。
 お見舞いの帰りに言う、「カクオウザン(自宅のこと)へは行かないよ」「おじい
ちゃんち、帰らない」が何を意味するか、考えるだけで切ないわけで。それって、
どこにも行き場が無いってことじゃん。 
 彼が行きたいのは、おじいちゃんのいる、おじいちゃんのうち、なんだよね。そ
こは、今、どこにもない。
 そして、来るべきときが来たら、彼はどうするのでしょう。その現実を、どのよ
うに受け止めるんでしょう。
 我が家の問題は、ここで(ここでも、というべきか)夫婦の考え方が違うという
ことです。実際に心が揺れているのは、カイトよりも私のほうで、そこはやっぱり
夫に受け止めて欲しい。ですが、おとうさんは私が辛いときに、私の望む反応をし
てくれたことが、ほとんどありません。むしろ、こちらを傷つけるようなことをい
う。だから、私は自分の夫に、ほとんど相談や打ち明け話をしません。傷つくだけ
だから。これではいかんと思って、正直な話をすると、傷つけられて、やっぱり言
うんじゃなかった、となる。私と夫の話が上手く続くのは、私が無理して夫の好き
そうな話題を振るときだけです。
 きずつくのがいやだから、父の病状についても、長いこと、話しませんでした。
でも、そろそろ話しとかないとなあ、と思って言ってみたところ、返事は「じゃ、
年越せないね」でした。
 多分、私が心を痛めているカイトの問題についても、「そんなことないよ。別に、
いなくなっても大丈夫なんじゃない」というに違いない。それじゃ、話にならん。
 てなわけで、今日も一人で悩んでおります。
 新学期、担任の先生と毎日会えるようになったら、何か良くなるかしらね。

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   小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第16回
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 夏休みも終わり子ども達が園や学校に行くようになると、“祭りの後の静けさ”の
ように、ちょっと寂しく感じる方もみえることでしょう。あるいは“台風一過”のよ
うにほっと一息つかれているでしょうか。
 いずれにしても子どもが元気でいてくれることは親にとって幸せなことです。朝起
きてご飯を食べて、「行ってきます。」と家を出る。そして「ただいま。」と言って
元気に帰り、夜はぐっすり眠る。こういうことは子どもとして当前のことかもしれま
せんが、その“当前のことを当たり前のようにやっている”ことの大事さを、私達は
忘れてはいけないように思います。
 子育て論の中には「子どもは誉めて育てる」という言葉があります。しかしその一
方で、「子どもを誉めようと思っても誉めるところが見つからない。」と嘆く親御
さんがおみえになります。
 しかし誉めるところは何もすごいことをしないといけないのではなく、日常のあり
ふれた“当たり前”のところにもたくさんあるのではないでしょうか。
 それに子どもの誉めるところはそれが見つかるのをただ待っているのではなく、
条件を整えるなどして、こちらから誉めてあげられるようにしていくものだと思い
ます。そしてそれが“育てる”ということなのではないでしょうか。
 ある先人の言葉が浮かびます。
「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、誉めてやらねば人は動かじ」
 今年も後半に入ります。子育て、がんばりましょうね。

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