2007.04.01
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NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」からのお知らせ
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桜もほころび、春本番です。
別れと出会いをくりかえし、こどもたちは心も身体も成長します。
今回のエッセイは、堀田先生のテーマ「性教育」、宮地先生の応援メッ
セージをお楽しみください。
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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第12回
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◇◆そんなお年頃
お蔭様で、拙著「発達障害だって大丈夫」(河出書房新社)は、ご好評いただいて
おります。一安心。
しかし、そこにはカットされた部分もあって。
「性教育」の部分が、土壇場で削除になりました。生々しすぎるという理由で。
そこで、今回、この場で性教育は駄目ですかね、テーマとして、とお伺いを立てた
らOKが出ましたので。
何故、性教育について考えてしまったかというと、長男はそんなお年頃らしいので
す。ベネッセの「チャレンジ3年生」の親向け付録に書いてありました。そんなに深
いのではなくて、例として男の子に月経について聞かれたら、「そういうこともある」
とさらっと流せとかいう話です。
私の驚きは、いまどき月経知らん男の子は少数派だったりせんか、というもので
す。私達が子どもの頃には、子どもは母親とお風呂に入るとは限らないというか、む
しろ、家事で忙しい母親はしまい風呂にそそくさとひとりで入り、子どもは父親や祖
父母、きょうだいと早めに入るというものではなかったかと思うのです。それが、
今はマンションで核家族、おとうさん帰り遅い、が多数派で、お風呂も毎日入りま
す。私、そんなに古い人間ってほどでもないと思うんですけど、田舎育ちなうえに、
かなり貧乏だったらしくて、記憶がすごく古臭くて、6歳まで、薪でたいた風呂に入
ってたんですよね。当然、父が薪割ってました。うちは、毎日だったけど、そういう
わけで毎日は風呂炊かなかった家もあったはずです。
そんな状況だと、子どもとお風呂に入るのは、毎日おかあさん、生理になってもお
かあさん。で、子どもは経血を見て育つわけです。(ちなみに、ひっかかったのはこ
の部分らしい)
訊かれたら、仕方が無いので説明します。
これは、子どもを生める女の人なら、毎月ある現象で、病気じゃないから安心しな
さいと。
そこで、もう一人弟の欲しい長男に、うちに子どもはもう来ないんだ諦めなさいと
言っても、スーパーで生理用品買うの見て、「子ども、まだ生めんじゃん」と突っ込
まれ。流石に、そろそろ一緒にお風呂に入ることはないので。ちなみに、入らないよ
うにしているのは私。あちらは、まだ一緒に入りたがります。
3歳の娘は、ときどきトイレで「血ぃ出てるかなー」と、下半身を覗き込んでいます。
主人は、こういうのはよくないと思う人なので、内緒。子どもにいうことじゃな
いってね。でも、他にどう説明しろと?実際に、血を見てるわけですから。
生理は、まだいい。その先の性教育が難しい。
以前、近所の奥さんにこんな話を聞きました。6年生のお姉ちゃんが、なんか、お
ませでちょっと危険な感じの友達作ったなーと思っていたら、2年生の妹のほうが
「セックスって何?」って訊いてきたそうです。お姉ちゃんたちが、そういう話して
たって。で、お母さんは答えたそうです。「交尾よ」。娘も「交尾かー」と納得したとか。
うちの長男も、受精に関する知識はあります。2年生の学習発表会での第一声
が、「これは精子です」だったから、保護者全員、椅子から落ちそうになりました。
そして、「これは卵子です」「二つがであって生命が始まります」と続きます。
でも、どうしたら、精子と卵子が出会えるかは、知らんだろうなあ。
どうも、性に関することだと、大人が構えてしまうんですね。長女がおなかにいた
とき、当時年中だった長男を送り届けた幼稚園で、「赤ちゃんて、どっから出てく
るの?」と訊かれました。周囲はすごく緊張したそうです。私は、「ちゃんと出てく
る穴がある」って言いましたけど。「どこにあんの?」「おしっこの穴と、うんこ
の穴のあいだ」。長男は、そりゃあ驚きましたわ。「間違えてうんこの穴から出てき
たら、赤ちゃん、大変じゃん」。絶対に間違えないように出来てると、強調しておき
ました。で、「あ、ああいう言い方すりゃいいんじゃん。そのまんま、普通に言えば
