2020.08.10
学年を跨いだ休学期間の補填として、夏休みが短縮されます。子ども達の嘆きは深くて大きい。あんだけ休んどいて何言ってんだ。
「でも、高2の夏休みが楽しめないって酷くない?」
とは長女の言い分。それには同意する。だって、高校に慣れて、お洒落もそこそこ様になって、まだ受験生じゃないのが高2。私自身が一年間、何をやっても楽しかったよ。まあ、その最中に作家デビューしたわけですが。それなのに、今年ときたら。
大好きな地元の夏祭りは屋台と盆踊り中止。じゃ、何やってるのかというと、厄除・茅の輪くぐりは例年3日間のところを、一ヶ月間くぐれるようにしてあるよ、やったね。
「友達誘ってくぐってきたら?」
「別にくぐりたないわ。てか、今までだって、友達と一緒に行ってお参りとかしとらんわ」
バチ当たるで。
友達だけでディズニー行く約束してたのに、ようやく開いたけど、チケット取るのは至難の技だし、そもそも現時点で首都圏に遊びに行くのは。敢えて言う。阿呆。
学校祭はオンライン開催。
「期末試験終わったら、クラス企画のアイディア出すんだけど、なんかない?」
「ピタゴラ装置とかは?」
「いいけど、うち文系だから、そっち弱いかなあ」
「坊主を並べた仕掛けは、ぜひ採用して欲しい。直立・膝立ち・正座・座禅・五体投地の高低差を使って」
修学旅行は北海道の予定が、広島・神戸へ。これは、JK的には美味しいのでは、というのが私達母娘の見解ですが、もしかしたら、これもなくなるかもしれません。
一番楽しいであろう年に、このような状況というのは気の毒だけれど、それは巡り合わせと諦めるしかありません。今年、就職活動している学生なんか、希望する会社が求人をやめたりしていますから。私の職場でいうと、航空と旅行が多いので、そのために勉強してきたのに、行き場をなくしてしまった人がたくさんいます。
それに較べたらなんぼかましだろうよ、とは思うものの、そもそも比べるべきものじゃないからなあ。
今、流行ってる曲って、年齢に言及しているもの、ありましたっけ。
今回のタイトルは、シンプルに一語ですが、歌のタイトルとも言えます。これで、ぴんと来る方は一定以上の年齢かと。更に、南沙織バージョンか森高千里バージョンかで、年代がわかります。私はもちろん前者です。
その他にも桜田淳子に「十七の夏」という曲があったり、岩崎宏美の「センチメンタル」という曲も「十七歳」の一言で終わったりしていました。何か特別な年齢感だったんですね。
そう言えば私自身、ある作品中で主人公に、高二の一学期の終業式、17歳の夏が始まる、と大はしゃぎさせていました。
子どもを育てるということは、同じ年頃の自分を思い出すことでもあって、つくづく私の娘なのだと思った次第。長男のときは、男子だから勝手が違うというだけでなく、鬱になってたから日々、学校にいけるかどうかが大問題で、それどころではありませんでした。でも、学校行事はちゃっかり楽しんでくれたので、親としては安心でしたなあ。
今は、なんでよりによって17歳の夏に、と恨み言を口にしますが、大人になったらわかります。
ディズニーランドに行かなくても、学校祭がなくても、コンビニの新作アイスひとつだって、17歳の夏に食べるのは特別なんだって。
あ、ついつい自分の基準で語ってしまいましたが、今回の主役はどう考えても長女ですよね。彼女は秋生まれなんで、まだ16歳でした。
お若い方はご存知ないと思いますが、私は17歳のときに「1980アイコ十六歳」という小説でデビューしています。映画やドラマになってますが、今や堀田あけみのではなく、映画の富田靖子さんや松下由樹さんのデビュー作としての方が有名かな。あ、佐藤二朗さんも。愛知県内でしたら、中学国語の副読本「国語便覧」に載っていますから、そちらでご存知かもしれません。
長女も「子」のつく名前なので、一年間いいネタとして使って来たとのことです。プレッシャーだとか、めんどくさい、という子でなくて良かった。それもそろそろ期限切れなので、心残りのないように使っておきたいそうです。
「国語便覧」については、彼女の中3のときの担任の先生が、国語担当だったにもかかわらず私に、
「随分といろいろなことをご存知で弁の立つお母さんですが、どのようなお仕事なんですか」
と訊かれたので、娘に愚痴ったことがあります。
「副読本とは言え、国語の教員なら一通り目を通しとけってこっちゃ」
娘がかなり酷い目に遭わされたし、いかにも無能な教員だったので、私には珍しく、非常に厳しい評価をしております。娘も、歴代の担任の中でぶっちぎりに嫌いな筈ですが、彼女はとてもクールで。
「普通、本人だとは思わんわ。似とる人だと思うわ。あと、30年前の写真出しといて、それは図々しいと思う」
なるほど。