2020.02.10
長女は、私立の仏教校に通っています。長男はプロテスタントの男子校でした。主人の妹は私と同業ですが、神道の大学に勤めているので、盆と正月は宗教戦争です。と、なるところが、義母が特別養護老人ホームに移ることになり、親族で集まることもなくなってしまいました。
次男は、当然公立。このところ、どこの自治体でも特別支援校の高等部に進学を希望する子どもを門前払いするようなことは、随分少なくなりましたが、名古屋市はかなり早くから希望者全入でした。
地方によっていろいろあるようですが、愛知県では公立の方が断然校風が自由です。入試の試験監督などすると、試験が終わって受験生が一斉に立ち上がるとき、公立の子ははっきりわかります。普段、併設校の膝丈スカートを見慣れているので、公立の子のスカートの短さにびっくりします。公立では、基本、携帯は休み時間であれば使い放題、お菓子も食べられます。長男の学校も、携帯を学校内では触らないことと、チャペルの中では飲食しないし服装を崩さないことを除けば、自由な校風でした。
ところが長女の学校は禁欲的で厳しい。入学してすぐ、永平寺に参禅に行くし、携帯は毎日先生に預けるし、お菓子は持ち込み禁止です。ちょっと先生の目を盗んじゃうことはありますが。長女に言わせると、
「JKから、スマホとお菓子取り上げたら、何も残らないじゃん」
勉強しろ。
ハロウィンの前には、担任の先生(非僧侶)から、
「うち、キリスト教じゃないから。ぜーったいに、お菓子持ってくんなよ」
と念を押されたそうです。でも、みんなが持ってくるからと持って行きました。ついでに数日後の「ポッキー・プリッツの日」にも持って行きました。英語の先生(僧侶。お坊さんと兼業の先生がとても多い学校なのです。長男の学校に、牧師さんは数人だったことを考えると、やっぱり日本は仏教国です)は、かぼちゃと黒猫の模様のネクタイを締めていらして、ラブリーだったとか。
マンガ「聖☆お兄さん」で、仏教国であるにも関わらず、仏教の行事が浸透しない日本に仏陀が悩む話がありましたが、お菓子と繋がる行事は強いように思います。クリスマスケーキにバレンタインチョコ、ハロウィンのお菓子。日本のお菓子は、宗教の行事ではなく、四季折々の風物詩としての役割が大きいですからね。
クリスマスもハロウィンも、みんなでお菓子、なので問題はないのですが、バレンタインはちょっと素通りできない。もらえる人ともらえない人に差がついてしまうから。子どもの頃の、お菓子がもらえないのは大問題だし、大きくなってからのもらえないは、本質的な問題。
我が家は、一斉に置く前に行くタイプの幼稚園(職場の附属なんですが)に通わせていたので、バレンタインデーの緊張感は幼稚園が一番高かったと思います。
全員に配る女子。
山のようにもらう男子。
逃げる男子を追い詰める女子。
恥ずかしがって渡せない娘を負け犬呼ばわりする母。
午後の園庭では、個性的なキャラが激突していました。
全員に配る女子がいたおかげで、うちの子達も寂しい思いはしないで済んでいたと思います。次男ですら、名指しでくれる子がいましたし。
本人達より、母にとって試練の行事だったかもしれません。
自分の息子が、手ぶらでいるって、自分のことより嫌だったりします。
でも、沢山もらっていた子は、お母さんが大変で、漏れがないように誰にもらったのか名前をチェックして、ホワイトデーに大きな紙袋でお返しのお菓子を持ってきていました。私は、小さな型でカップケーキを沢山作って、綺麗に包んで、そこそこの量をお返ししてました。
そんな幼児の時代が過ぎて、小学生になって以降は、なかなかもらえませんな。小学校には、お菓子を持ってきちゃ行けないので、周囲と比較して落ち込むことはありませんが、カレンダーボーイ(日付や曜日の記憶が飛び抜けて優れてるタイプ)の次男には、2月14日は美味しいチョコレートを食べる日としてインプットが済んでいます。ブラックサンダーレベルじゃ駄目なの。
こういうときは、奮発してきちんと美味しいものを贈ります。女子からじゃないと意味ないよとか、めんどくさいこと言わないのが彼のいいところだから。もちろん、三人兄妹みんなに、それぞれのプレゼントを贈ります。
ちゃんと意味はあるから。
欧米では、老若男女問わず大切な人にカードや花束、お菓子なんかをあげる日なんだそうです。
この間まで放映されていた「俺の話は長い」というドラマが、面白い上にいろいろとこちらの立場で考えさせられるものだったんですが、その中で、小池栄子演じる主人公のお姉さんが言った、バレンタインについてのセリフが大好きです。娘が学校に行かなくなって、それが男の子に振られたからではと言われて、
「私なんか、バレンタインデーにあげたチョコレート、目の前で地べたに叩きつけられたって、翌日ちゃんと学校行ったわよ」
多分、一生2月14日のたびに思い出しますな。
この時期、ロッテ・明治・森永のホームページに載ってる手作りお菓子のレシピは、とても優秀です。子どもとのコミュニケーションにもなるし、お試しくださいませ。