いいんだ。恥ずかしがったり、そういうことは言うなといったり、聞こえないふりす
るから、ややこしいんだ」と思ったと、言われたんですが。
問題は、そう単純じゃないと思うんですね。まず、そういうこといえるキャラクタ
ーが必要です。真面目すぎたり、2枚目路線の人だと、どうも言いにくいし、聞いて
る方が恥ずかしくなる。そして、「あ、そーか」と単純に受け止めてくれる子どもも
必要です。女の子だったりすると、難しいだろうなあ。
でも、構えないで言うって、大事だと思います。隠すのもよくないし、逆に、隠す
ことじゃないから堂々としすぎるのも、周囲がひきます。あ、寒いって感じで。それ
って、構えてることの裏返しだしね。
長男と長女は、言えばわかってくれる子だけど、さて、次男はどうしましょう。知
識は与えなくても体は育っていきます。もともと、母親にべったり(文字通り、から
だに密着する)の子ですが、最近、べったりする方法が変わってきた気がします。耳
を舐めたりとか、なんだそりゃ。ふざけてるのか、目覚めてるのか、すごく気にな
る。考えすぎかな。彼の、ヰタ・セクスアリスについては、(長男もだけど)おとう
さんにしっかり働いてもらわねばと思います。以前は、どーんと来いって感じだった
けど、どうも最近怪しいです。できるだけ、子育ての面倒なことは女にやって欲しい
って感じだ。多分、子育てに飽きたんだと思います。飽きっぽい人だから。次男がお
しっこするときのちんちんの持ち方が下手だから、つまり、周囲を汚しちゃうから、
指導を求めても、乗り気になってくれません。君がやればとか、僕は忙しいとか。私
も忙しいんですけど。更に、ちんちんついてないから、持ち方わかんないんですけど。
でも、こればっかりはね、女の私にはわかりませんよ。折角、いるんだから、ひと
つがんばっていただきたいものです。
難しい問題ですが、大きなポイントは、家族間の風通しでしょう。親と子どもが、
ちゃんと話し合える雰囲気を作っておく。要は、質問されたとき、動揺を見せない、
隠さない。そんなこというななんて、叱りつけたら、もう相談してもらえません。
そんなこと、親に訊くもんじゃないと言う意見もあるのですが、それは発想が古いと
思います。限られた情報しかなかった時代には、友達から、先輩からきくもんさ、で
すみましたが、クリック一つでどんな情報でも手に入る環境があれば、親がしっかり
と見解を示しておく必要があるのです。
そして、夫婦間でも、きちんと話し合える雰囲気を保つ努力が必要でしょう。
実は、子どもとの関係より、こっちの方が難しかったりすると、実感する日々です。
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第12回
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4月は物事の始まりの月です。入学式や始業式など、新たなスタートに期待で胸膨ら
ませている方や、不安と緊張でドキドキしている方もみえることでしょう。
また4月は出会いの時期でもあります。先生と生徒、先輩と後輩、新しいクラスメ
ートなど、新たな出会いがあちらこちらでみられます。
かの有名な相田みつをさんの作品の中にこんな言葉があります。
“ひとの世の幸不幸は人と人とが逢うことからはじまる よき出逢いを“
人生において、人との出会いは様々な転機をもたらす重要なポイントです。
しかしその出会いが良いものになるためには、自分自身の気持ちの持ち方も大切で
しょう。友達は最初から友達なのではなく、よい付き合いの過程で友達になっていく
ものです。
自分のことを分かってもらおうという気持ちだけでなく、まず相手のことをよく知ろ
うという気持ちがなければコミュニケーションは成立しませんし、好意は好意を呼び
敵意は敵意を呼び込むものですから、「せっかくめぐり合った偶然をお互いにとって
有意義な、良い出会いにしていこう。」という気持ちが大切ですね。
親子の関係も、お互いの気持ちの持ち方やコミュニケーションで段々作り上げてい
くものですよね。
親となり子となった皆様各々の出会いが“よき出逢い”になっていくことを、これ
からも願い応援していきたいと思います。
◇◆子育てに難しさをお感じの親御さん、専門家のみなさんを対象に、
全国的に発達支援に関するセミナーを開催しています。
詳細に尽きましては、順次、当会ホームページにてお知らせ致します。
http://www.as-japan.jp/j/index.html
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アスペハート誌は子育てに難しさをお感じの親御さんたちに、専門的で
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