2019.05.10
ニュースによると、今年のゴールデンウィークが長いことを、歓迎しない人が4割に上るそうです。休める人ばかりでなし、というか、ここぞとばかりに忙しくなる人もいるわけで、そういう人に子どもがいた場合、学校が休みだからとシンプルに喜んでいられるわけもなく、そもそも保育園は通常運転なのかとか、気になることは多々あります。我が家の次男も、社員証も持ってるし、給料から健康保険や年金の天引きもあるんですが、時給なので、五月は随分、手取りが減る予定。有給休暇の制度も、そもそも会社がやっていないんじゃ、適用されませんもんね。
学校に通う当事者達は、素直に喜んでくれそうですが、実はこれ、結構厄介な問題のタネになる可能性があります。
新学年に慣れたところで大型連休があると、リフレッシュできる人もいれば、振り出しに戻っちゃう人もいるのです。後者の、連休がハードルになるタイプにとっては、より高いハードルが立ちはだかることになります。
ここは、ハードルが高いことを前提にして、備えるのが一番の対策です
新しい環境に入った子ども達は、かなりの頻度で「そんなこと言わなきゃわかんないの」ということをしでかします。
ここで、肝に銘じましょう。言わなきゃわかんないですよ。
大人の思う常識を、子どもはそうそう持っていないのです。経験値が圧倒的に不足しているので。
知らなくても考えて欲しいところでもありますが、子どもの思考力だって、まだまだです。
標準的な子より、いろいろ難しいことの多いタイプの子なら、なおさら、環境に慣れにくく、連休で忘れちゃいやすく、こちらの常識にはまってくれないものです。

そして、いちいち言うにも、コツが要ります。
まず、一度に一つにしてください。いろいろ言いたくても、まずは、一つ。それも、ちゃんと理解できているか、確認してくださいね。
そして、次の指示は少し時間をおいてから伝えましょう。
もしかしたら、最初の指示が曲解されているかもしれませんが、そのときも、修正版を出すのはちょっと間をおいてからにしてください。

実例を挙げてみす。
 我が家の長男は、診断は出ていませんが、ADDっぽいと思います。
小学校に入ったとき、帰宅するとランドセルを玄関に置きっ放しにしていました。
「ランドセルは部屋まで持って行こうよ」
我が家はとても狭いマンションです。子ども部屋も完全な個室ではなく、むしろ、「子どものためのスペース」とでも言うべき場所です。
素直が取り柄で、反抗したりはしません。「はあい」と持っていきます。
子ども部屋の敷居ぎりぎりまで。
そうじゃないよね。部屋に持ってけって。机の上に持ってこうよね、うん。あ、学習机じゃなくて、親父の作業机と兼用でごめんね。なんなら最初から、「机に載せろ」って言わなかったおかあさんが悪かったかな。
これは、彼なりに言われたことを遂行しています。だから、まず褒める。「でも、そうじゃないんだよねー」と言うのはちょっと待つ。
待ってたら連休きて元の木阿弥。
無事に机の上に行くのは、五月の半ばくらいですよ。

この手の子には、なかなか常識も根付かないのかしら。
いえいえ、常識とは経験によるものですから、経験が少ないだけでなく、その質も変わっている今の子たちに、私達の世代の常識は意外なほど通用しません。こちらも、お互い様として譲り合いましょう。

 我が家では、一番の常識家であり、セルフコントロールもしっかりできる、末っ子長女(16歳)ですら、こんな発言しますから。
「え、女子って女子用の制服しか着ちゃ駄目なの?」
当たり前です、女子用だもん。
でも、彼女の通っていた名古屋市立(私立、の誤字じゃないですよ)の中学校では10年以上前から、制服は好きに選べたんです。男子用・女子用という言い方もありませんでした。
ルールの中で、好きなものを好きなように選択することが常識だったんです。
多数派の常識は、女子用と男子用は別、というもの。
 大切なのは、それをふまえて、自分の意思をきちんと持つことです。


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