2018.05.10
             ちょっと、休憩

                           堀田あけみ

 最近、夏が来るのが早くないですか?
 連休過ぎたら、半袖が定着してきました。
 私が子どもの頃は、衣がえって言ったら、六月一日と十月一日に決まってましたよ。教室の色がいっせいに変わったもんです。
 今は、好きなときに替えていいんですね。
 マナトの通っていた高校では、「合服」と言って、学ランなしの長袖シャツの時期がありましたし、私の勤務先の併設校(今は、附属って言わないんですよ、あんまり)も、「盛夏服」という新しいデザインが入ってきたり、制服事情も変わっています。

 さて、新しい環境に入ったおうちは、そろそろ慣れた頃でしょうか。幼稚園や保育園に入園した子達も、お別れのときに泣かないようになりましたか。これで安心。
 ではないですよ。人生何があるかわかりません。でもなく。
 昔から「五月病」などと言いますが、慣れ始めが危ないのです。更に、日本ではようやく生活パターンが出来上がったときに、ゴールデンウィークなるものがやってきます。ここで、張り切って旅行に行ったりするので。
 連休明けに、やる気がなくなっている子を見ると、休みでぼけちゃったのかしら、と思うかもしれません。しゃんとしなさい、と言いたくなったり。
 でもそれ、疲れているのかも。
 子どもなのに?
 うん、疲れますよ、子ども業。心も体も。
 勝手に騒いだり、訳わかんないことでけらけら笑ったと思ったら、泣き出して、ついでに寝ちゃう、そんな彼らが、体はともかく、心が疲れるなんて。そっちは大人に任せておいて欲しいものです。
 でも、子ども達は大人を見て、顔色を窺っています。旅行に行ったり、帰省したりして、親の様子が変わったり、周囲の大人が増えたりすると、それが結
構な負担になるもの。それに自分で気づけないのが、子どもが子どもたる所以で。

 我が家も、連休明けは疲れていました。必ず、片道8時間かけて帰省したので。おとうさんは、自由業なので、翌日から休めばいいんだけど、容赦なく幼稚園や学校が始まる方は、大変でした。でも、その大変さに、気付いても無視してたんですね。鬼嫁扱いが嫌だったから。帰省のせいにしたくなかった。
 今は、連休はおとうさんは取材で不在というパターンがほとんどです。片付かない自宅にいたらしんどいので、ちょこっと実家に帰ることにしています。
 子どものためには、無理させないでって、もっと早くに言うべきだったのかな。でも、そしたら、いつも一人のおばあちゃんに、家族と一緒の時間はプレゼントできなかった。
 一人で生きてるわけじゃないから、みんなが100%になるわけには行きません。

 頑張ってると疲れます。大人も子どもも。
 それに気づいて、休ませてあげる時間を持ちたいものです。
 そして、自分もちょっと休憩しましょう。
 もう、お休みは終わったのに?
 終わったからこそです。


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