2018.12.10
図書館へようこそ

堀田あけみ

こんにちは、愛知県教育委員会子供読書推進協議委員会委員長の堀田です。
長い。
若者がよく使う、「目が滑る(読むことは読むけど、内容が頭に入って来ない、と言った意味だと思う)」とは、こういうことなんだろうなと、実感します。
自分ちの子どもの読書すら推進できていないのに、どうしてくれよう。
そもそも読書は強制されてするものではないと思っているので、こういう役割には向いていないんです。とは言うものの、子どもたちには散々本読めって言ってきましたけどね。だって、こんなに素敵な物語が世の中に溢れているのに(私にとっては、人々の織りなす歴史も、興味深い科学的な理論も、上質な物語です)、触れずにいるなんて勿体無いから。
本を読め読めということで、読書嫌いに拍車をかけることもありますし。
そもそも小さい子は本が大好き。読んで読んでと言われて、「何回目だよ」と思った経験は、親だったら通る道では。
我が家では、マナトが長新太の「ぼくのくれよん」、カイトが松谷みよ子の「おさじさん」、コトコが「ねずみくんとホットケーキ」。
それらを購入した絵本と児童書の専門店「メルヘンハウス」さんも、閉店してしまいました。

本とは厄介なものです。
お金がかかるのは仕方ないとして、場所を取る。紙は意外と重いです。漫画なんかにはまろうもんなら、すぐに十巻くらい出る。最近は、漫画はスーパー銭湯で読むものと決めております。下手すると、漫画喫茶よりも品揃えが良いですもん。風呂にも入れるし。
子どもが小さいうちは、図書館もいいですよ。お散歩がてら。最近の図書館は、キッズコーナーを設けてます。畳やカーペットのスペースです。複数の子どもを連れていても、無理なく利用できます。いろいろな本を一緒に選んで、楽しい時間をすごせます。
 私の住んでいる区では、図書館がしょぼいのが残念でした。

先日、県の読書推進以下略、の総会が県図書館であり、司会を務めて参りました。その際、岡崎の若い女性司書さんが、図書館に中高生を集めて、情報誌を作成している実例を報告してくださいました。知らない子同士が、ゲームやイラスト講座等を通して交流を深め、十代向けの読書情報誌を作っていくというものです。学校に行けていない子も参加していると、後から教えてくださいました。なんて素敵なプロジェクト。
フロアからは、これに対する厳しい批判がありました。紙の情報誌なんか年寄り向けだ、中高生を対象にするなら、メルマガだろう、紙の無駄遣いをするな、全岡崎に何人中高生がいると思ってるんだ、そのうち十数人集めて何になるんだ。彼女の活動を全て否定したいようで、つまりは壇上にいる人の中で、一番叩きやすい人を叩いて悦に入ろうというものでしょう。
これには、私が反論させていただきました。
若い世代が、行き場のない子の受け皿として、図書館の可能性を示してくれたのがすごく嬉しかった。守らずにおくもんか。
きっと、批判をした人も、行き場のない大人だったんだろうなとは、思うんですが。

意外と世の中には、図書館に一度も行ったことがない人というのもいるもので。
かくいう私も、図書室には入り浸っていたんですが、図書館ともなると、調べ物でもしないと足が向きませんでした。昔の大学図書館は、エンタメ系の書籍なんておかなかったし。
それから、好きな本は手元に置きたくて、買ってしまう質なんです。大学の図書館に行くより、本山の古本屋でワゴン漁る方が多かったかもしれません。
最初は敷居が高いかもしれませんが、子育てのお供に図書館、いかがでしょう。
結構、良い仕事しますよ。


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