2006.07.01
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 NPO法人アスペ・エルデの会「楽しい子育て応援団」からのお知らせ

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堀田あけみ先生の「子育て応援エッセイ」 第3回
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◆◇最後のキーワード「いつの間にか」
                           
さて、3つめのキーワードです。それは、「いつの間にか」。
 子育ての悩みは、いつの間にかどうにかなっていることが多いものです。
 先月に引き続き、長男が生まれた頃の話をします。だって、初めての子どもが
赤ちゃんのときって、ほんとに悩みが多いもの。
 私は、夫が買ってきた育児雑誌を毎日見て、「いつになったら」ばかりを、考え
ていました。解放されたいことが、一杯あったから。
 授乳感覚が一時間長くなったら、どれだけ楽になるかしら。
 夜におっぱい飲まなくなるのって、いつ。
 首がすわったら、もっと気楽にだっこできるよね。
 一人でも、遊べるのってどれくらいから。
 毎日、同じ本を見て考える。この子は昨日より、一日分しか成長していない。
だから無駄なのです。だけど、見てる。
 2年ほどして、トイレットトレーニングの季節がやってきました。なかなかう
まく行きません。特に夕食後は、30分おきくらいにしゃーしゃー出る。ちょっ
と油断すると洪水だ、これが。毎日、5・6枚のパンツを洗いながら、ほんとに
この子は一人でおしっこできるのかと思いました。
 なのに、気がつくと、紙おむつは全然減らなくなりました。お出かけのときも、
お休みのときも、気がつくと、彼は失敗しなくなっていました。
 ある時期、お出かけのとき、私のかばんは、二人分のサイズの異なるオムツと
お着替えと、おしりふきと、汚れ物入れの袋で、ぱんぱんに膨らんでいました。
でも、気がつくと、二人の中間の大きさで、どちらにも着せられるお着替えが一
組だけになっていて、それも無しで出歩くようになりました。
 ま、そんなときに、公園で池に落ちたりするもんですけどね。そのときの、4
歳の長男が涙ながらに叫んだ「お池のばかやろー」は、母の中で名台詞として認
定されています。
 お気づきでしょうか。次男ですら、いつの間にか、オムツを卒業していたので
すよ。彼の障害は、ほとんどが聴覚言語が理解できないところに起因しています。
私の見る限りでは。何をどう教えたら、トイレでおしっこすることを理解してく
れるでしょうか。見当がつかないまま、トイレに導いて、案の定、泣いて拒まれ
ました。
 でも、いつの間にか、できていた。
 そして、彼の場合、できてしまえばこっちのものでもある。というのは、発達
障害の子にはありがちなのですが、こだわりがつよく、「これはこうあるべきだ」
と思うとそれは絶対なので、トイレ以外のところでおもらしをしないのです。そ
のかわり、トイレに連れて行ったとき、「どこにこんな」という長しょんべんを見
せられることもあります。
 次男の障害を知った5歳の長男が引きこもり状態になったときにも、毎日、ど
うしたらいいんだろうと頭を抱えていたのに、いつの間にか、普通に友達と遊び
まわる子どもになっていました。
 そして、二人め以降には、あんまり急いで大人にならないでね、と言っている
私がいます。もっと子育てを楽しみたいから。でも、末っ子はおしゃまさんで、
もういっぱしの女の顔をすることがある。ことばも、トイレも、みんな平均より
ずっと早い。
 だから、一番親孝行なのは、次男なのかもしれません。いつまでも、可愛い。
 ま、いつの間にか解決した問題の後には、別の問題がついてくるもんですけど
ね。いつまでたっても。親でいるってのは、そういうことですから。
 
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小児科医 宮地泰士せんせいの「子育て応援エッセイ」 第3回
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暑くなりましたね。
この時期になると、「赤ちゃんは暑い方が良いらしいから、室温は○℃以上!」とがんば
って、結局家族中疲れきってしまったという方がいたのを思い出します。
最近は情報化社会のせいか、子育てに関する数値が変に氾濫しているように思えます。
室温、体温、体重、ミルクの量などなど・・・。
確かに健康のための目安はありますが、数値ばかりにとらわれ過ぎると、一番大事な子
ども自身を見なくなってしまうことが心配です。
数値だけでなくその子の顔色、表情、肌の触り心地、元気さなどをよく見、よく感じ取
ってあげましょうね。そうして最適と思われる環境の目安を模索していくことが、その子
と真に交流することなのだと思います。
7月といえば、学齢の子達は終業式に成績表をもらってきますね。
成績表の数値だけに目を奪われず、登校し、勉強し、たくさんの人とつきあってきた子
ども達にまず、「がんばったね。お疲れ様。」と言ってあげたいですね。
成績表といえば、親も自分自身に子育て成績表をつけてみてはいかがでしょうか。
子育てっていろいろ大変なわりには成果がわかりにくいこともあるけれど、きっとみなさ
んはこの上半期、いろいろなことをがんばってきたはずです。だからそんな自分自身を「お
疲れ様。」と褒めてあげましょう。
親も子どもも、まずは「がんばりましたね。お疲れ様。」です。
一息いれて、またがんばりましょう。

◆◇こどもは夏に成長するとよく言われます。蒸し暑いのはちょっと気が重いけれど、
夏ならではの楽しい遊びも盛り沢山!「夏」って、遊びながら学べちゃうちょっとお得な
季節なんじゃないかな!?新しい体験にわくわくな夏にしませんか!



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