2020.10.10
 感染者は減っていない。
 愛知県で、一日のコロナの新規感染者が3桁行ってた頃に較べたら減ってますよ。でも、学校には行けないわ、店も映画館も美術館もしまっとるわ、なのに毎日家族全員に3食作っとったらスーパーには毎日行かにゃならんわ、という日々でさえ、もっと感染者は少なかったんじゃなかったんでしょうか。買い物に行く回数を減らしましょうって、一度に沢山買えってことだろうが、我が家の三日分以上の食材買ったら肩が抜けるわ、と思ったものです。それに引き換え、今ですよ。我が家の日常はオンライン授業以外、ほとんど不自由なく回っております。
 先日、久し振りに、ほーんとにひっさしぶりに、大学に「仕事で」行きました。自分の研究室に行くのは出勤には違いないんですが、家でもできることをしに行くとか、資料取りに行くとかではなく、「何時に何処どこ集合で、この仕事な」というのは、入試以来かと。
 あ、違った4月の教授会以来だった。
 オンライン開催のはずが、直前で対面開催になるという、誰もが心の底で、「誰だよ、パソコンつなげなかった奴」と思っていたであろう、あれ以来です。多分、「誰だよ」の候補には私も入っているだろうから、私じゃないと言っときたいんだけど、いきなり「Meet使えないの、私じゃないんで」と言う訳にも行かず、
「あ、紙の資料ですか? いりませーん、私、ダウンロードしたのでー」
 ことさらでかい声で主張していました。
 Web上の会議室にうまく入れなくて、謎の一人会議に悶々としたのが、遠い昔のようで、今はずっとそうしていたかのように、MeetもZoomも使いこなしています。
 でも、オンラインでほとんどの用が済んで、行事も縮小されていると、季節感てこんなになくなるもんなんだ、との実感もあります。日本で暮らしているんだから、季節の風物は味わいたいのに。前回、わざわざかき氷を食べに外出したと書いたと思いますが、このかき氷、今年1回しか食べてませんよ。そもそも外出しないから。
「暑いね、ちょっと氷でも食べて行こうか」
 ってならないから。
 でもって、秋も気がついたらお彼岸過ぎて、急に涼しくなりました。
 感染者の多い時期が、見事に高校生の短い夏休みを直撃したので、夏休みとは言え、どこにもいけませんでした。でも、今は遠くには行かないまでも、不要不急のお出かけだってちょっとはしちゃいます。
 子ども達が小さかったら、秋にはどこに行きたかったかなあ。学校や地域の行事以外で、しておくべきことって。どんぐりは拾いたい。拾ってどうすんのか知らんが、拾いたい。当時、拾ってきた中の幾つかは、狭い狭いマンションの庭で既に立派な樹木になって、この秋、初めてのどんぐりを一杯降らせてくれました。
 うん、山だ。キャンプに行きたい。夏じゃなくて。寒いくらいの、朝起きたら昨日より、紅葉が濃くなっているくらいの季節に、焚き火がしたい。外なら、多少騒いでも暴れても大丈夫。
 でも、うちの子ども達は、もう大きくて。
「おかーさん、秋用の服が欲しいよ。そろそろ買いに行こうよ」
「テスト終わったら、行こうか」
「うん、それで、スタバかどっかでお茶したい」
「どっか、でいいの?」
「スタバがいいです」
 スターバックスコーヒーの、季節毎の限定ドリンクを飲みに行くのが、令和の風物詩だったりします。春恒例の桜は、今一つなんですが、今年の苺は絶品だったとか。私は飲めなかったけど、娘は学校帰りに友達と。学校の近くにあるんです。
 じゃあ、秋のもそうしたら、と言いたいところだけど、好きなときに好きなだけ、スタバに寄れるだけのお小遣いは渡していないので。
「じゃ、今度お母さんと一緒に、秋のメニューあるうちに行こうか」
「うん、あの栗のやつが、なくなる前に」
「僕は、一人で養老公園に行きます」
「お前は誘ってねえよ」
 さて、誰がどの台詞を言ったかは、この連載に馴染んでおられる方なら、おわかりかと。
 次男が何故、養老公園に一人で行くのか。
 知的障害を伴う自閉スペクトラムを巡る、様々なトピックを含むテーマですので、次回から何回かに分けて、お話ししますね。


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