2007.05.01
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  NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」からのお知らせ

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新緑が目にまぶしい季節をむかえました。
気を張っていた新生活にもそろそろ慣れて、すこし疲れが出てくる頃ですね。
「子育てが、うまくいかないなあ?」と思っていらっしゃるおかあさんなら、
なおさらです。そんな時は、堀田あけみ先生や宮地泰士先生の「子育て応援
エッセイ」を読んでみてください。きっと「楽しい子育て」のヒントがみつか
りますよ!

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    堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第13回
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◇◆新しい日々
 
 新学期が始まりました。子どもが3人いれば三様の、新生活が始まります。そ
れにあわせて、自由業といえども、親の生活も変わります。まあ、私は自由業と
いっても、大学で教えてりゃ、新学期にあわせて生活せざるを得ませんがね。そ
れができるかどうかが、真人間かどうかの境目でしょう。おとうさんは、写真学
校の講師やったことありますが、半年でやめました。毎週、同じ曜日の同じ時間
に同じ場所に行かなきゃならんのが、彼にはとんでもない苦行だったらしいっす。
仕事が全然はかどらんと言ってましたわ。
 その新生活も、大きく変わるときと、そうでないときがある。我が家では、2
年前は、それほど悩まなくて済みました。3人全員が、前年度と同じ環境だった
から。長男は、一年生から二年生へ。次男は、年中から年長へ。長女は、同じ共
同保育所。
 これは、子どもが大きくなったから楽になるってもんではないんですね。今年
は、大変です。長女が保育園から幼稚園に変わったもので。保育時間が短くなる
のは想定済みですが、延長保育でどうにかなる。それが、年少だけは開始が遅れ
るから、困るんです。それも、今年は例年より1ヶ月も開始が遅れるときた。
 えー、対応策はまだ考えてないです。連休明けから始めるつもりで仕事入れち
ゃったし。 
 新しい日々が始まって、いきいきする人もいれば、立ち止まってしまう人もい
ます。
 まあ、次男の環境に変化はありません。学区内に、養護学級の対象になる新一
年生はいたんですが、いろいろ事情があって、他の学校に行かれました。同じ3
人のメンバーで、4月9日生まれの彼は、新学期に入って、「2年生です」「8歳
です」の言い方を習ったくらいの、小さな変化です。
 長男は、通級にお願いするくらいのちょっと厄介な健常児ですが、新しいクラ
スが気に入っています。よかった。周囲の人間関係が、良いか悪いかで大違いの
子なので。
 長女は、前に書いたとおり、保育園から幼稚園に変わりました。泣くことはな
いものの、戸惑って、まだ先生にも心を開いていないようです。今までの保育園
は、2歳児クラスまでなので、クラスメート全員が新しい保育園で、泣いたり脱
走したりしてるそうです。
 子どもも大変だし、もしかしたら、親はもっと大変です。今までの園が、本当
に、働くお母さんのことを考えて、ありとあらゆる配慮をしてくれたところなの
で、どこへ行っても不満が出る。0歳から預けて、いつも夕食後のお迎えだった
ので、夕食作りが初めてだというお母さんもいました。私は、5年間、お兄ちゃ
ん達を送り迎えした古巣に戻ったわけですから、こういうもんだで済ませていま
すが、毎日、交換日記のように濃密な保育ノートをやり取りしていたお母さん達
からすると、園での様子がほとんどわからないというのは、とっても不安なこと
なのです。3歳児クラスともなると、人数も増えるし、保育ノートは無くて、保
育室前のホワイトボードで済まされるか、あっても一言なんですね。
 うーん、そういうものですよ、私はノート書かなくなったら、仕事がひとつ減
って楽になりましたがね、などと言ってみる。
 実は、予想外に気が抜けて、困惑しています。
 彼女が保育園に通っている間、保育ノートを読むのは私の一日の癒しの時間で
した。おとうさんがお迎えに行くと、ノート忘れるんですよね、だから駄目じゃ
んていつも怒ってました。あれが、どれだけ大切か、おとうさん、わかってない
って。力入れて書いちゃうから、時間かかって一仕事、なんですよね。
 そして、娘がなにか面白いことを言ったりしたりすると、これを担任の先生に
知らせる手段がないのが、無性に寂しくなります。担任の先生のこと、好きだか
らこそ、知らせたいのにね。
 あれこれ言いつつ、きっと、新しい日々は、着実に日常になっていきます。そ
してまた、この時間と別れる頃には、切なくなるんでしょうね。
 なんて言ってるうちに、長男が声変わりしやがった。9歳なのに。
 予想外の早さに、あの甲高い声をもっとしっかり聞いておくんだったと思いつ
つ、もう、以前の声を思い出せなくなっている母がいます。  


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  小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第13回
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 桜の季節は過ぎ去りましたが、この時期には桜に続いて様々な花が咲き乱れ色
鮮やかになりますね。
 花といえば今年1月に文部科学省から発表された「親子で歌いつごう日本の歌百
選」のひとつに「世界にひとつだけの花」という歌があります。ご存知の方も多い
ことでしょう。
 何かと評価がつきまとい常に周囲と競争しているような現代社会においてこの
歌は、「各々がそれぞれの色形で美しく咲き誇っている花のように、人も自分らし
さを大切にして自分らしく生きることに一生懸命になればいい。僕達は一人ひとり
に個性があるのだから、ナンバー1になることよりも、もともと特別なオンリー1
であることに自信を持てばいい。」と、聞く人を応援しているように思います。
 そしてこの歌が「親子で歌いつごう日本の歌百選」に選ばれたのは、親子の気持ち
のあり方の理想像が歌の中に表れているからではないでしょうか。
 評価や競争は適度なものであればむしろ発展や向上の原動力になりますし、社会
に出れば避けられないものでしょう。もちろんナンバー1になることはいいことで
すが、外でも家の中でも評価や競争を迫られたらその人は疲労困憊してしまうこと
でしょう。
 自分自身をありのままに受け止めてくれる居場所があるからこそ人は社会でがんば
れるものですから、せめて家庭の中では、サイズも色も形も一人ひとり違うその子ら
しさを大切にして、その子らしく輝けるように応援してあげたいですね。

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