2024.12.10
 あっという間に今年も残り少なくなりました。どうしても年末年始は慌ただしくなりますが、以前を思えば静かなものです。子ども達へのクリスマスプレゼントは、成人と同時に終了です。但し、特別に欲しいものがあればリクエストして、とは伝えてあります。今のところ、ありませんね、リクエストは。次男には、まだクリスマスプレゼントの概念は生きているようですが、
「お母さん、サンタさんに『スーパーマリオ パーティージャンボリー』もらっていいですか?」
 という問いかけに、
「いいですよ」
 と答えた後は、
「お兄ちゃんに頼みます」
 なんだそりゃ。
 確認したところ、ここ数年、ゲームは専らダウンロード版を使っているけれど、次男本人にはダウンロードするのは難しいし、トラブルの対処もできない。だから、店頭でそれ用のシリアルナンバーを購入したら兄が行う。そして、当のナンバーが記されたカードを買うのは本人、ということなので、サンタさん、関係ないな、こりゃ。自分へのクリスマスプレゼントってことで良いのか。
 クリスマスの夜も、必要な食事が5人分から3人分に一気に減ったので、まあ、チキンとオードブルの盛り合わせ(小)でも買えば良いかしら、になっています。今年はシャンメリーも要りませんね。留学中の娘の好物ですが、大の男となった息子二人は、未だ炭酸飲めないので。
 年末年始も毎年、群馬にある夫の生家を訪れていた頃は、準備も実際の移動も、そりゃ大変でした。片道8時間、一番混雑する時期の高速道路、子ども3人です。そしてその前後に、せっかく関東に行くんだからと、ディズニーランドや横浜、秋葉原等に立ち寄っていたので、ホテルの手配もありました。これを言い出すのはいつも夫で、「子ども達が喜ぶから」を理由にしていましたが、彼は彼なりに生家で良い息子を演じるのに疲れていたのではと思います。私の実家に顔を出すのは‥松の内過ぎてからですね。
 今は、実家まで地下鉄とバスで小一時間、静かな移動です。冷蔵庫を空にして行くので、大晦日の朝は栄でモーニングを食べてから、デパートが開くのを待って、年越しそば用の天ぷらとお年賀を買ってバスに乗ります。正月だからと言って、特に何もしなかった夫の生家でしたが、私の実家ではあちこちに花を活け(花屋なので、かなり豪華なものになります)、床の間の掛け軸を「松に鶴」に掛け替え、鏡餅を備え、しめ飾りを玄関に、お重におせちを準備して、初釜をたてる、と一通りのことはしますので、子ども達が初めて経験したときには、随分新鮮だったようです。初詣も、以前は成人の日の連休あたりに友達と行くものだと思っていた節があります。
 時代の流れと共に変わる部分もありますが、家族の形がそれぞれの家族なりの変化を遂げて、生活様式もそれに合わせて変わっていきます。そして自由度も上がっています。何々をしなければいけない、から解放されてもいるので、そこは上手く利用して、その時々の家族の形に合わせた行事で楽しみましょう。そう、しなければいけないのたった一つの解は「家族が楽しまなければ」です。
 留学中の娘は、帰国を12月末か1月末か選べたので悩んでいました。年末年始は家族と過ごしたいから、という理由です。口に出しては言わないけれど、今は矍鑠としている私の母も米寿なので、来年の保証は無いと思っていても不思議ではありません。私も早く帰ってきて欲しいけれど、ここは心を鬼にして、1月末を勧めました。学生のうちにヨーロッパで新年を迎えるなんて、今でなければできない、一生に一度のチャンスです。結局、取りたい授業を全て履修してから1月末に帰国することになりました。12月には本場のクリスマスマーケットと、彼女が今住む街に伝わる「チョコレート祭り」を満喫する予定です。
 慌ただしい日々も過ぎてしまえば美しい。とはいうものの、慌ただしい中では未来なんてどうでもいい、まじで。というのが事実です。でも誠実に子育てに向き合った末に、意外なサンタさんがやってくるかもしれませんよ。
 昨年のクリスマス、私は子ども達3人から合同でプレゼントをもらいました。素敵な財布。夏あたりから、新しい財布が欲しいけど、なかなかいいのがなくて、と言っていました。
「3人ともお金稼げるようになったから」
 とのことでした。夫の仏前にお供えしました。
 もう少し生きてたら、お父さんももらえたのにね。それともスルーされてたかな。



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